598. 工房めぐりの日 ~朝
翌朝。死んだように眠っていたイーアンを起こし、ドルドレンはいつもは自分がしてもらうことを、と動き始めた。
着替えさせようとしたら、しゃきっと起きられて『自分で着替えます』と笑顔で断られた。ちょっと寂しいドルドレン。着替えさせている時にあちこち触ろうと目論んでいたので、小さく頷くのみ。
愛妻(※未婚)は、目覚めてすぐに意識が普通である。感心することの一つに、愛妻は職人だからなのか、朝が早いことと、寝起きが良いことがある。寝惚けている時もたまにしかない。
そんな愛妻は自室へ入ったと思うと、あっさり着替えて出てきた。最近、同じ服ばかり着ているので、事情を訊くと『春服が角付き自分には似合わなくなった』と悲しい顔で言われた。
そんなことないよ、と慰めたが、イーアンは『自分が痛々しいのは、よく分かっている』と呟いたので、ドルドレンは何か一緒に考えることを提案した。
ドルドレンとしては。奥さんが綺麗な服を着ていてくれることが嬉しいのだが。その奥さんは、服にあれこれと自分を比較するらしい。気にしないでも良いのに、と思うが、これは当人の気持ちなので、一緒に考える。
男らしい愛妻は、最近暖かくなってきたのもあり、肩を落とした襟のないブラウスと、薄手のぴったりしたズボンに、青い布を羽織ってから、いつもの龍皮仕立てセットを着込む。
ドルドレンから見ても、男性的な格好良さ。そして何だか、異国情緒。愛妻は『これをタンクラッドが欲しいって』困るのよ~とぼやいていた。
朝食を摂りながら、ドルドレンは思う。角が生えた愛妻は、龍の鱗の衣服に身を包む。それも本人曰く、母国の伝統衣服と同じ形だという。そんなことを聞いたら、あのタンクラッドが欲しくならないわけはない気がした。彼は思うに、特別感が大好きである。
「昨日。注文表が机の上にあったが、イーアンあれ読めないだろう。『魔物製キモノ一式』って何」
「あなたに読んでもらって、って書かれました。私のこれと同じものを、魔物製で良いから仕立てるようにと。
私の着ていますこれ、母国で着物と呼んでいました。いえね、どこのどれも『着る物』である以上は、着物なのですけれど。母国では、この形の衣服は『着物』という名前なのです」
「ふーむ。呼び名が『服』ではないとした、こだわりか(?)。だが、しかし。タンクラッドが着たら、似合いそうでイヤだ。俺も着た方が良い気がしてきた」
あなたまで!と笑うイーアン。『お揃い尽くし』そんな必要はないとイーアンは笑いながら言う。
イーアンは親方に、以前、毛皮の上着のお揃いを求められ、誤魔化しながら消滅したと思っていたのに覚えていたことを話した。
「それを言われたら、断りにくくなったわけか。イーアンのツボを押さえてるな、タンクラッド」
「あの方ね。防具が欲しいって言い始めて。マスクを見て気に入ったのでしょうね。考えていたようで、鎧はイヤだ、盾はいらないと、最初に言ってから。
それで私のこれですよ、目を留めてね。『それ、強いのか』と言われました。龍の皮だから、強いだろうと思うことは言いましたが、まさかこれを防具代わりにしようとは。びっくりして」
「龍の皮じゃないと。防具になるのやら、だな。服なのだし」
ドルドレンも、それは無理があるような気がした。愛妻も苦笑い。『特に、防具は要らないのでしょうけれど』何か欲しくなったのかもね、と言っていた。
こんな話をしていると、トゥートリクスが寄ってきた。『イーアン、マスク作れましたか』と笑顔の挨拶に、イーアンはもぐもぐしながら立ち上がって、口を押さえ『ちょっと待ってて』と。どこかへ消えた。
「すみません。食事中に」
謝る部下にドルドレンは口を拭きながら、『良いのだ。彼女はいつもああだから』と答えた。言えばすぐ動く。イーアンは、そう。何か言うと、すぐ行動する。あの人は行動する人、と認識済み。
暫くして戻ってきて、イーアンはその手にマスクを一つ持っていた。トゥートリクスは椅子から腰を浮かせ、目を丸くした。『それ。それ、マスクなんですか』たどたどしく呟いて、手渡されたマスクを見つめた。
「すげぇ。こんなマスクあるなんて。考えたことないですよ。イーアンみたい。イーアンが龍になった時」
わぁ、と嬉しそうに目を細める若い部下に、ドルドレンはちらっとイーアンを見る。微笑んでいるドルドレンの視線から、イーアンも笑顔で頷く。
「あのな。トゥートリクス。お前が使っても良いのだ」
総長の一言に、若い騎士は大きな目をさらに大きく開いて『ホント』と呟いた。総長はニコッと笑って『本当だ』と答えた(※自分もあるから余裕)。嬉しいトゥートリクスは、大急ぎで『自分が受け取る』と宣言した。
朝食を終えるまで、トゥートリクスの喜びはイーアンと総長に伝えられ、二人は『もっとたくさん作ってあげたいね』と小声で話し合った。きっともっと欲しい人はいるのでは、と思う。
そんなこんなの朝食の後。ドルドレンはイーアンに『今日は?工房巡りに行くなら、契約金の用意が出来た』と教える。イーアンはそれを聞いて、では今日行きますと答えた。
「何か予定はなかったか」
「鞘を作ろうと思っていました。でもそれはいつでも良いものだから」
じゃ、ロゼールを呼ぼうとなり、総長はロゼールを探して捕まえ『今日。お前は工房巡り』と告げる。ロゼールは頷いて、お皿ちゃんと一緒に行くと言い、一度部屋へ戻ってから、受け取ったばかりの盾とお皿ちゃんを持って戻ってきた。
「工房へ行け。後はイーアンが教えてくれるだろう」
総長に背中を押され、ロゼールは緊張しながら工房へ。工房の扉を叩くと、イーアンが笑顔で迎えた。
「ロゼール。あなたは今日、何か予定はありませんでしたか」
「ないです。俺は来週が厨房ですけど、今週は大丈夫です」
良かった、とイーアンは頷いて、ロゼールに大きな荷袋を渡す。『これはね。私が使っていたものです。この大きさなら、大体は入りますよ』あなたに差し上げますから、今後はお使い下さい、と言った。
「良いの?イーアンはどうしますか」
大丈夫よ~(※自分で幾らでも作れる) イーアンは微笑んで、ロゼールと一緒に工房を出る。『その荷袋には、お金と書類が入っています。彼ら工房の年間相当額ですので、慎重にお取り扱い下さい』笑顔のイーアンに言われて、とても緊張するロゼール。
「落としたら大変ですね」
「はい。龍ですと、そうしたこともないのですが。お皿ちゃんですと、気をつけて下さいね。もしも落としても、龍は気が付いてくれますが、お皿ちゃんは未確認です」
「分かりました。気をつけます」
お皿ちゃんを小脇に抱えるロゼールを見て、イーアンはちょっと考える。『ロゼール。あなたはお皿ちゃんで行きますか?私は龍を呼びますが』どうするかと訊くと、ロゼールも考える。
「今日だけですものね。龍で行くとしても。俺はお皿ちゃんで回るんだから・・・うん、お皿ちゃんでついて行きます」
ということで。ロゼールはお皿ちゃん。イーアンはミンティンを呼んだ。
『距離が長いので、もしお皿ちゃんが疲れてしまったら可哀相ですから、その時は、一緒にミンティンに乗りましょう』イーアンが龍によじ登って言う。ロゼールも了解して『お皿ちゃん、疲れたら教えるんだよ』と伝えておいた(※お皿ちゃんは疲れない)。
そして二人は青空へ出発した。目指すは最初の北の町タルマンバイン。
「ロゼール。タルマンバインは北の支部の近くです。町の近くに、空から見ると支部が見えました。何かあったら、北の支部へ寄ることも出来るでしょう」
「そうですね。って。それは良いんですけど、寒くないですか?」
あらっ。イーアンは気がついた。ロゼールは普通の外套である。空を飛び続けていると、春の朝とはいえ寒い。イーアンは散々飛んでいるので、防寒は普通になってしまった。イーアンは、一度降りようと指示して地上に降りた。
「すみません。結構、冷えるんですね」
う~寒い・・・両腕を擦るロゼールに、イーアンは一度上着を脱いで、青い布を貸した。『これはね。精霊の布ですから、寒くありません』外套の中に布を掛けるようにと教えて、ロゼールが着替えるの待つ。
「ちょっとごわっとしてますが、シワになっても大丈夫ですか?」
「シワにならないの。大丈夫です」
体だけでもね、とイーアンは龍に乗り、ロゼールも再びお皿ちゃんに乗った。青い布の効力に驚くロゼール。足元は冷えるものの、体は寒さを感じなかった。イーアンは寒くないか、と訊ねると『龍の皮だから寒くないらしいです』との答え。
「魔物製の手袋とかも。初めて聞いた時は、スゴイことするなと思ってました。でも、もう龍の皮なんですね。魔物なんか遠い存在じゃないですか」
「魔物と龍では違いますね。でも、魔物製もお世話になりましたよ。本当に・・・使えるものは、とても重宝します。羽毛の上着や、赤い毛皮の上着等もね、誰も着たがりませんでしたが、冷え性の私は一冬助けられました」
そうなんだ~ そうなのよ~ こんな会話をしながら、二人は北へ向かう。
お皿ちゃんこと、ズボァレィは、高速で飛ぶのも厭わない。その理由は素材が龍の骨だったから。イーアンはそれを知ったから、お皿ちゃんは龍と同じくらい速く飛べると分かっているが、ロゼールはお皿ちゃんに掴まれる場所があるわけではないので、ゆっくり龍で飛ぶ。
「落ちそうになったりしませんか」
ちょっと気になっていたことを訊ねると、緑の目を向けて『別に』と首を振られた。さすがロゼール。自分は加速するお皿ちゃんに、何度も落ちかけたというのに。
ロゼールに渡せて本当に良かったなと、イーアンは思った。お皿ちゃんと出会って、旅の仲間が使うものかと思っていた。だが、誰が使っても良いと知り、晴れてロゼールに渡ったズボァレィ。最適な人と出会えた、お皿ちゃんの活躍に嬉しく思う。
「ロゼール。営業周りですけれど、緊張も心配も、しなくて良いですからね。あなたなら、ちゃんとこなせます」
タルマンバインの町が見えてきた時、イーアンはそう言って微笑んだ。ロゼールも深呼吸して『はい』としっかり答えた。二人は北の町の壁外へ降りた。
二人は町の中、一緒にグジュラ防具工房へ歩く。『ロゼールは一人なら、お皿ちゃんで工房まで行っても』イーアンが言うと、ロゼールは笑って『皆、驚くから』と断った。
閑散とした町。それも朝なので、本当に静かな町を歩き、下が廃屋のような工房へ到着する。『脇の通路から、玄関へ』イーアンが教えて、戸を叩く。『ここは2階が工房なのです』振り向いて言うと、ロゼールも意外そうだった。
中から声がして、イーアンは、騎士修道会の者ですと名乗る。声が若そうだったので、娘さんかなと思うと。本当に娘さんの一人が出てきた。
『あ。この前の』イーアンを見て挨拶し、ささっと外に目を走らせる娘さん(※既婚)。
ぬっ。伴侶とシャンガマックを探しているか。イーアンはすぐ気がついたが、ここは残念ながらロゼールを出す。しかし、目的の男たちではないにしても、ロゼールだって可愛い顔をしているので、どうぞ贔屓にしてやって~・・・と、心の中で願った。
「おはようございます。この前は有難うございました。今日は契約のことと、彼の紹介です。彼は営業を担当してくれるロゼール・リビジェスカヤです」
娘さんはちょっとロゼールを見て、その深い森のような色の緑の瞳に、少しポッとしていた(※既婚)。『はい。あの、あ。そう、どうぞ』娘さんは二人を中へ通し、会釈してニコッと笑ったロゼールに、めちゃめちゃ照れ笑いしていた。
「ロゼール。反応が良いです。イケますよ。頑張りましょう、頑張りすぎると家庭の問題になりますが」
「イーアン、何言ってるんですか」
階段で振り返られて言われた言葉に、ロゼールは可笑しそうに首を傾げた。階段を上がって2階に入り、ロゼールは、見事な防具工房に目を丸くして驚いた。
「うわっ、すげえ。こんな工房にお願いしてるんですか?」
笑うイーアンは頷いて『そうです。素晴らしい工房が引き受けて下さいました』と答えた。来客の声に気がついた、奥に座るサンジェイが立ち上がって手を上げた。
「おや。おはよう、イーアン。彼がそう?」
「おはようございます。先日は有難うございました。サンジェイさん、彼は営業担当のロゼール・リビジェスカヤです。今後は彼が来ますので、どうぞ宜しくお願い致します」
「おはようございます。俺はロゼール・リビジェスカヤです。初めてだし、ものづくりもしたことないんですけれど、でも頑張ります。宜しくお願いします」
誠実そうな柔らかい印象の、そばかすのある笑顔を見たサンジェイは微笑む。『若いのかな。よろしくね。私はサンジェイ・アイヤ。妻と、娘夫婦たちと一緒に防具を作っているんだよ』握手して、ロゼールとイーアンに座るように椅子を勧めた。
イーアンは、ロゼールにお金と封筒を渡すようにお願いする。ロゼールが荷袋からお金と、総長から渡された書類をサンジェイに渡すと、サンジェイは目を通して金額の確認をし、ゆっくり頷いて自分の署名をした。
「ここだけ?他にも名前を書くところはあるのかな」
「もう一枚あります。ここと、それと日付と工房名をお願いします」
イーアンが説明して、ロゼールは横から見ている。サンジェイが書き込むと、イーアンは『写しを次回に彼が持ってきます』と伝えた。これでここの用事は終了。
「呆気なく終わっちゃったけど。ロゼールのことを少し知る時間はある?」
サンジェイが笑顔で、若い騎士の顔を見ると、イーアンは勿論ですと答える。ロゼールは緊張気味。何歳なの、騎士なの、こういうの興味あるの、と一般的な質問をされて、ロゼールはちゃんと答えた。
「それと、その。持ってるの、それ盾だろ?ミレイオさんのかな」
ずっとちらちら見ていたサンジェイは、ロゼールの持つ盾を見て、説明を求める。『変わってる形だから、何か違うのかなと思った』と言われ、若い騎士はミレイオに頼んだ内容を話した。
「へぇ。すごいね。あの人なら作るか。どうなの、使ってみて」
「まだ。受け取ったばかりです。でも俺は鎧とか苦手なので、これ一つあればもう安心です」
そんなこと言われてみたいねぇ!とサンジェイは笑って、ロゼールの盾を撫でた。『鎧より、盾一枚に命を預けるか。いや~良いな。そんな言葉聞けるとはね』自分が作ったわけではなくても、サンジェイは嬉しそうに頷いた。
ロゼールもイーアンも、おじさんの満足げな顔を見て、笑顔になる。ロゼールは、持ってきて良かったと心から思った。これだけで仲良くなれた、それが最初の一歩には大きく思えたからだった。
奥さんがお茶を運んできて、イーアンは奥さんにもロゼールを紹介した。サンジェイは奥さんに『うちの娘と同じ年齢だって』と意外そうに笑って教えた。奥さんもちょっと驚いたように微笑む。
「そうなの。もっと若く見えるけれど。ロゼールはじゃあ、もう結婚はしているの?」
「いいえ。騎士でずっと支部にいますから。特に誰と会うこともないです」
「イーアンは作り手でしょう?ロゼールは何か作る?」
ロゼールは恥ずかしそうに首を振って『俺は何も。ただの営業だし、騎士ですけれど、あまり剣も得意じゃなくて』と答えた。奥さんとサンジェイは、可愛いロゼールの反応を優しく見守る(※息子決定)。
「でも。ロゼールは素晴らしい運動神経です。彼は剣ではなく、身体能力が人並み外れて高いので、騎士の中でも異質な存在です。それに彼はとても料理が上手です」
「あ。そうだ。俺は来週来れないんです。厨房担当だから」
イーアンのロゼ紹介に、ロゼールはハッとしてイーアンに言い、それから夫婦に『すみません。3週交代で一週間、厨房に入るんです。来週がそうで、次回伺うのは再来週です』と教えた。
「あら。そうなの、ロゼールは男性なのに料理が上手で、厨房にも入るの」
奥さんは違う方向で食いついた。イーアン、予想がつく。きっとロゼールが来たら、奥さんは料理を一緒にさせる気がする。恐らく、娘たちもロゼを囲むであろう。ご主人、申し訳ないですが宜しくお願いします・・・イーアンはこの予想が当たりそうな気がして、そっと心の中で先にご主人たちに謝った(※上司として)。
サンジェイの方は『再来週にまたおいで。ゆっくりしていくと良いよ』と了解していた。そしてロゼールを見て、うん、と頷いた。
「細い線だけど。しっかりした筋肉なんだろうな。背もあるし、うちで防具なんかも試してみると良いよ。他の騎士に伝えやすくなるだろう?うちは盾とか、腕覆いとかだから」
「はい。再来週は時間を取って伺うので、その時に教えて下さい」
「そうだ、後ね。ミレイオさんに手紙を届けて欲しいんだよ。これね、今日良い?」
ロゼールは受け取って『今日中にミレイオの家に行く』と答えた。サンジェイは笑顔で、ロゼールは真面目で気に入ったと言ってくれた。奥さんは違う方向で気に入ったらしかった。
そして。次の工房へ向かうため、二人はお暇する。陰ながら見つめ続けていた姉妹は、イーアンとロゼールが帰るのが早いと思ったようで、帰る間際に出てきて『もうちょっとゆっくりしても』と笑いかけた。
それはお父さんが止めて『ダメだよ。各工房に彼を紹介に行くって言うんだから』きっちり窘めてくれた。姉妹にも挨拶し、廊下に出たところでご主人2人にも出くわしたので挨拶し、防具工房を出た。ご主人の驚き顔から察するに。きっと姉妹に、時間差で来るように言われていたのではないか、とイーアンはちょっと思った。
「ロゼール。料理が上手だと、きっと一緒に作りたがる人もいると思います。私はよく料理で話題を持ちましたので、影響が出るかも」
「え。良いですよ、料理好きだし。別にほら。サボってるわけじゃないんで、良いと思います」
町を歩きながら、イーアンとロゼールは食べ物の話を続ける。イーアンは、彼の料理を食べたがる人が多くなりそうな気がした。
「次はどこですか」
町を出たところで、お皿ちゃんに乗り、ロゼールが訊ねる。イーアンも笛を吹いて龍を呼び、『次はオーリンです』と答えた。龍は空を滑空するように飛んできたので、イーアンはロゼールに先に浮かぶようにと言い、ミンティンにポンと撥ねられて首に乗った。
龍に乗ったイーアンとお皿ちゃん&ロゼールは、ちょっと飛ばして東へ向かう。
「俺。イーアンがその龍に乗せてもらうの、いつもカッコイイって思ってます。今も見たけどやっぱりカッコイイですよ」
嬉しいイーアン。お礼を言って、ロゼールのことも誉めた。
「ロゼールだって。お皿ちゃんに乗って颯爽と空を飛ぶ姿はカッコイイですよ。私絶対出来ない」
2人で顔を見合わせて、アハハハと笑う。『寒くないから。飛ばしても良いですよ』ロゼールはニヤッと笑って、お皿ちゃんを加速した。ミンティンも微笑みがちにその速度に合わせて、次なる目的地の東の山へ飛んだ。
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