1443. 魔族 深夜の攻撃 ~ドルドレン負傷・聖獣と赤ちゃん・退治の夜明け
☆前回までの流れ
分担して倒す魔物退治。その中にいた魔族と遭遇したことから、ロゼールは危機一髪、サブパメントゥのリリューに助けられ、魔物増殖の元・親玉を探しに向かいました。
同じ頃、ドルドレンも親玉を探して町の外れに到着し、地下へ向かう採掘場に入ったところ、そこには・・・
暗く、湿っぽいその通路は、急な坂に導かれて、あっという間に地下へ降りる。
ドルドレンの背の、倍はある高さで掘られており、木材が骨組みになって続く様子から『坑道か』そうとしか見えない。
勾配の急な降り口も、足元に枕木が渡されていて、踏み出した時に靴が引っかかったから滑りはしなかった。
奥へ続く通路を進みながら、魔物の気配を感じつつ。
「これは何だ。さっきからずっと・・・魔物だけではない。サブパメントゥ?」
眉を寄せて、灯り用に前に伸ばす剣を揺らし、サブパメントゥの誰かが居るのか、と探す。
はっきりはしなくても、ドルドレンが普段感じている、ミレイオやホーミット、コルステインの感じと似ているので、そうではないかと気にするが、姿の一片も見えない。
「魔物がいるだろうが。もし本当に、サブパメントゥなら、なぜ同じ場所に」
訝しく思うも、奥へ進む足を止めることもなく、灯りは何も映さないまま、ドルドレンは急いで、しかし慎重に目的へ向かう。
もう、間近。それが分かるほどに奥まで進んだそこで、喉の渇きが限界に。唾を飲もうにも涸れていて、ぐっと沈んだ喉が潰れそうだった。気が散る痛みに耐えるには、状況が悪い。
ドルドレンは、腰袋に入れてある手拭き布の端を銜えて、少しの間噛んでから、滲んだ唾液を飲み込むと、『行くか』と自分に言った。
次の角を曲がったら、終点のような気がしている。親玉も、誰かも・・・そこにいるのだろうか。
サブパメントゥも、魔物の親玉も、同じ場所にいる?――
「理由は何であれ。サブパメントゥは、傷つけないように気を付けなければ」
剣を抜いた自分を見て、誤解を生まないことを祈りつつ、ドルドレンは冠の力を剣に移す。ぐんぐんと昼の太陽のように光り始める剣を片手に、奥へ歩みを進めた時。
「総長!」
声と共に、バッと目の前に出て来た部下・ロゼール。驚いて剣を後ろに引くドルドレン。
「ロゼール、なぜここに」
「総長だったか。こっちに来ないで下さい、俺たちも今、着いたんです」
「俺たち」
何だか分からず、ロゼールに胸を押されて、後ずさるドルドレンは、奥の暗がりに目を向ける。長い尻尾の先が揺れるのを見て、ハッとした。
「リリューか」
ロゼールと一緒に行動しているのが、サブパメントゥのリリューと察し、自分を見上げる部下に訊ねると、部下はドルドレンの胸を押して、下がらせるのを止めないままに頷く。
「総長の力は、リリューに辛いんですよ。『すぐ終わる』って言っていたから、こっちで待ちましょう」
何がどうなっているのやら。ロゼールは自分を下がらせたがっているので、仕方なし、ドルドレンは奥が気になるものの、『分かったからよせ』と止めて、剣を鞘に戻して、暗闇の坑道をロゼールと少し戻った。
「リリューが気がついたのか?親玉だろう、この大きさの邪気は」
「はい。岩盤の奥にいそうです。リリューは岩をすり抜けるから。あ、そう言えば総長。俺、さっき気持ち悪い魔物と遭遇しまして。そいつ、魔」
ロゼールは『魔族だったんですよ』の報告しようとしたが、次の一瞬で、ゴゴン!と鈍い音が坑内に渡り、ガラガラと頭上の土塊が落ち、二人は慌てて頭を守る。
真っ暗な場所で何が起こったか把握できないが、いきなり響く音と土の臭いに、上が崩れたとだけ知る二人。
遮るものはない場所で、頭に土塊を受け、二人はしゃがみ込む。数秒後に、今度は奥から猛風が走り抜け、ドルドレンとロゼールの体は一瞬浮いた。
「おおおお!」
「うわっ!」
ゴロゴロと体を転げて、二人は互いを掴む。風の続きは再び・・・『ロゼール伏せろ!』叫んだドルドレンがロゼールの体に被さり、それと同時に大量の土塊が雨のように落ちる。
「総長!」
ドルドレンはロゼールを包み、背中に土と岩を受ける。落ちてくる土塊は止まらず、ロゼールはドルドレンを退かそうと押すが、ドルドレンの体が動かない。
「総長、総長!ダメだ!」
叫ぶロゼールも、口の中に土埃が入って咽る。湿った土塊でも、細かい粒は散り、そこかしこを埋めるほどに降って来る。
自分を守る総長に、ロゼールは必死になって押し上げようとするが、ビクともしない総長に『ダメだ』としか言えず、咳込んでリリューを呼ぶ。
『リリュー!終わったか?リリュー、総長が』
頭の中で呼びながら、止まない土の雨に積もられ、自分の顔に何か温いものが垂れるのを感じたロゼールは、それが血の匂いと知って焦る。
『リリュー!助けてくれ!総長が死んでしまう!』
仰向けに手足を縮めたロゼールの上を、包むように体で覆ったドルドレンの顔は見えない。衣服を伝う血が、ロゼールの顔に垂れて、それは少しずつ増え、ロゼールは顔にも首にも、総長の血を受けながら泣いて頼む。
『リリュー!!早く』
土は積もり、ロゼールの頭の両側に、柱のようについたドルドレンの肘も腕も埋まってゆく。ロゼールの息が荒くなり、涙と土埃と血で汚れる顔にも、終わらない土塊の雨が埋め始めた時。
いきなり体の周りが、ふっと自由になった。体の周囲にあった土は一瞬で消えたように感じ、自分を守ってくれた総長の体も・・・・・
ハッとしたロゼールを、ひんやりした鱗のある腕が抱えた。
『リリュ・・・・・ 』
『ロゼール。魔物倒すした。ドルドレン。死ぬない。出るから平気』
涙と血で土まみれに汚れたロゼールを見て、リリューはとても辛そうな顔を一瞬見せたが、すぐにそう伝えて励ますと、両腕に騎士を抱え、真上の闇をすり抜けて、夜の外へ飛び上がった。
*****
地上では、オーリンの呼んだ聖獣が、町の壁の外にいる魔物を片っ端から片付ける。聖獣は大きな力を使うことなく、飛び回って爪に掛け、翼で払い、体を当てて魔物を突き崩す。
「最初から、こうすりゃ良かった」
苦労したのに、と苦笑いするオーリンは、少し離れた所から、無尽蔵にも見える動きで、魔物を潰し続ける聖獣を見守っていた。
「無尽蔵・・・じゃ、ないんだろうが。あれかな」
ガルホブラフの背で、オーリンは横の空に見える青緑色の光に顔を向け、聖獣の力の補佐にもなっているのかと、考える。
あれもいつまで続くかな、と気にはなっているが、シュンディーンの方が無尽蔵かな、と思えてくる。あの結界を張り続けて、赤ん坊は大丈夫なのだろうか。
「そろそろ・・・どうにかなんないとな。総長、頼むぞ」
総長が動いてから1時間も経っていないが、聖獣頼みの魔物退治の状態は、呼んだ最初と変わっていないような。
龍の背で、聖獣の側を離れるわけにもいかないオーリンは、町の中にも目を向ける。バーハラーが動く姿が見えているから、あっちも魔物はまだいると判断。
町を挟んで山側は、暗過ぎるくらいに暗いが、時折、コルステインの力なのか、白っぽい光が浮かぶので向こうもまだ、と・・・・・
そんなことを思っていると、地上付近を元気に往復していた聖獣が戻って来て『ピャー』と一声。
「おう。どうした。魔物は?」
まだ魔物はいるだろ、と下を見るが、聖獣は『いない』と思っているようで、動かない。
「全部退治した、って感じだな。そうか?」
うん、と頷く青い聖獣。ホントかよ、とちょっと笑って、オーリンは龍で下に降りる。夜闇の中に、確かに動く影はない。オーリンも魔物の邪気は感じないし、龍も感じていないと分かる。
「いきなり?ってことは、総長が親玉を倒したか」
魔物が引いたらしいことを理解して、オーリンは了解する。空中で待つ聖獣の元へ行き、『お疲れさん』と労うと、聖獣はあっさり戻って行った。
「タンクラッドにも言うか」
ガルホブラフも龍気が減っているため、少し疲れている感じが否めない。オーリンはタンクラッドのいる町中へ向かい、そこで龍を降り、ガルホブラフも空に帰した。
「タンクラッド。魔物は終わりだ」
丁度、バーハラーに乗ろうとしたところを止めて、バーハラーにも空に戻るようにオーリンは言う。タンクラッドに聞かれるより早く、燻し黄金色の龍は、さーっと空に帰った。
「おい、まだいるかも知れん」
「いや。いないと思うよ。聖獣、来ていただろ。あいつが倒し終わったと。総長が多分、親玉を倒したんだ」
タンクラッドは大きな溜息をつくと、『そうか』と短く答えて、背中の鞘に剣を仕舞った。
「ただな。まだ龍を使うかも知れないのに、この広い町で、歩いて移動か」
「ちょっとだろ。龍は、精霊の力も受けながらの戦闘だったんだ。呼応できる相手もいない。ガルホブラフは俺がいるが、タンクラッドたちの龍は」
「分かった。もう言うな。疲れた」
遣り切れなさそうな剣職人に、オーリンは同情する。ポンと腕を叩いて、自分を見た彼に『気にするな』と伝える。
「誰にだって、あるだろ。自分のせいにするなよ」
オーリンに慰められ、タンクラッドは答えもなく、軽く首を振っただけだった。情けないが、礼を言うことも出来ない。
気持ちは理解出来るオーリンも、それ以上はこれについて言わず『まずは馬、借りようか』と移動の提案をする。二人は、一番近くで町民を集めている、避難場所へ向かった。
*****
一人残ったフォラヴも、ちょっと疲労に参っている状態で、ゆっくりと周囲を見渡す。
コルステインは先ほど『リリュー。呼ぶ。する』と言い、それと同時に消えてしまった。コルステインがあっという間に消えた時は驚いたが、気がつけば魔物はおらず。
フォラヴは今、確認のために一通り、担当した範囲を回って戻った。魔物の気配は感じられないし、もう大丈夫かなと人間の姿に戻る。
「でも・・・後、一仕事。いや、一仕事で済めば良いのだけれど」
のろのろと、腰袋に手を入れて『写しの壁の欠片』を手に握る。それを見つめて、もう一度、妖精の姿に変わると、白い翼で宙へ上がり、フォラヴはミレイオたちのいる場所へ向かった。
ミレイオもヘトヘト。『頭痛い』力使い過ぎだ、眠い、を連発しながら、片腕を添えたシュンディーンに『もう良いかもよ』と伝えた。
シュンディーンは下の風景を眺めて、欠伸をしてから、結界を下ろす。光の壁はするすると上から下へ向かって下がり、ほんの僅かな間で地面に吸い込まれるように消えた。
「あんたのおかげ・・・本当に思うわ。あんた、凄いわよ」
「んん」
一応、返事はしてから、赤ちゃんはまた欠伸をする。疲れたミレイオがちょっと笑って『ごめんね。眠いね』と労う。
――魔族の種は、どういうわけか。シュンディーンの結界の中で、ずっと光っていた。
その光は赤黒く、ミレイオは最初、コルステインの炎に焼かれた場所は、長い間燃えていたから、それで炭でも熾きたかと見ていたが。
しかし散らばっている小さい粒は、どれも同じような大きさで、側に寄ると、禍々しい気配を受けたため、『もしや』と気がついた。
気がついて、シュンディーンに『魔族の種かも』と教えると、シュンディーンも嫌そうに見ていたことで、可能性が高いと思ったミレイオは、これを集めることにした。
自分たちは種にやられない。分かっていても、触るのは嫌だったから、魔物を退治しながら、赤黒い光の場所の土を削り、触れないように吹き飛ばして集めることにした。
地味な作業だったが、他に思いつかなかったのもあり、魔物も出れば退治している状態で、どうにか全部の種らしいものを集めるに至った――
「魔物。魔族になったやつ、いなかったわね。結界張る前に、どこかには出ちゃったのかもしれないけど、結界を張ってからは見なかったな」
あんたがいて良かった、とミレイオが赤ちゃんを見ると、赤ちゃんは寝ていた。お疲れ赤ちゃんに微笑み、頭を撫でて『寝てて』と囁くと。
「さーて。どうしようか。この種。誰か呼ぶしかないんだけど・・・ん。あら。あれ?フォラヴ?」
あら、丁度良い~! 白い鳥の翼だけが飛んでいるように見える、あんな姿のはフォラヴくらい!
手を振って迎えるミレイオは、『こっちよ、見える?私たち、ここにいるの』と大きな声で空に叫ぶ。白い翼は近くまで来て、ゆったり大きく羽ばたくと、少しずつ降りた。
「フォラヴ、帰ってくれたのね!凄い、良い時に戻ってくれたわ。どうなるかと」
「ここに魔族の種がありますね?」
喜ぶミレイオに少し笑って、静かに遮るフォラヴの声は、いつもの声よりも風の音に近く、ミレイオはすぐに応じた。
自分が集めたのが、種だと思うがと、削った土の穴にあるものを見せる。
「はい。そうです。他にはないですね?」
「ないと思うわよ。これ、光ってたの。きったない色で。邪気もあったし」
了解した妖精は、すぐに欠片で傷つけた自分の手から血を落として、集められた種を、魔族の世界へ戻した。
後で覗き込むように見ているミレイオは、この痛々しい場面に眉をひそめる。これが彼の仕事なのかと思うと、気の毒に感じた。
「フォラヴはいつ来たの」
「どれくらいか前・・・町の向こうで、コルステインと一緒に魔物を退治していました」
意外な組み合わせに、ミレイオが理由を訊ねる前に、フォラヴは自分から搔い摘んで状況を話し、それから、自分たちのところで魔族の種を持つ魔物がいたことも聞かせた。
「魔族の種?魔物に」
「そうです。コルステインが守って下さったから、私は無事でした。その後も、もし魔族の種を持つ者がいれば危ないとしたことで、一緒にいて下さって」
「いたの?」
いました、と答えるフォラヴは、自分たちが防いだ限りでは、他の人や生き物に被害は出ていないと思うことを伝える。
「だから、まだ他に『魔族の種を持つ、魔物』がいたのでは、と」
「町の中はどうか知らないけれど、行こう。あんた、その姿でいつまで持つの」
「もうそろそろ・・・疲れが。でも大丈夫です。終わったら、少し木々のある場所へ戻らせて下さい」
ミレイオは赤ちゃんをくっ付けているので、フォラヴはミレイオに抱えてもらうことを遠慮する。ミレイオも、これには仕方ないので『ごめんね』と力になれないことを謝り、二人は町へ戻った。
*****
町へ入るなり、フォラヴがふっと翼を止める。灯りのない町の奥へ顔を向け『魔族の・・・』小さな声を落とす。呟く声を聞き取ったミレイオは、フォラヴの感じる方向へ一緒に向かい、その場所に魔族の種を見つける。
「これ。誰か・・・誰だ?人間以外の誰かが倒したのかも」
黒ずむ炭状の地面に散らばる、小さな黒い石。タンクラッドの話で聞いた『大型硬貨』の種とは明らかに違う小ささに、フォラヴも頷く。
「そうです。魔族の種は、恐れるほどの大きさがありました。私の時は、シャンガマックが守ってくれて。さっきはコルステインが」
そう言いながら、これは種、と判断したフォラヴ。『欠片』で傷つけた血を落としてそれらの種も、魔族の世界へ戻した後、他にないかと感覚を研ぎ澄まし、大丈夫と判断。
「コルステイン、あんたと居たのよね?」
「そうです。これは・・・龍かも。総長たちの」
「どうだろ。彼らは町の外を守るように、私は言ったのよ。ここまで感づいて、間に合ったのかな」
首を捻るミレイオは、とりあえず『他にもないか、一緒に探す』と言って、町の空を二人は暫く飛んだ。
町は荒れるに荒れたらしく、騒ぐ声はまだ終わっていなかったが、聞こえてくるのは避難した人々のストレスが態度に出ている様子だった。
それを耳に入れながらも、夜明けまでもう少しの時間の暗さを、フォラヴとミレイオは黙って飛ぶ。
『他に魔族の種がない』と調べ終わるまで時間が掛かったが、念には念を入れて二周し、夜明け前でようやく『大丈夫だと思う』の一言が出たので、二人は次に皆を探す。
「探す方が面倒。気配のあるやつ、いないから」
「オーリンは?タンクラッドか・・・総長は分からないかも知れませんが」
夜明けの薄明かりが差し始めたので、コルステインはもう帰ったかも、と二人は思い、龍気のあるオーリンを頼りに、ミレイオとフォラヴは町の上から探した。
二人共、疲れが邪魔して集中できない。苦笑いして素通りし、それを3度目にして『あれ。オーリン?』とミレイオが屈みこんだことで、やっとこさ、オーリンがいる建物近くへ降りた。
フォラヴは人の姿にすぐに戻り、ミレイオもお皿ちゃん片手に、オーリンに声をかける。
「大丈夫?」
「俺はね」
振り向いたオーリンの即答に、二人は嫌な予感がした。眉を寄せた二人に、オーリンは笑わない。
「どうしたの」
「負傷者、だ。総長が」
「何ですって?!」
オーリンが立っていた場所は、避難場所の一画。町民の集まるテントが張られ始めた、その脇に、木の板を置いた簡素な寝台があり・・・『ドルドレン!』ミレイオの目が見開き、声にするより早く、フォラヴが駆け寄る。
二人の目の前。乾いた血を付け、顔を横に向けて目を閉じるドルドレンが、板に敷かれた布にうつ伏せに横たわり、泣くだけ泣いたロゼールが側に居た。
何があった、どうした、と騒ぐミレイオはロゼールに訊ね、オーリンがすぐ、ミレイオの声を静めるように注意してから、知っている事情を話す。
「タンクラッドが今。バイラと一緒に病院へ。魔物相手じゃないが、逃げることで事故もあって、他にも負傷者はいるんだ。薬を取りに行ったよ」
ミレイオもフォラヴも、小さく呼吸するドルドレンしか目に入らなかったが、気がつくと他にも町民がいて、彼らもまた、押し合ったり倒れたり、馬車がぶつかって怪我をしたようだった。
「総長。私が」
フォラヴは、さっとその場を見渡し、誰よりも激しく傷ついている総長を癒すことに決めると、ドルドレンの冷たい手を両手に取った。
お読み頂き有難うございます。




