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魔物資源活用機構  作者: Ichen
空と地下と中間の地
576/2952

576. 東の遠征地アクスエク魔物退治


「始まったわよ」


 こんなの初めて見る~ わくわくするミレイオ。離れた場所で馬車隊と一緒に、オーリンとミレイオは見守る。オーリン、緊張しながら(へりくだ)る態度を徹底するのみ。


「おお、意外に燃えない」


 火矢が落ちても暫くはそのまま。ミレイオはじーっと見つめる。燃え尽きた?と思った頃に、川ギリギリの一箇所がメラッと炎を揺らがせた。そこから50mほど離れた草むらも揺らぐ火の手を上げる。

『あ、ねえ!火よ、火っ(※野次馬)』見て見て!オーリンの腕を掴んで、草の燃える炎の群れを指差す、興奮ミレイオ。オーリンは頷く。『火だな』と一言。じろっとミレイオの目が向いて『もっと臨場感あるでしょ』とぼやかれた。



 イーアンは川の水面を見ている。火の手が川縁に上がっても、水面は揺れがない。いないのだろうか。その可能性もある。

 アミスがこっちを見たので、もうちょっと様子を見ようと手で合図する。早馬のエスケンディルの隊も、緊張しながら合図を待つ。出てくる数によっては、間に合わないかもしれないのだ。


「来た。来ました」


 魔物の気配がする。川の真ん中辺りから、何かが涌いて出てくる。深い溝があると言っていた、あの場所かとイーアンが川面を見つめると、ぼこぼこと波が立ち始めたと思うと、突然、草むらの炎に向かって水が噴いた。


「来たぞ。早馬、位置につけ」


 アミスの声で、早馬の隊が少し前へ入る。見ている前で、燃え上がる川辺の草が湯気を立てて、かなりの量の水に遮られていく。そして出てきた魔物を見た。


「河童チック」


 イーアンの呟き、河童チック。カエルの様な人型、と言われていたが、人の体に顔が違う。魔物のセオリーでもあるのか。頭が人で体が違う、もしくはその逆、のスタイルで、水中版を見た。


「え。イーアン。『カッパチック』って名前か」


 ドルドレンが焦って聞き返す。イーアンはちょっと笑って急いで『違う、気にしないで』と伝えた。カッパチックで通ってしまうのも良くないので否定。彼らは河童を知らないのだ。


 体に保護膜が張っているふうにも見える。背は150~170cm程度。それらは人のようで、人ではなく、顔はぼんやりとしていた。よく強盗が、ストッキングを被っているアレに近い印象。頭や顔に水草が掛かり、嘴みたいに口が突き出ている。

 体が透明と言うか、人型の入れ物に水でも入れたかのような、不思議な揺れ方をしている。その体内に藻でも生えている様子。緑色っぽく光を撥ね返していた。


 魔物が腕を上げると、水が勢い良く噴射する。腕は一瞬見えなくなるが、すぐにまた形作られる。水そのものにも思える魔物の、その数、30未満と見る。



 ぞろぞろ出てきて、その後ろからまた、馬らしき魔物が水面から首を持ち上げた。馬にしては。『あれ。タツノオトシゴ』イーアンの呟き第二弾。


 馬ではない、目が円形のはめ込み。馬の頭部に似るが、耳はなく、頭に直立する角が出ている。体は虹色のタイルで作ったような造形的なもので、手足とは思えない、奇妙な長い鰭があった。鰭は左右8枚あり、体の大きさは馬の倍くらい。首を落とすにも、長剣くらいの長さが必要な太い首の魔物は、数えて6頭。



 上がってきたタツノオトシゴ魔物(※命名:タツノオトシゴ魔物=まんま)は、カッパチックより、水量も水圧も増した噴射をする。

 あれよあれよ、という間に川縁の炎は消えてゆく。まだ川からこちらに来ないので、イーアンは、弓引きに火矢を飛ばしてもらうように、お願いした。 


「火矢を放て」


 ホーワス隊長の腕が動くと、一斉に矢を番えた弓引きの弦がはじかれて、火矢がびゅんびゅん飛ぶ。魔物の体に触れて、刺さることなく落ち、触れた途端に火は消える。魔物は何やら確認したようで、焚き火の向こうにいる人間を目的に動き出した。



「まだだ。もう少し」


 アミスが早馬の側に行き、タイミングを見計う。上がってきた魔物は、向かってこない人間に何を思っているのか、動きが遅い。躊躇うようにゆらゆらと体を傾けながら、焚き火を狙って水をかけ始めた。


「焚き火の火が消える前に、行け。もうすぐ、もうちょっと。あの馬型のが出てきたら・・・行けっ」


「走れ!焚き火の手前を平行に走れっ」


 剣隊長エスケンディルが馬を走らせた。続く騎士が馬を出す。5頭の馬が魔物に向かって走り、側まで近づいた時に、剣で左右の袋を切りつけた。


 ぶわっと舞う目灰の粉。風は弱風。走る馬の風と粉塵の砂埃で、目灰も紛れる。全員マスクを装着して、魔物の水が触れる前に、川に沿って平行に、焚き火ギリギリの線を駆け抜けた。


 揺れる目灰の袋から、白い煙のように中身が踊り散る。アミスの合図で、引き返す馬はもう一度、同じ線を駆け抜けて、魔物の腕に掴まれる寸前で逃げ切る。その腕は空振りし、シュウシュウと湯気を上げ始めた。


 風は吹く。焚き火の側まで進んだ魔物は、焚き火の回りに撒かれていた目灰を踏み、そこでも足が止まる。大きな体のタツノオトシゴ魔物も鰭が焼ける。異変に気が付いて、水へ戻ろうとする魔物と、熱を持つ体に立ち往生する魔物が出てきた。


「動きが変わった。ドルドレン、行くぞ」


 アミスの掛け声で、戻ってきた早馬と入れ替わりで、アミスとドルドレンが剣隊を連れて、馬を走らせる。ドルドレンは横を走るアミスに『剣でどこまで倒せる』と訊く。アミスは『振り切れば散る』と短く教えた。


 頷くドルドレンは、剣を引き抜き、真っ向から魔物に突っ込んで、触れる距離全ての魔物を斬り捨てる。シャンガマックも大顎の剣を抜いて、荒神の如く、ざっばざっばと斬り進む。アミスとアミスの隊の騎士たちも、動きの緩慢な魔物の中を走り、剣で斬れる位置にいるものは全て斬り撥ねる。



 僅かでも斬り残していると、すぐに魔物の体の水が戻り、元の形に戻ってしまうが、一旦切り離してしまうと、その部分は繋がることなく途絶えるようだった。

 そのため、かなり距離を近くして剣で斬らないと終わらない。何度斬っても、かすっただけであるとか、切り離していないとなると、魔物は振り向いて腕を伸ばす。水も飛ばして馬から突き落としたり、馬を怯えさせる。


 目灰で失った部分は、魔物には回復できないらしく。その部分が削れた状態の魔物は多かったので、騎士たちは動きの悪い魔物を前に、斬り損じても、存分に剣を振るうことは出来た。

 

 大型の馬のような魔物も同様で、長剣を持つドルドレンとシャンガマックが奥へ進んで応戦。切り刻んで壊して倒す。一頭の魔物が水に戻ろうとする背中を、シャンガマックは逃さずに飛び移り、大顎の剣で叩き割った。『おお。上からだと、かなり硬かったか』その背中を縦に割った褐色の騎士は笑う。そして剣を引き抜く勢いで、馬に戻った。



「いけるんじゃないの。スゴイわっ」


 馬車隊の側にいるミレイオは、笑顔で観戦中。カッコイイ~ 頑張って~ 暢気な声援を送るパンク。『スゴイ、初めて見た。面白いじゃないの』これ家で見たいなぁ(※TVのない世界)と感心していた。


 オーリンはこの時、緊張から解放されずに、うんうんと相槌を打ちながらオカマに付き合っていたが、ふと気が付く。騎士たちが戦っている川の・・・『おい。川下にも』あれ、と立ち上がって見つめる。


「イーアン。イーアン」


 オーリンは川下を見て、水面の動きがおかしいとイーアンに教えに行った。イーアンもそれを見て『あっちにも出たのかも』と頷く。ドルドレンたちは最後の仕上げ中。目灰は使い切った。


「では、あちらは私たち。ガルホブラフに乗って下さい。ミンティンを呼びます」


 イーアンは笛を吹く。ドルドレンたちの場所から200mほど下った川に、もうその姿が見え始めている。オーリンはガルホブラフで浮上する。やって来た青い龍は滑空する。着陸しないでイーアンを撥ねて乗せ、イーアンとオーリンで川下へ向かった。


「ううう~ 良いんじゃないの、この展開っ」


 ミレイオはぞくぞくする。横の馬車隊待機の騎士に、『面白いじゃないっ ねえ?』と笑顔を向け、強張る笑顔の騎士に同意を得た。



 川下の魔物はそこまで多くない。『イーアン。あのデカイやつだ。こっちに頭を向けている』オーリンが指差す場所を見て、イーアンは魔物の数を数える。『む。3頭?3頭ですか』遠目が利かないイーアンの細目を見て、オーリンは『いや、4頭』と、もう一つ頭の出ている場所を教えた。


「分かりました。一度向こうへ飛んで。戻って水面ギリギリで飛びましょう。私が斬ります」


「剣で間に合うか?川の幅がかなりあるぞ。あの4頭となると、渡し幅が7~8mは。剣の長さじゃ、一頭分くらいだろ」


「あなたがいます。剣以外の武器で倒します」


 イーアンの返事に、オーリンはぶるっと震える。にやける顔が抑えられない。これだよ、これこれっ この『龍族の力』って感じがたまんないよ~(※結婚やめて良かった)!! 

 ぞくぞくするオーリンは、張り切って龍気を上げる。ガルホブラフも呼応して、すぐにミンティンとイーアンに繋がる。以前よりも早く、あっという間に白い光に2頭の龍は包まれる。


 2頭の龍はそのまま魔物の上を通過し、目一杯引っ張ってから、オーリンの『4頭全部、首が出たぞ』の声と共に、旋回して戻る。ガルホブラフはミンティンの横について加速し、川の上をすれすれで飛ぶ。


 魔物まで5秒の距離に来て、イーアンは剣を抜く。そして『私の爪』と白い剣を持つ手に呟く。


 言葉と同時に。剣を持った分、いつもよりも長い爪が白い光と共にびゅっと伸び、駆け抜ける川の水面に出ていた魔物の首を、4頭まとめて切り離した。ばしゃばしゃと、頭が水に落ちる音を後ろに、2頭の龍は陣に向かって飛んだ。


「イーアン。一瞬だったな」


 オーリンが後ろを振り向いて笑う。イーアンもちょっと笑って『同じような場所でしたから』一度で済みましたね、と頷いた。


 二人が戻るのと同じくらいで、アミスたちの隊も全員、魔物を倒し、馬を戻して馬車の待つ場所へ進んでいる。空を切って戻ってくる2頭の龍に、騎士たちは両手を振って迎えた。



「向こうにも出たのか」


 アミスが訊いたので、イーアンは4頭いたことを伝える。『他は』ドルドレンがオーリンに訊き、オーリンは、多分それだけじゃないかと答えた。


 陣に集まり、イーアンとオーリンは龍を降りた。アミスたちも馬を下り、少しの間、戦闘状況の報告をする。アミスに解説を求められて、イーアンは、水分を奪う目灰のことを教えた。


「なぜそれを使おうと思ったのかな。効くかどうか、知っていたわけではないね」


「実際に見ていないので、本当にそれだけは心配でした。ただ、お話を伺っていて思いました。魔物が火を消すことや、陸に長く居ないことを知ると、自分たちの体が乾くことを避けているかも知れないと。

 それで水分を奪う方法は、もしかすると使えるのではないかと思って、目灰を使いました。


 目灰は、オーリンの家近くの山々に、鉱山があるそうです。比較的、安価な材料でもあり、私たちも気をつけないとなりませんが・・・扱い方を気をつければ、水辺の魔物に使うにも大量に使えるのではと思います。


 しかし。最初の質問でもありましたように、元々、雨天の戦闘には使えません。水分で発熱し、発熱が進むと、場合によっては発火も起こります。燃えやすい木々を、目灰の袋の下に置き、袋の上から水が降り注げば。例え、雨の中でも猛火を起こします。こうなると手が付けられません。水では消火が出来ないからです」


 アミスはじっくり聞きながら頷く。『万が一だが。そうなったら、どう鎮火するんだろう』方法はあるの?と訊ねる。


「上から砂をかけるくらいだと思います。炎は酸素を燃料にします。酸素、これは空気です、これを防がないと消えません。ですから、雨の中で目灰から出火する事態になれば・・・もう、大量に砂をかけるよりないと思います」


「イーアン。『燃えやすい木々を、目灰の下に置き』と言ったが、それは馬車で運んでいる場合も示しているね?」


 そうです、とイーアンは困った顔で頷く。『水気があってはなりません。壷なり蝋引き紙なり。水が入らないように施して、運ぶ必要があります。ですから雨天時は、運び出すのも危険ですので、戦うなら別の方法です』人の目や口等に入っても危険、と付け加えた。


 アミスも東の騎士たちも、腕組みして眉を寄せながら、うんうんと頷いていた。『しかし使えるには使えるね』今後も、とアミス。イーアンも、取り扱いに気をつければ使える、と答える。



「雨の時はどうする?東は雨が多いんだよ」


「もう。現場に居ないと、私もいい加減なことしか言えませんので。お伝えするのも躊躇いますけれど。雨の量によっては、土砂でも起こすと思います。

 あまり良い方法ではありませんが、一つの川の状態を、一時的に変えるとなればそうします」


「どうやって?参考までに教えてくれ」


 ええ~・・・・・ イーアンは、決して真似しないでとお願いしてから、遠回しに話す。皆の距離が縮まって、イーアンを囲む輪が狭まる。


「幾つかの方法はありますが。私がいない状態ですと、様子を見れませんので。無難な方法で、あの目灰と、カラナと。筒です。その筒に火矢を入れて爆発を起こします。筒は、例えば。川の上に見える、あそこの斜面などに何箇所か差込み・・・と、まぁ。このくらいで」


 おお、東の騎士。ちょっと顔が嬉しそう。見てみたい・・・と物見遊山で言い出す(※言いだしっぺ=統括アミス)。イーアンはぶんぶん首を振り、『いけません。大変、慎重に行わないと危険です』と断った。



「あれか。援護遠征で南の飛ぶ魔物を退治した時、全員に持たせた壷の。イーアンがその方法で、洞窟にいきなり火柱を立てた方法だ」


 ドルドレン、言ってはいけない拍車をかける。イーアンが困った顔で伴侶を振り向くと、ドルドレンは分かっていないので、首を傾げて『あれだろう?材料が同じなのだ』と答えた。東の支部はときめく。やりたい、見たい、と騒ぎ始めた。


 ドルドレ~ン。そう、あっさりバラしちゃダメなのよ~ さらに困り顔を向け、心の中で叫ぶイーアンに、ドルドレンはやっと気が付く。

『あ、そうか。真似しては危険だ。イーアンが配合しなければ』うん、と頷き、急いでアミスに『ギアッチがイーアンの真似をして、支部を燃やした』ついこの前の恐ろしい危険例を伝えた(※支部黒焦げ)。


 アミスはその話を聞き、眉根を寄せて『あのギアッチが。確かに・・・この前。北西支部の、損壊状況報告と補修費用の報告書を読んで、その規模に何事かと思ったが(※真相⇒先生の失敗による)。そうなのか』それは怖いなと、理解したようだった。


 オーリンもミレイオも。イーアンの戦法話など初めて聞いているので、驚きながらも感心するのみ。ミレイオもだが、オーリンも同じように『イーアン=暴力向け』と思っていた。そして『普段の動きは、鈍く緩慢』。この認識が強かったので、まさか、支部で役立つお知恵の存在・・・とは思いもしなかった。


 東の支部の騎士たちは、北西支部が誤りによって丸焦げになったと知り、イーアンをけしかけるのは止めてくれた(※ギアッチ効果)。



 この後。少し必要な話を続け、それから東の用事は完了ということで、解散する。東の騎士たちは、テントを片付けて進むという。『もう少し先で夜営して、明日にでも戻るよ』アミスが総長にそう言うと、ドルドレンたちも了解して龍を呼ぶ。

 東の支部は今日、遠征で魔物退治すると思っていなかったので(※統括のノリ)後日また、改めて北西へ詳細連絡をすると総長に伝えた。


 ドルドレンとシャンガマックは、それぞれの龍に乗り、イーアンとミレイオが一緒に青い龍。オーリンは仕事を片付けたら、近いうちに北西の支部へ行くと言って、今日は戻った。『夜、ちょっと連絡するよ』満足そうなオーリンは、イーアンに手を振って、ご機嫌で戻って行った(※お手伝い役確保)。



 龍で戻る空の道。ドルドレンは『回収しなくて良かったのか』とイーアンに訊いた。イーアンもそれは考えていたが、今日はミレイオも送りたいし、行くなら明日・・・そう思うことを伝える。『それに約束しています』ハルテッドたちに、明日会いに行くと言ってある。


「まとまった時間がとれないまま、お別れの状態になってしまいました。お願いしたので、明日。東へまた行きます。ハルテッドとベルには伝えましたが、支部の方に話していないので、少しだけ時間を頂けるように、お願いしようと思います」


「そうだったのか。それで。あいつら、前日まで渋っていたのに、朝になってすんなり出たなと思っていたが」


 イーアンは、レビドの姉妹の飛び入り御用がなければ、自分は最後の日だった昨日の午後、ハルテッドたちと料理をするつもりでいたことも教える。


「ヒョルド。あいつがしつっこいから」


 ハハハと笑うイーアンは、だからベルたちに申し訳なかったけれど、しつこいのを先に終わらせた・・・と、伴侶に言った。横を飛ぶドルドレンも笑い、『そうかもな。あいつを済ませた方が安心だ』そう答えた。



 イーアンの後ろで聞いていた、ミレイオ。ちょっと首を傾げて『ん。今。何やら聞いたことのある名前が』と小さく呟く。


 え? イーアンとドルドレンは笑った顔のまま、後ろのパンクを見て、ハッとする。『名前。言っちゃ、いけなかったんじゃないのか?』ドルドレン、それも口にしないほうが良かった言葉。言ってから慌てて口を押さえる(※正直だから、すぐ言っちゃう)。イーアンもギョッとして、伴侶に手をさっと伸ばしたものの、すぐにミレイオに視線を動かすと。刺青パンクは二人を見ていた。


「立ち入ったら、ごめんね。それ、()()のお友達かしら」


 イーアンもドルドレンも固まる。固まって、ちょっと間を置いたイーアンが『お友達というほどの相手でもなく』と小声で返す。ドルドレンは眉を寄せて目を瞑り、そーっと龍を離した(※逃げ)。

お読み頂き有難うございます。

タツノオトシゴ魔物を、タツノオトシゴっぽく描いたら何の変哲もなかったので、少し特徴を変えて描いた絵をご紹介~



挿絵(By みてみん)



直立する角やパネル状の形というのは、呆気なくタツノオトシゴ行き条件としり、やんわりにしました~

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