2720. シャンガマックの仕事②『檻探し』・カロッカン着・『黒喪失』の予想・ティヤーの黒い面
※今回は7200文字以上あります。お時間のある時にでも。
☆前回までの流れ
イーアンが、セルアン島でお昼のコロータに感動した後。バサンダの頼みの品『海藻』を入手』して船に戻り、引き継ぎシャンガマックが出発。彼はテイワグナで、カロッカンを確認後、最初の仕事に取り掛かりました。
今回は、もう一つの仕事から始まります。
テイワグナで、ファニバスクワンに言い遣った仕事を始めたシャンガマックは、ダルナのフェルルフィヨバルと移動中。
今日はバサンダに会いに行くが、テイワグナを回る間でバイラさんにも会いたい。それにあの人も・・・近くまで行ったら、と少し思い、気になることへ意識が止まる。
「人間淘汰。目下のところ、一番の悩みだが。その前に決戦がある。決戦でサブパメントゥがどれくらい紛れて、人間を殺しにかかるだろうか」
汗ばむ顔を、手の甲で拭いながら呟く。もう一つの仕事は、『檻』探し―――
「シャンガマック。檻はどうする」
呪いの地へ向かう前に、『檻』跡を見つけたらしきダルナが尋ね、騎士は降りてほしいと頷いた。
『原初の悪』がサブパメントゥに手を貸した以上は、サブパメントゥの煽りも防がないといけない。『檻』は発動させれば、魔物もサブパメントゥも閉じ込める。光に弱い種族は、発動した瞬間で倒れるだろう。
「ここだ」
森の終わりから、広い草原を抜け、幾つもの谷が始まる場所の上空、シャンガマックの目に古代遺跡の名残が映る。比較的はっきりとした遺構に、状態が良いと思った。
「降りてくれ。確かめてくる」
ダルナがゆっくりと地上へ近づき、シャンガマックは遺構の端に飛び降りる。腰袋に入れたまま、丸めた資料を引っ張り出して、照らし合わせながら調べ始めた。
「館長・・・あなたにも会いたいです。俺を弟子にしてくれて、この素晴らしい資料をあっさり渡してくれた、あなたにも」
サブパメントゥを捕獲するための『檻』を確認するのも、仕事。
まさかこんな大仕事に、自分の研究の成果が使われているなんて思いもしないだろう。
シャンガマックは、資料の文字と遺跡の特徴を比べる手を休めず、『人間淘汰。あなたが滅びては困るんだ』と願うように呟いて、『檻』の種類を紙に書き込んだ。
少し、笑う。不謹慎か、と真顔に戻る。書く手を止めず、シャンガマックは小首を傾げて自分の思考を可笑しく思った。
「人間淘汰で、館長が滅びては困る?俺ときたら・・・俺の家族は?部族も。共に戦い続けた仲間は?騎士修道会の俺の友達は・・・ 彼らもそうだろうに、すっかり意識が。随分、人間離れしたな」
ヨーマイテスはよく、自分のことを『優しい』と言うが。無意識の呟きに気づくと、決して優しくなんかないと、自分を寂しく笑う。
「俺はどれだけ変わったんだろうな。偽善者のようにも思うが、これが世界を守るために一途に生きている変化なら、偽善ではない。総長も、イーアンも、タンクラッドさんたちも・・・同じように思うんだろう。例え、自分が淘汰される未来を突きつけられても、やるだけやって死ぬだけ、と思うのは同じな気がする。だが、普通の人間たちはそう思えない。支部の仲間は、死線を潜り抜けたから、もしかすると」
寂しい変化なのか。でも受け入れるに無理のない、心の変わり様。呟きは、誰に聞かせるわけでもないのに、情報を記録する間、声に出し続けて想いを呟いていた。
こうして、午後を動き続けた日暮れ前。褐色の騎士は、山間の町へ辿り着く。
フェルルフィヨバルには姿を消してもらい、教わった店の前まで一人で歩く間、町は人っ子一人見かけなくて、心配になったが。
仮面の店を窓越しに確認し、中で作業する人影を見つけ、扉を叩く。コンコンと二回叩いた音に、人影が揺れ、それはすぐさま走り寄って扉を開けた。
「シャン、シャンガマックですか!?今度はシャンガマック?」
破顔した面師は扉を開けるなり、両腕を広げ、シャンガマックも笑顔で抱擁。背中を叩き合って無事を喜び、再会した夕陽の名残を仮面の店内で受ける。
「もう二度と会えないと思ったのに!信じられません(※1401話参照)。まさかあなたから訪ねてくれるなんて!私が今世話になっている人・・・ニーファは会ったことがありませんよね。彼も来ています」
抱擁の腕を緩めたバサンダが『ニーファが、ダマーラ・カロから来てくれて』と言うので、ふと『そんなに近いか?』とぽろっとシャンガマックが疑問を言うと、面師はニコッと首を横に振った。
「近くないです。でも、私たちには偉大な面がありますから、彼一人なら動物のような足の速さで、ここまで来れるのです。イーアンが私の所在を彼に聞いたことで、ニーファが気にして、自分からカロッカンへ」
「偉大な面か・・・摩訶不思議な力を持つ」
早速その話題だと、興味深く壁を見たシャンガマックに、バサンダは表を少し指差して『ニーファは今、下の家の・・・親戚に道具を借りに行った』と教える。
「そうか。さて、積もる話は山なんだが、まずはこれを」
嬉しく迎えた来客に椅子を勧める面師に、シャンガマックは笑顔で箱を見せる。バサンダの笑顔は一瞬で消え、視線が箱に釘付けになった。
「シャンガマックがこれを届けて下さったんですか」
「イーアンと交代した。だが、受け取って来たのはイーアンで」
バサンダの手が箱を受け取り、蓋を開ける。手つきは慎重、薄い青い色の布を捲り、中から現れた絵の束、左右に両手を入れて取り出した。
シャンガマックもここで初めて見て、その絵の美しさと迫力に肝を抜かれるほど驚いたが、感想より先に大事なことを伝える。
「絵は、十一枚なんだ」
*****
懐かしさは後回し、まずは『絵』の話題で始まった。
イーアンから託された木箱を渡すと、バサンダはすぐ蓋を開けて絵を取り出したので、『11枚で』絵が足りないのを先に伝える。絵を分ける手を止めないバサンダの淡い瞳が騎士を見て、『黒ですか』と尋ねられた。
当てられて瞬きした騎士は、『なぜ』と呟いて、椅子を勧められたので座る。
バサンダは見越していたかのように、二三回頷きつつ自分も腰掛けて、絵を一枚ずつ大きな作業台に並べて見せる。が、見せるだけで質問には答えない。
「あなたは、黒が消えると知っていたのか」
仕事意識になって喋らない面師に話しかけると、彼はシャンガマックに微笑んで『多分そうなると思いました』と答えた。
「イーアンは・・・セルアン島でおばあさんから黒い絵の崩壊理由を聞いていないようだ。おばあさんも知らなかったと」
「んー・・・母は知らないかも、ですね・・・そうでしたか。崩壊しました?」
どれくらい時を経た後なのかと思えば、バサンダの現年齢と捕らわれ時の姿比較で、30年は経過しているだろうに、目の前の面師はシャンガマックに、淡々と『母』と『絵』の話を続け、郷愁や情などに囚われる素振りもなければ、感情を動かされもしない。
彼の目は、長年保管された絵に食い入るだけで、シャンガマックはこんなにあっさり業務に切り替わる人を初めて見た。
久しぶりの再会も、自分の仕事に関わる方を優先――― この空気ではイーアンも、おばあさんの話をする気になれなかったな、と思う。
バサンダの深い皺は、ランタンの灯りにくっきりと濃い影を作り、年齢50過ぎの彼は同年代のミレイオよりも年を取って見えるが、目が。
彼の目は若者と全く同じ好奇心と挑戦心、探求する意欲に満ち、若い頃の自分が描いた絵を添削するように、隅々まで細やかに動いていた。
時々、フフッと笑って『まだ若かったから』と独り言を落とすバサンダ。
言いかけの尻切れトンボの独り言から、『若かった=未熟な出来』と感じる。シャンガマックには、並べられた絵のどれもが凄まじい威圧と魂籠る作品で、伝統を踏破した絵だというのに。
「バサンダ。あなたは、若かった自分の描いた絵を見て」
「はい?ああ、まだまだ、だなって。ハハハ、魂を知る前ですから、当然のことですが」
「素晴らしい絵だと、俺は思うが」
「シャンガマックは優しいですね。この絵では、設計図止まりです。時間があればもう一度、描き直したいくらいです」
「へぇ・・・そうか。あ、これも。忘れてはいけない、イーアンに持たされたんだ。『海藻』と」
パッと思い出したシャンガマックは、ベルトに下げたままの布袋を外して渡す。バサンダの笑みが力強く変わり、その変化に少し驚いた。
「良かった!イーアンに頼んだのです。そう、懐かしいな。これですよ、この海藻が大きな第一歩です」
使い道を知らない褐色の騎士はポカンとし、バサンダは乾燥した海藻の束に顔を当てて『これだ』と匂いを嗅ぐ。懐かしそうに瞬きし、目端に映った夕闇の影へ視線を向け、『ニーファが戻りましたね』と外を指差した。シャンガマックは、ニーファにも挨拶するため席を立つ。
数秒後、かちゃっと開いた扉から覗いたのは小柄なニーファで、シャンガマックに驚いた。実は二人は初見。
「ええと、どなたですか?バサンダの知り合」
知り合い?と聞く前に、バサンダは騎士の肩に手を置いて微笑み合い、『彼は命の恩人です』と伝える。
若いニーファが目を丸くしたまま店内へ入り、工具を机に置きながら、凄まじい技量の絵に戸惑いながらも、とりあえずバサンダ曰く『命の恩人』の客に握手を求める。褐色の騎士は手を握り、『俺はイーアンの仲間』と教え、ニーファは納得。
「失礼かもですが、あなたはハイザンジェル人に見えなくて。どこの御方かと」
「母国でも、北の部族なんだ」
握手を交わし、バサンダがシャンガマックの肩に手を添えたまま、『彼とお父さん、イーアンが、私を守ってくれた』と話すと・・・ニーファは神妙な顔つきに変わり、シャンガマックに頭を下げる。
「話は聞いています。バサンダがテイワグナで捕らわれた時代を」
「そうか。彼は今、人生を謳歌しているように見える。あなたのおかげだ」
「シャンガマックさん、いらして下さって有難うございます。あなたが彼を連れて助けて下さったと知った今、あなたは私の人生の恩人でもあります」
義理堅そうな若者にシャンガマックは少し微笑み、『バサンダの運命に少し関わっただけだ』と控えめに答えた。
この後、ニーファは親戚に借りた工具を、まずはバサンダに確認させ、バサンダはこれから挑む面作りの材料の全てを滑るように伝え、ニーファは頷きながら『ここにある』と工房に腕を一振り。
続けるバサンダが『休ませる工程の間に用意する』と、今はない材料の入手も問題ないことを互いに確認し、それから机の上の絵を気にし続けるニーファに、簡単に紹介する。
シャンガマックは口を出さず聞きながら、ニーファは諸事情を相談された後と理解。バサンダは、シャンガマックに顔を向け、『面を作る用意は整った』と工具入れに手を乗せた。
「明日から始めます。イーアンに話した時、彼女は私の体力を心配しましたが」
「聞いている」
「ニーファにも事情を伝えたので、彼が私の限界を見極めて止めてくれます。安心してほしいと、イーアンに伝えて下さい」
「それなんだが。俺が来たのは、彼女と交代と言った。あなたが無理をして体を壊さないよう、特別な水を持ってきたんだ」
じっと見つめる面師二人に、褐色の騎士は精霊(※今回神様だけど)の与えた水の効果を話し、『効果がどの様に現れるか、それは分からないが、体を助けてはくれるだろう』と正直に、自分は数日置きに訪ねたいと用事の内容を伝えた。
「そんな貴重な水を持参して下さって・・・では。有難く、お願いします。数日置きとは何日くらいです?目安がありますか」
「三日。長くても、間は三日と思ってくれ。人間の体力と気力は集中するほど、持って三日だ。俺は魔物退治の遠征で、三日は粘れたが、四日目には抜けが出た覚えがある」
自分の経験談を参考に、『開いても三日』と答えたシャンガマックに、バサンダは心から礼を言って両手を握り、『無理を越えないようにする』と約束。シャンガマックも微笑んで『そうあってほしい』と頼んだ。
ニーファは、心強い味方が増えたので、今夜は泊まって行ってと話しを変えたが、シャンガマックは笑って断った。
暗くなった表を指差し『仲間を待たせている』と言い、仲間=イーアンたち?と早合点したらしき顔に、首を横に振り、『あなた方の知らない仲間だ』と椅子から腰を上げる。
「では、また二日か三日後。バサンダの作業はここで行う他、移動はしないな?」
「しません。こちらへお越し下さい」
ニコッと笑ったシャンガマックは、もう一度、作業台の絵に視線を移して『実に美しく力強く、生気が漲っている』と褒め、苦笑した面師に見送られて外へ出た。
真っ暗な山へ上がる道を一人歩きながら、星空を見上げる。山間の町の夜は少し涼しく、汗が出る気温ではない。
「俺の仕事と・・・バサンダの。獅子面の顛末は、ニーファがいない時が良いかな」
最後まで言えなかった、獅子面喪失。
精霊の禁忌を破ったために、取り上げられたあの面の行方は知れない。あるのか、ないのか。だが、在ったとしても戻されることはないと分かる。
「すまない、バサンダ」
頭を掻きながら、木々の包みが増える道へ入り、進んだ数分後、白と灰色の霧が立ち込めた。シャンガマックは『今日はここまで』と霧に伝え、霧は形をダルナに変える。太い首に跨った騎士を、ダルナは紺色の夜空に連れ、夜はどうするのかを聞いた。
「考えていなかった」
「そうか。それなら、私と休むと良い」
ありがとう、と答えた騎士は、『あとで父が来ると思う』とそれも教え、フェルルフィヨバルは分かっていると頷く。夜空を人目つかずに飛ぶダルナは、さらに人のいない奥地へ騎士を運び、シャンガマックが休みやすい場所を選んで降ろしてやった。
フェルルフィヨバルの魔法は、テイワグナの未開の地にゆとりを生む。
恐縮して苦笑いした騎士は、至れり尽くせりの別荘と風呂と食事に感謝して・・・この十分後にやって来た獅子を迎えた。
*****
騎士が出て行った店で、ニーファは夕食をどうするか、バサンダに尋ねる。
初老の面師の視線は絵から動かず『私は特に』とやんわり断り、会話が終わる。台所に入ったニーファが『お茶は淹れよう』と気を利かせた。
バサンダは仕事に入る速度が異様に速い。
集中力が高く、話しかけていないとあっという間に一人の世界に入ってしまうのを、ニーファは何度も見た。彼はまるで、生きている時間の一秒さえ惜しんでいるよう。
小さい竈の熾火に、枝と細い薪をくべて火を熾す若い面師は、『その絵のことだけど』と台所から少し大きい声をかけ、『うん』と向こうからも返事を受ける。
「私たちの面を使いながら、ティヤーの特別な面を作っても大丈夫なんですか?ちょっと気になって」
「ああ・・・はい。それは大丈夫だと思いますよ。宗教とはまた少し違いますし」
反発し合うなどは聞いたことがないけれど、特殊な面同士、影響があるのではと質問したニーファは、茶葉を小壺から出し、作業場に戻る。湯が沸くまで、絵を見て話したい。ちらっと目の合ったバサンダは微笑み『何をするか、詳しく伝えますよ』と言った。
「先ほど話してもらった以上に、作業があるんですか」
「ニーファ。絵の、ここを見て下さい」
バサンダは一枚の絵を引き寄せ、ニーファの前に置いて面の眉間を示す。紙には、上下で面の表と裏側が描かれており、最初に表、次に裏側の絵に指がずれた。
「私が若い頃に作った面、イーアンにまた持って戻ってもらったから、ここにはないんですが」
「それも見たかったです・・・でも、古くなってから見つかった、あなた制作の面はつぶさに見ましたから、思い出しながら説明を聞きます」
先日、イーアンが持ってきた青い面。バサンダは彼女に渡されかけて、戻した。若い頃の自分が、海神の女に頼んだ品だからということで。
でも、テイワグナの森で落とした古い面は、出会い初日にニーファに見せたので(※1395話参照)ニーファも印象に強く、その面はダマーラ・カロの家に置いてある。彼と意気投合した貴重な面の存在・・・・・
目を合わせたニーファとバサンダは微笑み合い、お湯が沸くまでの間、ケルメシリャーナの作りを話した。絵を見ながらの説明は、つい先ほどまで作っていたかのように細かく、バサンダは何一つ忘れていないと、ニーファは感心する。
設計が少し異なる面の絵で、本来の伝統の作りと違いを聞く時間。バサンダが、若い頃に成し遂げられず、眠りに就いていた新たな面の絵が、外国の山奥で息吹き返しているように、ニーファには映った。
「鳥の羽はどうしますか?」
「見立てたものを使います」
絵の具、材料の違いを細かく話し、途中でお茶を淹れて、ニーファは持参した茶菓子も添えた。11枚の絵に纏わる精霊や巨大な存在の物語も少し聞き、茶に手を伸ばしたバサンダに『黒は』と尋ねる。
「黒?」
「黒の対象について説明が短かったので、ピンと来ないのですが。他の色を司る存在も特別なのに、なぜ黒だけ、絵がなくなって」
はい、と茶菓子を回すニーファに微笑み、バサンダは熱い茶に口を付ける。作業台横の棚に置かれた、紙と炭棒を取って『これが』と即興で絵を描いて見せた。絵は、真っ黒に塗りつぶされた丸。
「まさかこれが黒だと言わないですよね?」
笑ったニーファに、バサンダは可笑しそうだが『これがそうですよ』と続ける。嘘でしょうと頭を振るニーファは、笑みを浮かべたまま目が笑っていない初老の面師に『本当に?』と呟いた。
「ニーファ。黒い面をここで作る時、側で見ていて下さい。伝統の面で、黒はそれなりに違う色彩を入れていますが、目に映るのは黒でしかありません」
「・・・絵がなくなった理由は」
「呑まれたんでしょう。黒に」
黒は、本物を映し出されると消してしまうから・・・ バサンダの言葉は、少し怖く聞こえたが、ニーファは何となく理解する。
本物に通じる、宿す魂がある場合。本物がそこに来るか、それが消えてしまうことがある。
本物は一つで良い、その意味を、制作者は誰に言われなくても悟るのだ。
気づいたらしき若い面師に、バサンダは目元を緩ませて『そういうことです』と茶を飲む。
「私は若かったから、まだまだと思うけれど。黒だけはその可能性があると、少しは自信がありました」
消えたことを、まるで認められたかのように話す彼は嬉しそうだった。
お読み頂き有難うございます。




