471. 夜明けの色の花びらを ~弓工房・ダビ・イオライセオダ
オーリンのいる山にミンティンを降ろし、眠っているようにお願いすると、ミンティンはすぐに丸くなって眠り始めた。
二人は工房に向かって歩き、木々を抜けたところで、外に出ていたオーリンと会った。『お。早いな』オーリンが笑顔で迎える。
「中へ入れ。少し片付けてから俺も入る」
裏に回りながら、総長とイーアンに扉を指差すオーリンの言葉に、二人は先に家に入った。ドルドレンがその辺の丸太を持ってきて椅子代わりにし、イーアンは椅子に腰掛ける。荷袋を開けて、魔物の材料を出していると、オーリンが裏口から入って、お茶を淹れて持ってきてくれた。
「タンクラッドに伝えた。昨日の今日で現れると、何だか不思議だ。最近は急に便利になった気がする」
龍がいて、連絡する珠もあって、と可笑しそうにオーリンは笑った。『いきなり生活が変わるな』魔物の材料に手を伸ばし、一つ一つ確認する弓職人に、イーアンもドルドレンも頷いた。自分たちもそう思う。
「これは?あの腸と色が違う。また違うのか」
「前のでも良いのですが、この前マブスパールで回収した、魔物の腸も使えそうです。オーリンの弓の、外側に巻いた皮と同じ魔物です」
「そうか。ヘビみたいなヤツだったのかな。この白い薄片があれだな。異様に強くて硬い中身の」
「そうです。弓の中にこれを入れました。注ぎ込んだのは膠・・・ですが。私の膠。持って来れば良かった。忘れました」
「どうして。普通の膠じゃないのか」
「魔物の目玉を煮ました。要る部分を取り除いた余りです。使えない大きさの皮や角の欠片などもです」
ドルドレンの目がどんよりする。以前、イオライ・カパスで取ったあの目玉軍団の、ぐちょぐちょ効果音の続きがそこに。無駄なくまさに使い倒す、愛妻(※未婚)の倹約魂に平伏す。
オーリンが苦笑いして『そりゃ強力そう』と首を振った。今度分けてとオーリンは言い、魔物の材料一揃えを受け取る。
イーアンは続いて、騎士の皆さんからのお礼の寄せ書きを出した。『これは皆さんから』はい、と手渡すと、オーリンは不思議そうにそれを眺めた。
「何だこれ?礼か」
「援護遠征で出た騎士たちは、自分たちが使った弓を、西の支部の騎士に自慢していた。オーリンの作品で、自分の弓の腕が上がった気がすると」
「ハハハ。それはもとから腕が良いんだ。腕を生かせる弓が必要だったってことだ」
腕がなくてもダメだし、弓が良くなくてもダメだし・・・オーリンは寄せ書きを見ながら笑顔で呟く。『良い奴らだな。役に立って良かったよ』読み終わって、総長とイーアンに微笑む顔に、ドルドレンたちも嬉しい。
「もう少しかかるけれど、また矢が出来るから。そしたら届けに行くよ」
「有難う。呼んでくれれば、こちらが取りに来ることも出来る」
「そうだな。イーアンが来た時でも良いし、まあ俺がそっちへ行くのも今は可能だから」
そうだ、とオーリンは立ち上がる。『待ってろ』の言葉を残し、奥へ消えた。ドルドレンはお茶を飲んでから『寄せ書きは良いな』とイーアンに微笑む。イーアンも頷いて『皆さんに伝えましょうね』と答えた。
オーリンが袋を持って戻ってきて、ニヤッと笑って椅子に掛ける。それから袋を開ける前に、ドルドレンに向かって『ちょっと総長な。もう少し後ろに下がっていてくれ』と指示した。
「何だ?何か飛び出るのか」
「すぐ分かるよ」
怪訝そうな顔で、イーアンと目を見合わせたドルドレンは、大人しく指示に従って丸太の椅子を後ろにずらした。イーアンも何だろうと思いながら、机の上の袋を見つめる。
フフンと笑ったオーリンは『良いか』ともったいぶってから、イーアンの目を見た。目が合うイーアンとオーリン。除外気分のドルドレン。まさか!とドルドレンが気が付いたと同時に、オーリンは袋の中の物を勢い良く引っ張り出した。
ずるーっと持ち上げられ、どさっと重量感ある音を立てて机に落ちたのは『腸詰!!』椅子を倒して立ち上がる、満面の笑みで喜びのイーアン。
目を丸くするドルドレン。『まずい』と腕を伸ばすも間に合わず、イーアンは素晴らしい速度でオーリンに駆け寄って(※普段の鈍さがない)目一杯抱き締める。
「素敵!!腸詰です!夢にまで見た腸詰が!!」
「その話を聞いたからさ。絶対、食いたいだろうなって。これ持って帰れ」
大喜びのイーアンはオーリンの胸に抱きついて、ぎゅうぎゅう締め上げる。オーリンも笑って抱き返し、『すげえ力だな』と咽ながらも嬉しそうにイーアンを撫でていた。
「どいてて正解だったろ?こうなるかなって思った」
「お前。計画的だろ」
歯軋りするドルドレンに、オーリンは明るく笑い飛ばす。『良いじゃないか。腸詰で寝起きの心配がなくなるなら』総長の悔しそうな顔を見ながら、抱き締め続けるイーアンを撫でて笑う。
「ほら。そろそろ離れないと総長の歯がボロボロになるぞ。皆で食べれるほどじゃないが、騎士のやつらにも分けてやれ」
「有難う、オーリン。優しいオーリンに会えて、私、幸せです(※肉くれる)」
「俺も幸せだよ。こんなに喜ぶ人、あんまりいないから。というか、いなかったから」
アハハハ、ウフフフと笑い合う抱き締め合った二人に。ドルドレンは悔しくて仕方ない(※でも自分も食べる)。
――うちの奥さんはっ どうしてこうも他の男に抱きついて!!それも肉だ、肉!剣とか鎧とかなら、嫌だけどまだ分かる。しかし、肉もありか。食ったら無くなるんだぞ。
『私、幸せ』とか言っちゃって!何言ってるの、この人は。オーリンもオーリンだっ『俺も幸せだよ~』って!!俺がいるんだよここに。俺は、彼女の旦那だっつーの!この天然ヤロウ、肉で釣りやがって~
「離れなさい」
貼り付いたイーアンの腰を掴んで、男から引き剥がすドルドレン。嬉しそうに振り向くイーアンは『ドルドレン。今日帰ったら焼きましょう』とニコニコしながら提案する。
「分かったから。もう良いでしょっ」
ブスッとむくれるドルドレンは、愛妻をがっちり片腕に抱え、腸詰をさっさと袋に戻し入れ『次行くよ』とオーリンを睨みつけた。
送るよと、屈託ない笑顔で一緒についてくるオーリン。片腕に抱えられながらも、腸詰の太さと長さにウットリするイーアンは『帰ったらヘイズにお願いして』とか何とか、既に幸せな調理の妄想に入っていた。
ミンティンを起こし、ドルドレンは愛妻を抱えたまま飛び乗る。『じゃーね』仏頂面でも挨拶はして、ドルドレンはミンティンを浮上させた。
「そうだ。タンクラッドに渡してあるが。イーアンが俺と連絡の珠を持っててくれ。タンクラッドに渡すように伝えろよ」
旦那のいる前で。人の奥さんに。『連絡取りたいから』と平気で言うこの男・・・・・ ケッと吐き捨て、ドルドレンはミンティンをサグラガンへ向かわせる。
「そう伝えます、有難うオーリン」
ちゃんと返事して手を振るイーアンは、お肉をくれた素晴らしい友人に、感謝の言葉を叫び続けた(※『有難う』『感謝します』)。
嬉しいイーアンは次のサグラガン工房で、ダビを引き取る。ドルドレンがむくれているので、腸詰の袋を持っていてもらい(※荷物持ち)自分が工房の扉を叩いた。
中からアーメルが出てきて、イーアンと総長を見て頷いた。それからすぐに笑顔で振り返って『ダビ』と呼んだ。ダビが来て、少し止まる。
「今日。急だな」
呟いたものの、ダビは前掛けを外して用意し始めた。木箱を2つ持って行くと言うので、綱でくくって落ちないように固定し、ミンティンの背中にかける。
「アーメル。お世話になりました」
「楽しかったよ、ダビ」
イーアンは、アーメルの動かなかった腕が動いているのを見て驚いた。アーメルは微笑んで『ダビがな、剣職人の兄さんとこれを作ってくれてさ』そう言って、上着の袖を捲って見せた。
「お姉ちゃんが持たせたって聞いたよ。有難うな」
イーアンも微笑んで頭を下げる。ドルドレンがいつの間にか後ろに来ていて、イーアンの肩を抱き寄せ、アーメルに感謝の言葉を伝えた。
「サイン。ダビの面倒を見てくれたことに心から感謝する。また協力を願うこともあるだろう」
「総長。礼なんか良いんだよ、俺が楽しませてもらったから。いつでも来てくれよ。俺が生きてる間はいつでも良いよ」
アハハ、と笑うサインは、ダビの背中を叩いて『頑張れよ』と短い一言で送り出した。ダビは言葉が見つからない。戸惑っている様子で小さく頷きながら、龍の背に乗った。
「またさ。暇が出来たら来いよ」
「はい」
実に簡素な別れに、見ているイーアンとドルドレンは困惑するが、老職人は笑顔で手を振る。ダビは何も言えないまま、老職人を見つめるだけ。龍は浮上し、次のイオライセオダへ向きを変えた。
「アーメル!!あなたのことを一生!あなたは、私の師です。絶対に元気でいて下さい!」
ミンティンが飛び始めた途端、ダビが大声で叫んだ。イーアンもドルドレンも驚いて振り向く。ダビは真下を見て叫ぶ。
「絶対だ!絶対に元気でいて!俺はまた会いに来ます!まだあなたに聞きたいことが」
ダビの目から涙が落ちて、言葉が続かない。振り向いて見ていた二人は、ダビが泣いたことにさらに驚いた。
「当たり前だっ!ダビ、お前は俺の息子だ。一生、俺の弟子だ!俺がおっ死ぬ前に、早いとこ来いよ!」
小さくなっていく工房の主が、顔に手を当てて叫び返した。ダビは何度も頷いて、涙を堪える顔を歪ませながら、風に涙を散らした。
イーアンもらい泣き。ドルドレンも、もらい泣き。3人でぐすぐす鼻をすすりながら、冷える空気の中、鼻を真っ赤にしてイオライセオダへ向かった。ダビはずっと泣いていた。
ドルドレンは後ろのダビに腕を伸ばし、何度も肩を撫でてやった。ダビは頷きながら『俺は』『まだ』と呟きながら、呟くたびに涙を落とした。総長も泣きながら(※情に厚い)うんうん頷いて『また行こうな』と慰めた。
イーアンも前で泣いていた。鼻水出ちゃうと困っていたが、感動して涙が止まらなかった。何て素敵な親方と弟子の物語(※最後しか知らない)。私とタンクラッドではこうならない気がする(※親方はなると思ってる)。
泣きながら到着したイオライセオダ。町の外に龍を降ろし、鼻を真っ赤にして涙目のまま、荷物を持った3人は夕方の町を歩く。イーアンにハンカチをもらって、ドルドレンは目頭を拭き、辿り着いた目的地のサージの工房の扉を開けた。
「何だよ。どうしたんだ」
泣いている3人の組み合わせに、親父さんがびっくりして駆け寄る。
話そうとすると、思い出して涙が出るイーアンは、言葉が続かない。総長も話しながらしゃくり上げるので、よく理解できない。
一番驚いたのはダビで、無感情の第一人者のような男が、人間並みに泣いている姿(※言い過ぎ)に親父さんは信じられなかった。
奥からボジェナが出てきて、泣いている皆に驚いたものの、すぐにダビに向き直って『お帰りなさい』と微笑んだ。そして見当を付ける。彼は鏃を学んだ職人との別れが辛かったんだと。
ボジェナを見たダビを、ボジェナはニッコリ笑って迎える。手を取って『奥で休みましょうよ』と引っ張っていった。
「あの。その箱に鏃があります」
引っ張って行かれる足取りで、ダビは振り返って総長と親父さんに教えた。『鏃?』親父さんが木箱の綱を解いて蓋を開けると、とんでもない量の鏃がきちんと並んで納まっていた。
「これを。まさかあいつが作ったのか」
「ダビは、この前にも援護遠征の弓に使う鏃を渡してくれた。矢軸も整えてくれた。その数300」
総長の言葉に親父さんは目を見開いて頷いた。『凄いやつだ』大したもんだなと奥へ消えた姿を振り向いた。
ちょっと落ち着いたイーアンは、荷袋からお礼の寄せ書きを渡して、それからダビに伝えそびれた内容の、剣の鞘のことを話した。
「鞘か。そうだな、こっちで作っておくか。大丈夫だろう。セルメがいつもやるから」
総長とイーアンはお礼を言って、帰ろうと思ったが。ダビをどうしようとここで思う。察した親父さんは『ダビを2~3日預かって良いなら、今日このまま置いて行け』と言った。そして、次に迎えに来る時、魔物の材料を持ってきたら、また剣を作るとイーアンに伝えた。
有難く『宿泊可』の申し出に甘えてお願いし、材料のことも了解して。ドルドレンとイーアンは親父さんの工房を出た。
ダビの道もまた、加速しながら変わり始めている。それを感じる二人は、口数も少なく次のアーエイカッダ剣工房・・・タンクラッドの工房へ向かった。
イーアンが扉を叩くと、少しして出てきたタンクラッドは微笑む。そして扉の影に見えた白い羽毛のヤツを見て顔が戻る。『総長付きか』ぼやいて、二人を中に通した。
「あのな。総長。忙しいんだろうから別に同行しなくて良いんだぞ」
「今日はイーアンと二人で回る仕事だった。忙しいがそういうことも多々あるのだ。多々」
「ところで。そのクロークは何だ。俺が着たものと似ているが」
「あれを聖別したのだ。俺が纏って。それでこの神々しさに変わった」
面白くない。この白さはイーアンとお揃いだ。自分が先に聖別してしまえば良かったと思うタンクラッド(※着ないけど)。
ちらっとイーアンを見ると、イーアンは袋を抱えて(※肉)じっと立っている。『具合はどうなんだ』立っているイーアンに椅子を勧め、タンクラッドは訊ねる。総長は勝手に座った。
「疲れたら休むようにしています。今日は、アオファの鱗を各支部へ配りに行きました。それと、これをあなたに渡すために来ました」
騎士たちの寄せ書きを渡すと、タンクラッドは丁寧に目を通した。それから微笑んで『嬉しい』と呟いた。イーアンの椅子の側に自分の椅子を寄せて、その背凭れに腕を回し、くるくる髪を撫でながら『こんなに喜ばれると、仕事にも張り合いがある』と笑顔を向けた。
ドルドレンの目が。突き刺すような銀色に光る瞳から放たれる視線が、爛々とタンクラッドに注がれる。が、効力はナシ。
「あの量を作ったのはサージの工房だが、自分もそこに加わっていることに喜びを感じるな」
「剣の感想をたくさん聞きました。使った材料で少しずつ違うようですが、誰もがとても感動していました」
お前のお陰だなと優しい眼差しでタンクラッドは、自分と同じ色の瞳を覗きこむ。イーアンは笑って『私ではないと、この前言いました』そう答えた。
――ここもやだ。早く帰りたい。うちの奥さんは、他人に触れられることに慣れ過ぎた(←元祖触りまくった人)。何なんだ、この異空間は。俺がいない・・・・・ それも強敵タンクラッドに、毎回こんな感じなのか。絶対、いつもこうなんだ。俺がいても関係ない感じがする。
「今日は寒い。昨日も寒かったが。大丈夫なのか」
「厚着しています。大丈夫です。そうだ、オーリンが、あなたに預けた珠を私がもらえって話していました」
「何?お前とあいつが直接やり取りするというのか。ダメだろう」
「どうしてですか。魔物の材料を届けました。そうしたことは今後もありますでしょう」
「お前。その大事そうに抱えてる袋。あれだろ、肉の匂いがする。オーリンにもらったな」
「んまー。何て嗅覚の良い方でしょう。そうです。見て下さい、オーリンが腸詰を下さいました」
もうたまらないです、と袋の中を見てヘロるイーアンに、タンクラッドは眉間にシワを寄せる。そのタンクラッドのここまでのやり取りに、既に眉間にシワを寄せているドルドレン。
帰ったらすぐ焼くの~ メロメロして嬉しそうなイーアン。肉に恐ろしく弱いと知っているが、タンクラッドは考える。オーリンが肉で釣ること・・・それを覚えたことはまずい。山は肉の宝庫。
「あのな。オーリンと連絡を取るのは俺に任せておけ。お前はまた忙しく動いて体調を崩しかねないぞ」
「だけどタンクラッドも忙しいでしょう。気を付けますので大丈夫です」
「ダメだ。お前はいつもそう言って、自分のこともよく分からずに無理をする。思いつきが多過ぎるんだ。そんなお前に何でも任せるわけに行かない。俺は親方なんだから」
ドルドレンは口を挟むことにした。いい加減、むしゃくしゃする。
「帰るよ、イーアン。早く風呂に入ろう」
ちょっと嫌味ったらしく言ってみると効果覿面で、タンクラッドの目が怒りに燃え上がった。『何だと』イーアンと同じ色の瞳とは言え、迫力が段違い。怒る剣職人の目に、ドルドレンちょっとビックリ。でも剣職人が反応したので、少し優位な気持ちもある。
「寒いのだ。イーアンは冷え性だから、早く体を温めてやらねば」
調子に乗ってドルドレンはもう一度、火に油を注いだ。タンクラッドの表情が鬼のように変わる。イーアンもビックリ。目をまん丸にして凝視する。『総長。分かっていて挑発か』迫力どころか、気迫が鬼に変わった剣職人に、ドルドレンは、やり過ぎちゃったと後悔(※タンクラッド11コ年上)。
慌てるイーアンは『帰りますよ』と伴侶を急かす。ドルドレンもそそくさ立ち上がり、剣を抜かれかねない状況で、慌ててタンクラッドの家を出た。閉じたはずの扉が勢い良く開けられて、後ろから怒鳴られる。
「イーアンっ 明日来い!分かったな」
曖昧な返事で返して、イーアンとドルドレンは走って町の外へ向かう。『何であんなふうに挑発しますか』イーアンが困って言うと、ドルドレンは『イーアンがタンクラッドと仲良くするから』と言い返した。
いつもあんな具合ですよ、と言われ、『それが俺にツライと分かってくれ』きついんだからと走りながら頼む。『恐ろしい形相でした』イーアンは町の外に出てすぐに笛を吹く。ミンティンがやって来て、慌しく二人は龍に乗って飛んだ。
「タンクラッドは本当にイーアンが大好きなのだ。手を出さないでいるものの、別の種類の純愛組だ」
厄介極まりない・・・溜め息をつくドルドレン。『明日、行かないと何言われるやら』イーアンも溜め息をついて、鬼の親方を想像して身震いした(※自業自得)。
二人の長い一日は終わり、支部についた頃には夕暮れだった。雪の輝く夜の支部に入り、二人はようやく人心地ついた。
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