336. 食事の喜び
工房に続く廊下で下ろしてもらったイーアンとザッカリアは、ショーリにお礼を言った。
『また後でね』大きいのに声をかけたザッカリアは、もらった肉をまだ食べていて、ショーリは彼の【大丈夫枠】に入っていた。
ショーリは女子供の頭をそれぞれ撫でて、急かす総長の声でのんびり階段を上がっていった。
ザッカリアにギアッチの所に戻るように言ってから、イーアンも工房へ戻った。それからもう一度窓から外に出て、残りの作業を続けた。
7頭の下顎から取れる歯を全部抜いた後、奥歯だけになった顎を袋に戻し、盥と袋を工房の中へ入れた。盥の中には、大小合わせて歯が138本。奥歯の変な形のがまだ取れないので、それが加わると後50本近く増える。
「どうやって使おうかしら。でもとても強そうだから、きっと良い使い道があるはず」
顎の入った袋を地下へ戻し、盥の歯は、消毒用のお酒をかけて揺すってから、全部拭いた。拭きながら思う。
チェスがあの時に話していた『人を噛んで殺した』魔物の歯もここにあるのかもしれない。この歯のどれかが、誰かを痛めつけて殺してしまった歯なのだろうと考えると、胸が苦しくなった。気持ち悪いと、イーアンは思わないが、その歯は何が何でも役に立てねばとは思う。
「この仕事の立ち位置は、賛否両論でしょうね」
いろんなことを思う。思うけれど、イーアンはこの『魔物』をただ倒すだけの存在とする気はないのだ。
この世界の魔物の場合は。人を見れば襲う、家畜を見れば襲う。でも魔物はどうも、食べなくても生きていける。本能的なものが残っている、魔物の形。といった理解でイーアンは見ていた。
ここの魔物は、そもそもの存在目的が生命の循環から逸脱している。だからこそイーアンは、自分の手で魔物を殺せるんだろうと思っている。そして使えるものは使って、役に立てるようにと考えることが出来たのだと思う。
ただこんなことを言ったところで、誰にでも受け入れられるわけではないだろうし、嫌がる人もいれば、もっと倫理的な感覚で説く人も出てくる可能性はある。賛否両論の立ち位置。それはどんな仕事でもあるとは思うが、この仕事は特に、意識をきちんと持っていないといけないとよく思う。
こんなことを考えながら、歯を全部拭き終わって、イーアンは息を大きく吐き出す。歯は別の容器にしまい、盥を洗って表の壁に立てかけた。時間を見ると、3時半を過ぎていた。
「厨房。間に合わないかしら」
ちょっとゆっくりし過ぎたと慌て、チュニックとズボンに着替えてから厨房へ向かった。
「今日はどうするのかなと思ってましたよ」
ブローガンと他の料理担当が3人いて、厨房に来たイーアンに場所を譲ってくれた。『もうじき買出し組が戻りますから』それまでは時間がある、と教えてくれた。
「買出しの担当が戻ってこないと先に進まないので、イーアンはその間に作れるものをどうぞ」
1時間以内には戻ってくるかなぁと言われて、イーアンは食材を出してもらって、急いで作り始める。
最初に芋を丸ごと茹でる。別の鍋では、乾した貝、別ニンニク(辛い)、少量の酒と、香りの良い木の葉を入れて煮立てて5分。火から下ろしてそのまま置く。
次は、酢と砂糖と塩と香辛料を混ぜて、浸け液をボウルに用意してから、香味野菜と香菜を千切りにし、液に入れる。そこに、購入したばかりの瓶詰め塩漬け魚を3枚に下ろして1cm幅で切って混ぜ入れた。これで1品。これは塩漬け魚のマリネ。
干しキノコと別玉ねぎ(辛くてオレンジ)を多めの油で炒めて、酒を少し入れて揺すってから、粉と牛乳を加えてクリームにして耐熱容器に移した。これで2品め。これはチーズを後でかけて焼いてグラタン。
茹でた芋を取り出して皮を剥いてボウルに入れて潰し、最初に火から下ろしておいた貝、塩、強い香辛料を入れて、貝の身を潰すくらいの強さで混ぜる。油を多めに熱した鍋で、丸めて粉をまぶした芋をどんどん揚げた。これで3品。これは貝と芋のクロケット。
料理の呼び名が違うので、『グラタンよ』『マリネなの』『クロケットです』と言ったところで通じない。
が。似ている料理は幾らでもあるので、大体作ると、騎士たちは『これ知ってる』『これ食べたことある』と分かってくれる。こちらの世界の呼び名を教えてもらっても覚えられないので、イーアンは作ってから紹介することにしていた。
今日も3品を見て、料理担当たちは、何となく似たものを理解したようだった。ウケたのはクロケット。貝を使う料理を、ハイザンジェルの東地域以外の人間は、まず食べたことがない。
それを聞いていたから、クロケットを小さくしてお味見用に、と作っておいた。興味津々だが、貝の見た目の印象からか、あまり手が伸びない。でも食べてもらえると、風味が強くて美味しい、と彼らは驚いていた。
「海の味がするのです。貝は特に、海の味が強いと思うの」
イーアンは海辺育ち。一般庶民の味方、シジミやアサリがまだ高級ではなかった時代によく食べた。磯が近かったから、サザエもトコブシもしょっちゅう食べた。でも貝は足が早くて、腐ると強烈な悪臭なので、生をすぐに加熱して食べるか、干物にしてしまうかだった。
刻んだり潰して食べさせれば、貝の美味しさは伝えられそうな気がする。ブローガンは、とても美味しがってくれた。
間もなく、買出しに出かけた騎士たちが戻ってきて、3kg買ってもらったブゾーを受け取る。イーアンは早速これを削り出して、温くなってきたグラタンにかけた。
「ちょっと聞きたいのですが。これ、この量は総長の分ですよね」
「そうです。ドルドレンの夕食です」
「これで終わり?」
そうだ、と答えるイーアンに、料理担当6人が目を見合わせてお願いをした。昨日の残っていたキッシュを食べたとかで、もう一度食べたいと言う。イーアンはそれは是非、と頷く。でも何人分かにもよる・・・・・
「お夕食の準備まで、作る時間はありますか」
「後40分くらいだったら」
ショーリも食べたがっていたから、お皿に一口サイズでおかずを添えるような、そんな量でよければとイーアンは提案した。
ブローガンの指示で他の料理担当も手伝ってくれて、手分けして生地と中身を作る。タルト生地は、体温が伝わる前にまとめないと歯ざわりが良くないので、それだけ気をつけてもらった。
型は、底が抜ける正方形の型を用意してもらったので、これを8個使い、2枚の天板に4個ずつ型を乗せて、焼くことにした。
中身は、豆と、塩漬け肉・別玉ねぎを刻んで炒めてから、粉と牛乳と卵の液体に混ぜた。寝かせた生地を伸ばして型に敷き詰めて、一度から焼きする。
その後、焼き釜から取り出し、中身を注いで、買ったばかりのブゾーを削って乗せてから、もう一度ちゃんと焼いた。
「皆さんが手伝ってくれたので、すごく早く終わりました。焼き時間だけですよ、待つのは」
イーアンは料理担当の騎士たちにお礼を言う。料理担当たちは『少し手伝っただけ』と謙遜していた。でも彼らのチームワークがあってこそ、こんな大量を40分後には焼きに入れたのだ。一人じゃ無理。
焼けたら冷まして、それから切りましょうと伝え、ブローガンたちは了解してくれた。もう夕食の準備に入る時間で、イーアンはドルドレンの夕食は、グラタンだけ焼いてもらうことにして、他2品はそのままでお願いし、厨房を出た。
クロケットを4つ、紙袋に入れて持って執務室へ行き、ドルドレンと執務の騎士3人に渡した。
ドルドレンは最初だけは喜んだ。しかし、憎き執務の騎士たちにも味見があると知り、それも、自分の夕食の1品であることを聞いてふてくされた。
執務の騎士は喜んで味見を食べ、大袈裟なくらいの表現でイーアンを誉めた。
「もうこんなに美味しいなら、僕、死んでも良いよ」
「初めて食べたけれど、貝ってこんなに味が深いんだね。海に行きたくなるね」
「動けなくなるまで食べたい」
イーアンは笑っていたが、ドルドレンは『死んでしまえ』『海へ行って戻ってくるな』『動けなくなってしまえ』と呪いの言葉を心の中でかけ続けた。
これはドルドレンの夕食であることを教えると、執務の騎士たちは酷く悔しそうだった。ドルドレンはその顔を見て、小気味良く、こういう満足の仕方もあるなと喜んだ。
それからイーアンを抱き寄せて、頭にちゅーっとしてから『夕食が実に楽しみだ』と胸を張って伝えた。
執務の騎士たちは冷ややかな目で総長を睨みつけ、なにやらひそひそと相談をしているようだったので、イーアンはお暇を告げ、『料理補助になったら、こうして少しずつ作ります』そう約束して扉を閉めた。
工房に戻ると、もう5時になる頃だった。
明日一日は、ザッカリアにピンク玉虫上着を作ろうと決めて、ザッカリアの寸法の外套を倉庫に見に行った。一番小さい外套を見つけ、埃を叩いて広げてみると、ザッカリアにも良さそうな大きさだった。
これを持って工房へ戻り、外套を目安に、ピンク玉虫毛皮を切り始めた。切るだけ切ったところで扉をノックする音がした。
「はいどなた」
開けるとダビがいて、ちょっと良いか、と言う。どうぞの返事でイーアンは彼を中に通した。
「久しぶりですね、ここ」
見回して満足しているダビに、どうしたのかと訊ねると。意外な答えでイーアンは驚いた。なんと。
「ボジェナが。あなたの上着を見て羨ましがっていて」
で、ボジェナにも作ってあげてほしいと言う。ダビが。ダビが・・・・・ 『あれですよ、勿論支払いは私がしますから』すごい高額だと分割ですがと、交渉するような姿勢で頼んできた。
「あの。ボジェナは騎士じゃなくて一般ですから、それなりにお代ももらうし、これは」
「分かっています。お母さんと背丈が似てるから、二人で、かわりばんこで着たいと言っていたんです」
「ダビ。この毛皮の特性はご存知でしたっけ。私、話していましたかしら?」
「え。特性?何かあるんですか。温かいんですよね、それは聞きましたけど」
イーアンは夕暮れ時の毛皮の状態を見せた。暗闇になるともっと見えなくなることも教えた。ダビは自分の目で見て、少し考えているらしかった。
「これ。考えようによっては。ちょっと危なくないです?」
そう思うと同意し、イーアンも頷く。自分はまだ、剣も持てば魔物とも戦うけれど、一般の女性が着るには注意点がありそうだと懸念を伝える。
「まだね。騎士なら良いです。何かあっても、自分で回避する訓練を受けているとかね」
切り出したばかりのザッカリアの上着用の毛皮を示し、これはザッカリアのだけどと、イーアンは続ける。
『ザッカリアは一人で行動しないでしょう?いつもギアッチがいますし、ここからまず出ません』だから作るのですけれど・・・・・ ここまでイーアンが言って言葉を止めると、ダビは大きく頷いた。
「そうですね。ボジェナがいつも私と一緒ならまだ。でもそうも行かないし。何かあっても責任取れないかも」
ダビの『ボジェナがいつも私と一緒なら』の言葉に、イーアンは胸を貫かれて感激する。今は感激してる場面ではないのだが、これは後で、是非伴侶に言わねば!と心で萌え萌えした。
で。萌え萌えしてる時間もないので、とにかくボジェナには別の毛皮ではダメか聞いてみて、と伝えた。ダビはそうしますと了解し、工房を出て行った。
少しして入れ替わりでドルドレンが迎えに来た。イーアンは暖炉の火を消して、ドルドレンと工房を出た。早速、ダビの話をすると、伴侶も目の玉が落ちそうなくらいに見開いて驚愕していた。でもその変化は、ドルドレンの中では、半身半疑の様子で受け入れていたようだった。この話はあっさり終了した。
イーアンは風呂へ入り、ドルドレンがザッカリアと入っている間、鍛錬所でオシーンと剣の稽古。ドルドレンが戻ってきて、ようやく楽しみな夕食の時間である。二人は顔を見合わせて、どちらともなく微笑む。
イーアンが厨房へ食事を取りに行き、ドルドレンは暖炉の前の椅子で待った。今日の夕食が楽しみで・・・そんなことを思う日が来るとは。
そこに感動する自分がいる。強烈に死に掛けていた、殺伐とした3ヶ月前はもう過去の遺物だ。今はイーアンがいて、結婚したくて家を持とうとして、毎日料理を食べさせてもらえる。
「俺は幸せだなぁ」
ニヤニヤしながら、ドルドレンは独り言を普通の声量で呟いた。周囲の騎士が睨むが、そんなもの気にもならない。
目の端に動く影を見つけ、顔を向けると、イーアンが盆を持ってニコニコしながらやってきた。
ああ、もう幸せ。これを幸せといわず、何と言うんだろう。盆に乗せた料理を目の前に置くイーアン。
「お待たせしました。今ね、ブローガンに焼いてもらっていました。これだけは熱いの。気をつけて」
グラタンを示すイーアン。ふつふつと熱で動くブゾーが溶け、金茶色の焼き目が香ばしい匂いを漂わせる。横には、色鮮やかな野菜と銀色の皮がついた魚の皿。もう一つは山積みの丸っこい可愛い揚げ物。
じっと料理を見つめる伴侶の横に移動して、イーアンが椅子に座ると、ドルドレンはひしっと抱き締めた。『イーアン大好きっ』伴侶の嬉しい言葉に、イーアンは笑って彼の頭を撫でる。『私も大好きです』ちゃんと答えるイーアン。周囲が煩い。
まずは魚のマリネを食べさせる。今日買いましたと教えて、突き匙で一口分の野菜と魚を刺し、口へ運ぶ。ドルドレンは『塩漬けの魚を支部で食べるとは』と感動していた。
これ見よがしに美味を唸って、周囲のブーイングを受けながら満喫する。この特別感がさらに美味さを増す。
焼き皿(←グラタン)のキノコもそうなのよ、と匙に掬い、ふーふーしてから食べさせる。ドルドレンが分かりやすく身悶え(※総長36歳)。
はー、美味しい。はー、最高。ブーイングの最中で、総長は愛妻(※未婚)の料理に癒される。
クロケットは自分でも食べられるから、とイーアンが突き匙を渡す。即、これも食べさせてくれと言われ、ちょっと笑いながら、クロケットもぶすっと刺して食べさせた。うんうん悶えながら、ドルドレンは笑顔一杯で食事を楽しんだ。
「俺だけが食べてる。良くないかもと思うけれど、でもやっぱり嬉しいものだな」
満足げなドルドレンにイーアンは微笑んだ。そして他の騎士たちのお皿を見て、そこにも微笑んだ。
実の所は、イーアンと料理担当が作ったキッシュが、全員のおかずに一切れずつ入っている。騎士たちも、それを食堂で聞いている。何も言わないでいるのは、総長に気を遣っているからだった。
「あなたは皆さんに大事にされています」
「ん。何を急に。そうかもしれないけれど、イーアンが大事にしてくれてる」
そうじゃないのよとイーアンは笑った。騎士たちはブーイングを続けつつも、一切れのキッシュを大事そうに食べていた。
ドルドレンがこの後も食事を続けていると、どこからともなくアティクが来て、総長の皿の魚を見つけてねだった。嫌がるドルドレンをよそに、クロケットには貝が入っているとイーアンが話すと、クロケットも欲しがった。
アティクの手には、すでにもらう気でいるように皿があり、そこに乗せるようにと指示され、渋々ドルドレンは分けてやった。
「酢漬けは俺の故郷の料理と似てる。この揚げたのは知らない。でも美味いな」
味わったアティクは、もう一回ねだり、すごく嫌がる総長が、腕を皿に回して守ろうとしているのを、無理やり押し退けて、強奪と言われようが何と言われようが、酢漬けとクロケットを皿によそって帰っていった。周囲は拍手をしてアティクの勇敢さを称えた。
アティクの無表情な強引さが可笑しくて、腹を抱えて涙を流して笑うイーアンに、ドルドレンは仏頂面。
「お腹。お腹が、痛い。ああ・・・可笑しい」
「笑い過ぎだ。アティクに奪われたんだぞ。無表情で、云ともすんとも言わないで、獲物しか見てない目で盗られたのに」
イーアンは伴侶の腕に寄りかかって、笑いが止まらないまま。アティクにも、何か作ってあげようと思うイーアンだった。
ベルが来て、ゲラゲラ笑うイーアンを見ながら、つられて笑いながら言う。食堂でキッシュの話を聞いて、御礼に来た。そこで、イーアンが食材を購入したことも聞いたらしく。
「イーアン、魚入ったんだって?」
ちらっと旧友の皿を見る。『あ~。ドルだけ特別扱いね。それがそうか』ベルの目つきに、ドルドレンは警戒する。腕で料理の皿を囲み、急いでいくつか口に放り込んで食べる。
「あれは。酢に浸けたの?生?」
「いいえ。塩漬けを瓶で買いました。塩漬けの魚を酢漬けに。それでね、こちらの揚げ物は乾した貝の」
「イーアンっ」
ドルドレンが愛妻の料理紹介を止めるが、結局ベルにも『一口寄越せ』と言われて強奪に遭う。きーきー怒るドルドレン。
「お前、自分ばっかじゃんかよ。総長のくせに、何、示しつかねーことしてんだ。美味いな、これ。もう一つ寄越せ」
「バカ。減るだろ、あっち行けっ」
「いや。ダメだって、独り占めは。いやぁ美味いな、これ。イーアン、酢漬けも揚げ物も最高だ」
「ありがとう」
「『ありがとう』じゃないよ、イーアン。盗られてるんだぞ。お礼言ってる場合じゃないだろう」
このすぐ後にハルテッドがやって来て、ドルドレンのおかずは減り続ける。ハイエナ兄弟に集られて、ハルテッドは、すぐに呼ばなかった兄にも文句を吐きながら、イーアンに笑顔で『美味しい。東の味が懐かしい』と食べ続けた。
久しぶりのフォラヴが側を通り、2つ残っていたクロケットに目を留めた。涼しい微笑みを浮かべた顔で、総長と兄弟に会釈し、すっと手を伸ばしてクロケット1つを取り、『行儀が悪くて失礼』と言いながら摘まんで食べた。
「こんなに美味しいのですね。初めて貝を食べたかもしれません。また食べられますように」
イーアンに優しく微笑む妖精の騎士はそう願って、コロコロ笑いながら、品良く春風のように立ち去った。
最後のクロケットをドルドレンは急いで食べる。ぎゃあぎゃあ煩い兄弟を睨みつけ、彼らにばしばし背中を叩かれながらも飲み込んだ。
周りの騎士たちはさすがに、この兄弟のような振る舞いは絶対に出来ないので、総長に手を上げてまで食事を奪う姿に、ただただ見守るだけだった。
子供の時からこんなだったのかしらと、イーアンは彼らの仲の良さを笑って見ていた(※伴侶の仕返しで兄弟は追いかけられる)。やっぱり、給料で食材を増やして、もっと料理をしようと新たな決意を持った。
お読み頂き有難うございます。




