2892. ヨライデへの準備 ~⑤旅の四百六十八日目 ~朝食雑談・妖精友一幕・バイラ異動
※今回は7300文字あります。お時間のある時にでも・・・
その夜。テイワグナへ移動する前に、別行動へ移った騎士と獅子は、いつもと同じように現地先回り。
「ヨーマイテス。あれが」
「そうだ。動物がもう戻っているな。しかし、多い気がする」
二人は、ヨライデ中央から南下し、自然の広がる地帯に悪鬼の群れを発見―――
*****
バイラからの連絡に気づいたドルドレンは、食べていた手を止める。
今は朝食。イーアンが『治癒場の開放が済んだ。人がすぐに戻ったのは、動物たちも戻されたからですって~』と夢のお告げを話している最中。
ちなみに、この席にオーリンはおらず、シャンガマック親子も今朝は留守。
ついでに、ルオロフもいない。彼は夜明け前に出た様子で、『神様に呼ばれた』と食卓に一筆残されていた。それはさておき。
「バイラだ」
ドルドレンが腰袋の光に気づいて取り出したのは、バイラ珠。
彼は、昼には出られると伝え、久しぶりの総長への挨拶も抑えたらしく、ドルドレンも必要なことだけを聞いた。でも顔は嬉しそう。
バイラは徹夜で書類を仕上げ、上司が出勤してきたと同時に提出、これから同僚に仕事振り分けをするが、これも二時間かからない見込みとか。
交信を切ったドルドレンから伝えられ、イーアンは済まなくて俯いた(※徹夜)。
「本当に、真面目な男である」
「バイラが夜通し、書類を作っていたなんて」
申し訳なさいっぱいの女龍の肩を叩き、ドルドレンは『昼に迎えに行けば大丈夫』と笑い、ミレイオやタンクラッドも『バイラが来る』と嬉し気に目を見合わせる。
ニダは知らない人なので、隣の席のロゼールが詳しく教えてあげた。テイワグナの旅路でずっと一緒だった警護団員で、年は総長くらい、勇敢で頭も良くて、気が利いて、テイワグナの道にとても詳しい、と言うと、ニダは朝食を口に運びながら・・・『言葉は?』と呟く。
「テイワグナ語も喋るよ。でもニダと同じで、共通語も普通に話すから、話は通じる」
「ハイザンジェルくらいよね、共通語以外使わない国って」
ハイザンジェルは建国の日が浅いので、共通語の浸透率が非常に高い。
国が小さい分、識字率も高いし、地方の言葉はあっても全く通じないなどは滅多になく、シャンガマックやアティク(※懐)の部族のように、先住民でもないと独自の言葉を持たない。
ニダは意外そうに皆を見渡して『ハイザンジェルは母国語がないのですか?』と聞いた。
「母国語が共通語なのだ。あまり意識したことはないが。小さいから、それで通ってしまっている」
うん、と頷いた総長に、それ一本(※共通語)と分かったニダは、自分の喋る共通語が変ではないか?と気にしたが、難しい単語などを使わないだけで会話に問題はない、とドルドレンは答えた。
「日常で使わない単語は、会話にも出てこないものである。ニダと話して違和感はないが、もしかすると単語で知らないものなどもあるだろう。でもそれを言ったら、この席にいる者たちは、タンクラッドとミレイオがテイワグナ語を理解するくらいで・・・ ハハハ」
剣職人とミレイオも『自分たちだって、テイワグナ語は日常会話程度』と謙遜。ミレイオは『私は出身がヨライデだから、ヨライデ語も話すけど他はちょっと』と笑った。
「それはそうとさ。昨日は聞けなかったから、交渉の話をしてくれない?」
話を変えたミレイオに、さっと皆さんを見たニダは『私も話したかった』と承知する。
一日経過した後で、場所は変わってテイワグナだし、一晩眠った翌朝。
オーリンは出かけ、気分も変わって食べながら話すニダは、疲れも引いて細かいところまで丁寧に報告した。
黙って耳を傾ける皆と、時々、目が合いながら話す内容は、昨日の朝のことなのにずっと昔に思える。
今と、昨日の時間の流れが違うような錯覚。額の傷の話に移り、皆もそれを覚えていたので、精霊の計らいと誰かが呟き、面交渉の報告は終わった。イーアンが『頑張りましたね』と笑顔で労い、イーアンと話したかったニダも笑顔で返し、『あの』と話そうとしたすぐ、ロゼールから質問が入って遮られる。
十二色の輝く鳥が飛んだ、伝説に残る朝。
朝の風景を船から見た皆の感想も挟まって、伝説の交渉をしたニダの存在は、ひっそりとだが、ここで認められる。
この時間は楽しく、ニダはようやく寛いで話ができたし、仲間の一部になれたみたいで嬉しかった。イーアンとは話せなかったけれど。
朝食も片付け始め・・・ ニダは今日から船で過ごす挨拶をし、皆はそれぞれの用事で動き出す―――
*****
昼にお迎え、と言われたけれど。
「もう行くの」
「はい」
罪悪感でイーアンは、早々とテイワグナへ行く。
『連れて来ても、すぐ挨拶できるか分からない』と警護団の仕事を考慮して伝え、そのくらい了解しているドルドレンは彼女を送り出す。ぴゅーんと飛んで、空に小さな点となるイーアン。
「彼女は、いつまで経ってもイーアンのまま。ああいうところ、女龍になっても、十二の司りになっても、全く変わらない」
フフッと笑ったドルドレンは、あの人と会えて良かったと呟いて・・・ 腰袋の光に目を落とした。
「今日はよく連絡がある」
二度続いただけでも『よく』と感じる頻度。誰かと思えばシャンガマックで、夜間に調査していた報告だった。それは不穏で、ロゼールたちの昨晩情報と重なる。
今夜戻ります、という部下と連絡を終え、ドルドレンの今日のやることが決定した。
腰に剣帯を巻いて、ムンクウォンの面を手に部屋を出る。馬を甲板に出している最中のロゼールとタンクラッドに通路で会い、見回りに行く理由を伝えた。
ロゼールが一緒に行こうとしたが、タンクラッドが先に引き受ける。
「ニダは、年の近いお前の方が話しやすい。側にいてやってくれ」
「うーん、そう言われるとそうなんですが」
馬をその場でロゼールに任せ、タンクラッドも部屋に剣を取りに行く。この後、ドルドレンとタンクラッドでヨライデへ見回りに出発・・・・・
*****
甲板に出した馬たちに、日光浴と食事、ブラシ掛け。ロゼールの手伝いで『馬が好き』とニダが楽しんでいる頃。
出発したは良いが、イーアンはお空の途中で止められていた。
「え?そうなの?」
「はい。でも、オーリンは元々、手伝う目的で来て下さった人ですから」
「自分勝手ね。あの男が『玩具の船(※リチアリの模型船:2487話参照)』で予知をする話は?船はあるの?」
「ええっと・・・模型船は、オーリンを選んだと思います。何も言われていないから」
「ザッカリアの代わりなんでしょ?あなたたちに必要ではないの?」
畳みこまれるように、イーアンは『えーと』と声が細くなる。向かい合う金髪の妖精センダラは、いつも通りの不機嫌そうな表情で、いつも通りの彼女の相槌『ふーっ(※大きい溜息)』。
「ねぇ。ザッカリアが戻ったならいいけれど。でも彼は不在で、ザッカリアに届かないにしろ、未来を予知する力のある道具を手放すのはどうなのよ。
あの男(※オーリン)はどこでも好きに行けばいいわ。人間(※ニダ)と船を下りたって・・・いい気なもんね。まぁでも、抜けたところで痛くも痒くもない存在でしょう。とはいえ、予知する道具はどうにかなさい」
「あの。でも。それは船が選ぶことで。それと、私たちにはダルナがいます。遠い未来は分からなくても、彼らは近い未来を」
「そのダルナが居ない時に、重要なことを知らなければマズイ時だってない?いつもダルナに頼るのを、私は良いと思えない。船が選ぶといっても、どうにかなるかもしれないでしょ」
グサグサ刺さる、辛口絶好調の妖精に、イーアンは俯いた顔があげられない。そうですね、そうかも、と言いながら、でもオーリン(※センダラ視線だと不要)に船を渡してくれとは(※センダラ視線だと必要)言えない・・・ それに今はいないけれど、ダルナは大体側にいると思う。
―――ダルナが居ない時。『センダラは正しかった』これを近々実感するなど、まだイーアンは気付かない。この話はまたあとで・・・・・
もじもじ女龍に、センダラはまた大振りの溜息を吐き、長い金髪を荒っぽくかき上げて『もういいわ』と吐き捨てる。え?と驚くイーアン。
テイワグナへ向かう途中、センダラに呼び止められて『なぜヨライデへ行かないか』と詰問(※女龍視線)を受けたから、ここまでの中間報告で思い出せる限りを話した。センダラは、オーリン脱退に引っ掛かり、『ヨライデ遠回り順路』より、模型船を気にしていたのが。
「な、何がもういいのですか?話はここで終わり?」
「私があの龍の民に、模型船を渡すよう言ってあげる」
「えーっ センダラがー?!」
「何よ。あなたが言い難そうだから、面倒だけど引き受けてあげるんじゃないの。そんな態度で言いに行ったって、どうせ適当に逃れられて終わるだけだわ。あなたは何も騒がず、黙ってて。
あのね。都合良くついてきて旅の最初から知っているくせに、簡単に出て行くようなやつなんて、それだけでも信頼できない。
弱いくせに情報持ちなんだから、いつ敵に掴まってあなたたちの情報を取られるか、その心配くらい普通はあるものよ。でも勝手に旅を降りるくらいだし、模型船一つだって、事態も読めていない頭でよこすはずないわ」
イーアンは言葉を失う。オーリンと大喧嘩した自分だけど・・・センダラの評価が厳しすぎて(※でも合ってるとは思う)絶句。
黙ったイーアンを、閉じた瞼の下からでも威圧する妖精は、数秒じっと向かい合い、『わかったわね?』と呟いた。イーアンは頷くに頷けない。でもセンダラなら、模型船を入手する気がする。
「あなたが、私の友達だから・・・ここまでしてあげるんだ、ってそれくらいは分かってよね」
「あ・・・はい。あの、私も、センダラは私のお友達だと思って」
「間違えていないわ」
肯定した言葉は、水色の粒子に最後が消える。イーアンたちが思うよりも、センダラは模型船を重視していたことも、意外だったけれど確かにそうだと今更感じた。
「お手数、おかけします・・・センダラ」
急に掴まり、急に放り出された朝の一幕。空の途中で呟いたイーアンは、センダラの言葉を胸にテイワグナへまた飛ぶ。
次にセンダラが来る時、模型船を持ってくる。オーリンは今日から毎日、ハイザンジェルと船を行き来して荷運びするけど・・・
「言わないでおこう。オーリンが構えても困るし。センダラは私に口止めしたんだもの」
いつオーリンを襲うのかな(※襲うイメージ)と気になりつつ。でもセンダラの酷評ではあれ正論に、イーアンは考えながら―― ウム・デヤガへ到着。
*****
「おはようございます」
予定より30分ほど遅れたけれど。
到着したイーアンに。バイラが呼び出されて玄関へ迎えに行き、『昼まで待てなかった』と謝り出す女龍に慌て、龍の女が来たと騒がしい本部内を連れ、通りすがり上司やら誰やら(※イーアンは覚えていない)に挨拶しがてら、バイラのお仕事伝授現場に向かい、ご迷惑かけていそうと思いつつ、龍の女付きバイラから引継ぎ内容を聞く同僚に微笑まれ、バイラはあっさり解放に至る。
「早かった。イーアン効果です」
チョコレー〇効果みたい(※商品名)と思うイーアンに、部屋を出たバイラが笑顔で『龍の女が一緒だと覿面』と続けて言われ笑う。
「徹夜で仕事していたと聞いて、申し訳なかったです。だからあなたの負担がまだあるなら、何か手伝わなきゃって」
「イーアンは・・・会った時から親しみやすいと言いますか。久しぶりに会うと、しみじみ思います」
女龍は庶民染みていて、それを褒めながら、バイラは荷物をまとめた宿舎へ案内する。本部は広いが、朝は人もたくさん。『今朝戻ってきた人たちがまた増えまして』と混雑ぶりを説明され、イーアンは頷く。
精霊からの報告で、今日で全員戻ったみたいですよと教えたら、バイラは新着情報になんだか嬉しそうだった(※特別感)。
バイラの部屋へ通され、きちんとまとまった荷造りを見つめ、イーアンは『バイラと某龍の民の違い』を感じる。バイラらしい、要らないものは持たず、使うものをしっかり把握した、実にコンパクトで運びやすさも無論OKな荷物。
女龍が荷物を見つめ立ち尽くしてるので、バイラは『多くなってしまいまして』と言い訳する。本部で過ごしていたから地図や資料の量が増えてと、荷の一つに手を置いた彼に、イーアンは微笑んだ。
「ぜーんぜん、多くありません。頼んだのはこちらですから、私が運びます」
「ええ?イーアンに運ばせるつもりはないですよ、荷物は輸送で手配したので」
「だって、これらすぐに使いますでしょ?」
三ヶ月便で頼んだらしき、輸送荷物。臨時とはいえ、一年未満滞在を見越してだから、僻地ですぐに入手できないものは荷物にしたバイラ。イーアンはますます感心する(※急な引っ越しでもオーリンと違う)。
現地入手困難の情報など、見たい時に必要な・・・ なんて。さすがバイラだと、首を振り振り、イーアンは『龍で運ぶ』と満面の笑みで引き受け、バイラはひたすら恐縮した。
「その、馬もいるので。イーアンに言わなければと思っていたのですが、私と私の馬は一緒に運んで頂けたらって。荷物はあとでもいいものですが」
「うん。大丈夫。お馬も当然、一緒ですよ。私が龍の大きさで、あなたと馬と荷物を載せるに何の問題がありましょう」
苦笑するバイラ(※イーアン龍がデカい)に女龍も笑って頷く。
「いえね、後で話すけどちょっと昨日揉め事がありました。あ、心配いりません。もう落ち着いたの。
で、それが丁度、移動の荷物に関したもので、ついバイラと比較して。あなたの荷物はなんて完璧なんだろう!と感動したくらい。ここにお馬が加わったって、完璧に違いはありません」
私の荷物に感動?と苦笑するバイラの背に手を当てて、荷物は裏庭に運ぶとイーアンは言い、その間にバイラは何かやっておくことがあれば済ませて下さい、と頼んだ。
何度も謝る律儀な男は、裏庭にでも落としてくれ(※荷物)と言い残し、上司に出発を伝えに行き、イーアンは宿舎の窓から見下ろせる裏庭に荷物を運び出す。
パタパタ飛んで、お邪魔にならないところに荷物を置いて、またパタパタ飛んで・・・目立つので、警護団が騒がしくなり、イーアンは笑顔で手を振り、急いで戻ってきたバイラに『皆さんにも挨拶されては』と促し――
「うおっ」
白い龍は、警護団の裏庭に姿を現す(※ここで変化)。
こうなると喋れないイーアンは、大きな頭を地面につけて、驚愕するバイラに頭に載せるようジェスチャー。
すみませんを連発しながら、バイラは裏庭に出て馬を迎えに行き、馬具を左手、馬を右手で誘導しながら戻って来た。
「荷物から載せます。馬と私は最後で」
順番を先に断る律儀な男に、イーアンはいいよと微笑む。バイラは龍の鼻から上がって、角の間に荷物を何度か運び、驚きながら側にくる仲間には『絶対に触るな!』と怒鳴って遠ざけ(※忙しい)、最後の荷物の続き、馬に飛び乗って龍の角の間に上がった。これを合図に、龍は浮上する。
「すみません、本当に!あなたの顔を何度踏んだか!私は罰が当たります」
「ゴゴゴ」
そんな小さい衝撃なんて分からないイーアン。笑う龍に、下で見ている人々が歓声を上げ、笑ってる、喜んでる、と騒ぐ声を聴き、バイラは大らかなイーアンに感謝一入。
イーアン龍は皆さんに手を振って、見送られながら南へ向きを変える。
ゆっくりと空を泳ぐ白い龍は、いつも旅路を案内してくれた懐かしの警護団員と荷物を頭に載せて、恐縮しっぱなしの男に笑いながら・・・テイワグナは国境沿いのサマ・イナンディヤへ―――
*****
南端へ到着したのは、のんびり飛んで、小一時間後。
お荷物&お馬付きだから、静かにゆっくり。喋ることのできない女龍は、バイラが退屈していないか気にしたが、彼はそんなことなく、ただただ楽しそうに過ごした。馬も大人しく、草原のようになびく白い龍の鬣に座る。
バイラは通り過ぎる地名を教え、海の伝説や、発掘された遺物のことや、盗賊が溢れた時代の宝騒動、魔物が終わった後の復興、警護団で進めている機構の仕事、様々な話をした。
バイラっていい人・・・ 以前も彼に和ませて頂いた期間を思い出しつつ、龍は機嫌良く現地へ到着する。
空から見えた海岸沿いに、イナディと港、黒い船。バイラは『あれがそうですか?』と船の大きさに驚いて、頷く女龍に『治安部はこちらです』と逆方向を示し、龍は海から逸れた岸壁伝いの先へ行き、小さな―― それはそれは小さな施設の前に降りた。
施設前は拓けていたが、枯れ木も少ない。徒歩だと傾斜を上がる具合で、乾いた風合いが包む景色に、背後を崖に守られた国境治安部の建物が建つ。
イーアン龍は大きいが、遮るものが前面にない施設なので、普通に降りることが出来、荷物を下ろしてもらってから人の姿に戻って気づいたが、ここは道すらなかった。
「んまー・・・なんてシンプル」
「はい?」
「いいえ、何でもないです。では、一緒に荷物を運びましょう。ここですよね?」
「ええ、そうです。って、私も外から見たことがあるだけで、中は入ったことがないんですよ。見たのも実は、護衛時代ですし。確か崖に隠れて見えないけど、岩をくり抜いたところに建物が・・・裏手に繋がっていたような。今もあるなら、多分そこで寝泊まりです」
ひえ~・・・すさまじい、と声にしないが女龍は環境にビビる。軽くムショじゃん、と(※育ち悪い)辺鄙過ぎる施設環境に絶句。孤立どころか、どうやって生活しているのか疑問いっぱい。
バイラが荷物を幾つか持ち上げたので、女龍は疑問と一緒に荷物も抱え(?)お手伝いしながら建物の玄関へ。バイラ荷物は基本100サイズ箱(※例:段ボール)。女龍は一回で運べるが、バイラが止めるので何度かに分けて、なんてやっている内に、中から人が出てきて驚かれる。
かくかくしかじか。
まずは女龍を紹介し、間髪入れずに自己紹介したバイラは、話しながら書類を見せて、本日の日付と指示を確認してもらい、『ここまでは龍のイーアンが連れて来て下さった』と強調。
テイワグナ民は、龍に弱い。あっさりひれ伏す勢いで拝まれかけて、イーアンは慌て、こうして二人は治安部内に通してもらった。
お読みいただきありがとうございます。




