374. 皆の午後
(※後半にR15か微妙な部分あります。微妙ですが)
イーアンは午後の作業。シャンガマックの手袋を縫う。難しい部分が少なかったので、意外と早く済んだ作業に、もう一つ何かを作っておこうと考える。今日は昼食を作ったから、午後は作業のみ。
ボジェナの毛皮の上着のことも気になるが、今後、危なくなさそうな魔物の毛皮で、女性にも良さそうな質があれば、できれば作ってあげたかった。
売り物になる以上、ちゃんと仕立てるのが常識だろうが。そうすると、服飾の工房にお願いすることになってしまう。しかし衣服となると・・・戦う騎士を基本にした事業から、ちょっと方向が外れるため、服飾は無理がある。民間に利用できる魔物の道具の企画は、あくまで基準が『護身と予防』。
「となると。やっぱり個人の注文には、私が縫うことになるわね。『私が縫った出来でも良い』と言って貰えるような。そうした出来くらいまでには・・・作れないといけないわねぇ」
とりあえず自分で。もうちょっと、上着を縫う練習をしておこうと決めた。ちらっと見るのは、昨日加工したばかりの狼系魔物の皮。首下から尻尾付き。
「あれの種類にしては大きい方だけど。でもあれじゃ上着は無理ね。やっぱりケープよね。上着にするほどの大きさはないもの。上着を縫いたいけれど・・・どうしましょう」
じーっと見てから、ケープでもいいから作るかと思い直し、イーアンはケープ作りに取りかかった。
袖もないし、クロークの丈より全然短い。ちょっと切って背中と前の左右を用意し、襟を包んで縫う。終わってしまった・・・・・ 1時間で済んだわよと呟き、よいしょと肩にかけてみると、軽かった。
「赤い毛皮はレイヨウみたいな種類で重いけれど。羽毛も実は重いし(←爬虫類系)。狼系の魔物は軽いのね。こういうの倒したら、きっと軽くて使いやすいから、是非ボジェナに作りましょう」
犬だか狼だかの系列の魔物は、毛が深いわりには軽い。皮も柔らかい。こりゃいいや、とイーアンは思う。足筒はあまり気にしたことがなかったけれど、肩にかかると軽く感じる。今後見つけたら、出来るだけ多めに倒そうと決める(※これを狩猟と呼ぶ)。
それから。壁にかかるピンク玉虫のクロークを見つめた。・・・・・あれ。ドルドレン着ないのかしら。タンクラッドのお下がりが嫌なら(←普通はイヤ)言ってくれればバラしちゃうのだけど。
「夜にでも聞いてみましょう」
うんうん頷きながら、イーアンは出来たばかりの手袋を持って、シャンガマックに渡しに行った。
*****
午後の執務室でドルドレンは思いつく。タンクラッド・タンクラッドと、頭にグルグル好敵手の名前が浮かぶ今日。どうにかして、彼と差をつける方法を考えていた。
タンクラッドのお下がりで嫌だと思っていた、あのピンク玉虫。もしやイーアンの白銀の羽毛と同じく、自分が身に付けて治癒場に行けば。イーアンとお揃いになるのでは(※実はザッカリアともお揃い)。そうすればタンクラッドのお下がりではなくなる(※意識の問題)。
剣と、鞘と、上着。鎧は後々。とにかくイーアンとお揃いになる方が良い。夫なんだから。
家が建てられれば格段の差が付いて、もっと良いけれど。でも旅に出たら、家を持ってくわけに行かないから(←大移動)やはり、身に付ける物で、常に夫婦を感じられるようにせねばなるまい。
ここで気が付く。旅に出たら、毎日出来ない(※夜の心配)。
「それは・・・・・ 困る。どうしよう」
やはり家か。家を運ぶか(※無茶)。俺とイーアン以外がいる場所では、さすがにイーアンはしてくれない(※あなたもしてはいけない)。どうしたらいいんだ。2日に一回はしたい。3日ナシは厳しい。それ以上なんて、魔物退治どころか下半身の痛みで動けなくなる(※勇者なのに大迷惑)。
今やイーアンありきの俺だ。何日もイーアンと××××出来なかったら死にかねない。宿がしょっちゅうある場所を移動するとは限らない。今まで気が付かなかったが、大問題じゃないか。
「これは。生き死にに関わる。精霊に聞こう(※知ったことではない)」
お揃いも大事だが、ドルドレンにはさらに大事な夜の営みの問題が立ちはだかった。馬車で行ければいいが、馬車が使えない道に入ったら本末転倒の問題。常に安心して(※主に夜)旅をする必要がある。
早急に解決しないといけないため、今夜にでも愛妻に相談しようと決めたドルドレンだった。何やらぶつぶつ悩む総長の手が遅いので、執務の騎士たちは『そんな難しい書類ではない』とケチをつけていた。
*****
妖精の騎士は演習中も、終わった後も、暫く剣の形を考えていた。『私が剣』あまり似合わない・・・これはよく思っていたので、剣を新調するのも少し考えるフォラヴ。
夕方に自室に戻り、棚に置いた何冊かの本を取り出した。先祖の土地から離れて、騎士修道会で暮らすようになって『早い。もう10年ですね』18でここへ来たから・・・呟きながら、今年もう11年目なのかと思う。ページを捲る手を止め、並ぶ図葉に思い巡らす空色の瞳。
「戦うことが嫌ではないけれど。ただ私の場合、剣を振るうのは、これだけ騎士生活が長くても似合わないような気がするな」
自分に合う武器とは何か。深く考えたことはない。武器そのものに特に思い入れもない。いつか闘う運命にいると、生まれた時から聞かされて成長したから、こうして18を境に騎士修道会へ入ったものの。
「うーん。どうしたら良いのか。悩みますね。タンクラッドという職人に相談するのも、良いかもしれない」
思えば騎士修道会に入って、剣を振るうような戦闘は最近になってからである。この魔物騒動で突然それらしい仕事になったのであり、それ以前は穏やかな稽古ばかりだった。心身を鍛練して、いつ問題が起きても備えが出来ているようにという・・・その程度の日々。
フォラヴ自身は戦う時、出来れば人間相手は避けたいとよく思っていたが、有難いのか何なのか。初戦闘から現時点に至るまで相手は魔物のみ。
『これは良かったというべきかな』ページを捲りつつ、白金の髪をかき上げて、そのまま髪を手で押さえ、ページにある絵を見つめた。
「これなんか・・・どうだろう。私の力に合う武器が良いはずだろうが。これは私も使えるかな」
旅に持っていくなら、剣も必要ではあるにしても、自分にしっくりくる武器があると心強い。先祖が使っていたと記録にある防具武器の本の中で、もしかするとこの武器は自分向きかと思えるものを見つけた。
「でも。作れるだろうか。伝説の武器のようなことが仄めかしてある。一般の工房で作れるものなのかな」
暫くページの中の絵を見つめてから、フォラヴはこの話を職人に相談するのが先かなと思う。分からなければ、先祖の土地へ一旦戻って調べてみようと考えた。
「とうとう。運命の闘いに参加する日が来たのですね。私に。私がお役に立てるのかな」
フフフと小さく笑って本を閉じ、優雅に立ち上がったフォラヴは、淡い水色のストールを肩にかけて夕食に向かった。
*****
新しい手袋を受け取り、早速演習に使ったシャンガマックの午後は絶好調。手袋を着けて、試しにスウィーニーに腕を殴ってもらったが、全く何てことはなかった。
離れた所にいるショーリに目を付けて、話したことはないけれどと近づいてみる。ショーリは褐色の騎士に気が付いて、青い目を向けた。
「俺はバニザット・ヤンガ・シャンガマック。ダヴァート隊の剣士だ。頼みがある」
「俺はショーリだ。シャンガマックというのか。イーアンの隊だな」
先にイーアンの名前が出て、シャンガマックはちょっと止まる。が、それは置いておいて、用件を伝える。ショーリは細身の男を見て『構わないが』吹っ飛ぶかもなと少し笑った。シャンガマックは笑わず、『飛んでも大丈夫だ』と答えた。
シャンガマックが一方下がって、ショーリの間合いを開けた。両腕を、肘から手の甲にかけて並べて付け、顔の前に掲げる。『やってくれ』白く虹色を映して輝く手袋の板に、ショーリが目を細めた。
何も言わずに、ショーリは右肘を後に突き出したと思うと、次の一瞬で拳を白い板に打ち込んだ。
「おうっ」
シャンガマックの声が漏れ、打ち込まれた瞬間、体が背後に引っ張られるように吹っ飛んだ。すぐに屈んで足元を確保し、褐色の騎士は砂煙と一緒に地面を滑って止まった。
「さすがだ」
笑うシャンガマックに、ショーリも拳を開いて握りを繰り返した。『そっちもな』何てものを、と少なからず驚いていた。
「腕は。痛みはあるのか」
なさそうに見える細身の剣士に、巨漢のショーリが歩み寄って腕を覗き込む。シャンガマックは構えを解いて、手袋を取り、ショーリに腕を見せる。『痛みは無縁だ』どこもなんともないと朗らかに笑った。
「シャンガマック。お前の鎧も脛当も同じ色だな。これはもしかしてイーアンが」
「そうだ。俺の鎧も脛当も、この手袋も彼女が作った。同じ魔物の材料で、彼女の鎧は鎧工房らしいが。彼女の剣は剣工房の職人が作った」
「イーアンの剣を使った。魔物の翅を切りたいから、これを使えと持たされた。終始、痺れる感覚が気持ち悪かったが、恐ろしいほどよく切れた。あれも同じ材料なのか」
「そうだと思う。詳しいことは知らないが、彼女が作った最初の剣も確か、総長が切れ味を誉めていた」
なるほどなとショーリは頷いた。何やら欲しそうな顔をしているので、シャンガマックはイーアンに頼むと良いと促した。シャンガマックは、自分だけがイーアンの手製で揃えているのが、ちょっとした自慢だった。
ショーリに礼を言って、その後の演習も終えてから。イーアンに剣を作ってもらおうと考えた。自分の剣は彼女の作る剣だと決めていた(※純愛)。タンクラッドの工房で教わっていそうな話だし、きっと作れるだろうと・・・予感のようなものが褐色の騎士にはあった。
*****
演習とお勉強で一日過ぎたザッカリアは、ギアッチと一緒にお風呂に入り、夕食を食べて寝室で日課をこなす。
ベルとハルテッドに夕方教えてもらう楽器を、部屋でも寝る前に弾く。それが終わると、自分の顔を鏡で見て『俺の目は良い色だ。俺の肌の色もカッコ良い』と満足する。
そんな子供に、ギアッチは涙ぐむ。大きくなって・・・・・(※まだ2ヶ月くらい)。事ある毎に『この子は、こんなに小さいのに宿命を背負ったのか』と思う一日だった。まだまだ子供で、どうして彼が行かねばいけないのか。ギアッチお父さんには辛くて仕方ない。
「私も行けたらいいのになぁ。そうしたらザッカリアを守れるんですが」
ぼそっと呟くギアッチに、楽器を弾く手を止めてザッカリアは振り向いた。じっと見つめるお父さん。ザッカリアは、ギアッチの座る椅子の横に行って手を撫でる。『大丈夫だよ』レモン色の大きな瞳で、お父さんを励ます。
「分かっていますよ。分かってるんだ、私にも。ザッカリアは、頭も良いし、顔も良いよ。格好良いし、勇敢で、心も強い。素直だけど、悪いものと良いものを、ちゃんと見分けられる賢さもある」
「それは毎日聞いてるからいいよ。俺は大丈夫だよ、ギアッチの頭の良さをもらったから」
「はぁぁぁぁ・・・・・ そうなんですけど。そうですよ、あなたは本当に頭も良くて勉強も出来て」
「だからそれは毎日聞いてるから知ってるよ。本当に旅に出ても大丈夫なんだよ」
溜め息をつきながら、自分を褒めちぎるお父さんの背中を撫でて、ザッカリアはどうやって励ましたら良いのか考える。小さな手で、お父さんの広い背中を擦りつつ、こういう時はまだ・・・どうすれば良いのか知らないなと思う。
「俺さ。早く帰ってくる。途中で誰かと交代するよ。そうしたら良いでしょ」
思いつきで、早く帰ると宣言する子供。ギアッチは『?』状態。そんな簡単に帰れるのか。それも一人で異国から帰る気か。路銀はどうする。お手洗いはどうする。お風呂は入れるのか。安全はどうする。何処に泊まるんだ。付き添いはいるのか・・・(保護者の視点)。
「ザッカリア。そうしてくれたら、確かに私は嬉しいけれど。でも総長たちを行かせて、あなただけが戻るなんて、それも約束が違うでしょう。それに帰りはどうするんですか。一人じゃもっと心配ですよ」
「うーん。俺もそんなに考えてない」
でしょー?とギアッチは子供の髪を撫でて微笑む。『嬉しいよ。とても気持ちは嬉しいけれどね』でもどうしようねと困って笑うお父さん。
「誰かに聞けばいいんじゃない?シャンガマックの後ろの人とか」
「後?後ろの人?ああ、精霊かな。精霊のことを話してるの?」
「そうだよ、茶色い人。あの人に聞けば分かるよ。どうやったら早く帰れますかって聞くの」
「そう・・・・・ そうだね。聞いて教えてもらえるのかな。ちょっとシャンガマックに相談してみようか」
お父さんはちょっと希望が見えた。役目を放り出させる、そんなことを自分のためにさせてもいけない。でも早く帰ってくるのは大切だ。もし出来るなら、旅の目的に外れることなく、ちゃんと彼の役目を果たして、すぐに戻れる方法があるなら。
「うん。そうしましょう。シャンガマックに聞いてみて。あとはそうだな。イーアンあたりも、龍と一緒だから何か分かるかも。お母さんにも聞いてみましょう」
笑顔になった、茶色い瞳のお父さんに抱きついて、ザッカリアも満面の笑みで『そうしよう』と飛び跳ねた。お父さんが笑ってるのが、ザッカリアの一番嬉しいことだった。
*****
イーアンのくれた、青さパンと唐揚げを、大事に大事に昼夜に分けて食べたタンクラッド。頑張って請負の剣も大方終えたので、後は研いでやるだけ。鞘はあるというし。次は冠だ、と意気込む夜。
早いところ冠を作りたい。そして余った金属でお揃いの○○を作りたい。
「でもな。あの剣の文字は名前だって言ってたから、あれじゃないほうが良いだろうな」
名前ってことは。自分とイーアン以外の名前も入る。そんなの何にも嬉しくない。お揃いなはずなのに、他人の名前なんて要るわけないのだ。よその女の名前まで(※一応仲間)入っていたら、それこそ浮気みたいだ。男の名前なんかもっと要らない。
「イーアンもイーアンだ。俺に相手が見つかるとは、何て失礼なことを言うんだか」
自分で言うのもなんだけれど。特に女に執着はない自分である。イーアンとなら毎晩いちゃつきたいと思う(※頭の中は総長と一緒)が、別に他の女はどうでも良い。顔が良かろうが胸尻がデカかろうが、優しかろうが、料理が美味かろうが。そんなの基準ではない。
ベッドに横になり、青さパンちゃんをちびちび齧りながら、タンクラッドはイーアンの土産の石を見つめる。自分と同じ色の瞳を持っている・・・それだけでも嬉しい。
「どうしてあんなこと言うんだろう。俺に好かれているのが嫌なんだろうか。もしそうなら。総長が好きなのは分かってるが、どうして俺に好かれたままでは嫌なんだろう」
タンクラッドにはそういう部分は分からない。奪う気はない。引き離す気もない。
ただ好きなだけだから、手を出さないで好きでいる分には自由じゃないかと思う(※純天然)。『それじゃダメなのか』分からないなーとパンを銜えて悩む。『訊いてみるか』それがいいなと頷いて、もう一つの青さパンちゃんを食べる。
やらしいことをしたいかと、そう聞かれたら、そりゃしたい(←即答)。けれど、別にそうじゃなくたって、一緒にいられるだけでも良い。好きだから一緒にいたい。それは良いことのような気がする(※S級天然)。
とにかく。イーアンのあの、両極端の破壊的魅力がたまらないタンクラッド。剣のような女だと思う。
頭も良くて優しくて綺麗だろ。低い声も好き。料理も美味いし、いつも笑ってるし、ものづくりも良い腕だ。好奇心旺盛も似ているから好き。
恐ろしいほど力強い一面もある。武器がなくても恐れ知らず。武器を持たせたら一人でも突っ込んで、殺すまで戦う。
「うー・・・ たまらん」
傷だらけのイーアンを見るのは可哀相で辛いが、それを知ってても。駆け出して行って、龍に立って剣で魔物を裂く姿はたまらなく格好良かった。『でも台所にいるのも可愛いんだよなー』ニヤニヤしながら、剣職人はイーアンの瞳を(※自分の目でもある)唇に乗せた。
「総長が万が一死んだら、即引き取ろう(※物騒)」
死んだら悲しみそうだからそれも可哀相か(←当たり前)。まあ、陰ながら見守りつつ、うちで過ごさせつつ。適度に通い妻でいてもらうのが一番かな、とタンクラッドは笑った(※天然で言ってるけど不純)。
笑いながらふと横を見て、思い出した。
「あ。翅」
忘れていた。ちょっと加工しておかなければ。請負を早く終わらせたくて、そっちばかりに意識が向いていた。ベッドから起き上がって、青い翅をじっと見つめた。
とりあえず炉の火を落としていないからと、そのまま加工し始める。これも面白そうだなと気が付いたら最後、好奇心は止まらない。タンクラッドはこの日、夜中まで魔物の翅を相手に楽しんだ。
*****
眠る頃。ドルドレンはイーアンをベッドに押し込んでから、楽しみつつも心配を話す。あれこれされている最中なので、イーアンはあまり頭が回らない。
「どうなんだろう。旅に出ると、こうはいかないだろう?」
そうですねとは答えるものの、すぐに掻き消される理性に困るイーアン。ちょっと手を、ちょっとその、あの色々と止めてもらっていいでしょうかと、伴侶に頼む。
「どこかは動かして良いの?」
「どこを動かさないかによります」
「ここは?」
「む。無理です。手は止めて下さい」
「こっちなら良い?」
「いえ。きっと舌を噛みます」
「このくらいの動きだと。どうだろう?」
「あっ。ダメです。多分話しになりません」
「そうすると。入れたままだよ」
「言葉にしなくて結構ですので、そのまま待機して下さい」
「待機するとね。真面目な話だし萎えるかも」
可笑しくて笑い出すイーアンは、どちらかにしようと提案した。動かされては喋れないし、答えが必要ならまともな意識で考えないと、と伝える。
「じゃあ。終わってから話す」
「そうですね。終わったら眠るかもしれませんけれど」
「眠ったら相談にならない」
「だけど。無理言わないで下さい。私はいつも先に力尽きるんですから」
話すタイミングを間違えたと気が付く伴侶。自分は話せるのに、イーアンは受け答えが朦朧とすると言う。じっと愛妻(※未婚)を見つめ、本能で行動することにした。
これは非常に重要な時間だとしみじみ感じる。感じ過ぎて脳髄が破壊されそうになる(※意味が違う)。ドルドレンにとってイーアンとのこの時間は、自分の生命を維持する大変重要な時間であることを、改めて意識した。
イーアンだってそうだろうと思う。自分のコレがあるとないとじゃ、人生の活き活きさが断然違うはずである。若さの秘訣と、よくジジイが言っていた(※こんな時だけ参考にする)。
どうやっても。旅の始まりから終わりまで全ての期間で。自分とイーアンの夜の営みは、2日に一度は守らなければと誓うドルドレンだった(※イーアンは別にしなくても平気)。
お読み頂き有難うございます。




