1058. 支え合う相手
帰り道。
ビルガメスに質問され、答えを改めるような流れになった『ちゅー』について、親方はやや同情気味に笑って『いつもあんな感じなのか?』と女龍に訊ねる。
「そうです。愛情表現については、見るたびに、人間のふれあい方と自分たちのふれあい方の違いに、疑問が生じるようです。目立って、普段の生活に繰り返す表現でもあるからでしょう」
「他の男龍も?何度も言い聞かせているように感じたが、まだこだわるのか」
イーアンは頷いて。飛びながらバーハラーに近づき、親方に片手をちょっと伸ばす。
伸ばされた手を掴むように、と見えた親方は、自分を見ているイーアンの目を見てから、すっと腕を伸ばす。イーアンは彼と手を繋ぎ、『これもですよ』と言う。何のことかと思ったら、タムズはそうだと。
「タムズ?手を繋ぐのが彼と何の関係が」
「この、手を繋ぐだけ。これも、タムズはいつもそうだと思いませんか?
彼が私と一緒に飛ぶ時、彼は私に手を伸ばしているのです。ずっとですよ、そうした機会は毎度」
あ、と思い出す親方。『そうだな。彼はお前に手を伸ばす。お前は繋いでいるな』他の男龍はしない気がする、と答えた親方に、イーアンは頷く。
「最初の頃です。ファドゥがまだ龍の子だった時。彼はとてもお母さんが大好きで、それで長生きをし続けたくらいの、強い愛情の方なのですが。
出会ってすぐ、私をお母さんと重ねて、それはそれは喜びました。大人ですけれど、お母さんに甘えたくて仕方ない募る思いで生きてきたため、会いに行けば、ずっと私とくっ付いているような。
それで、彼とよく手を繋いだのですが」
タムズがその場面を見た時『そうしていると、愛情があるように思える(※534話)』と言ったようで、『気にしていたのでしょうね』イーアンは可笑しそうに思い出して呟く。
「特に、その話をそれ以降聞いたことはありませんが・・・タムズは何かにつけて、手だけは繋ごうとします。私が飛べるようになった時は、彼も翼持ちですから、翼の操縦も合わせて誘導のつもりだったのかなと思いましたが」
「言われてみれば、ずっとだな。確かに。ビルガメスがいるところでは、あまり見ないかも知れないが」
「そうです。ビルガメスが彼らの中で一番強いから。タムズは自然とビルガメスに譲ります」
「タムズなりに気を遣っているのか。でも、普段はお前の手を繋ぐことで、愛情表現を体感しているような具合なんだな」
「体感。ともね・・・違うと思うのですが。真似をしていることで、何となく満足なのでしょう。思うに彼らは、人間のような恋愛感情や反応を持たない気がするので。好奇心と真似と」
「面白がっているんだな。楽しんでいると言うか」
そうだと思いますと笑うイーアン。こんな話をしている間、ずっと手を繋いでいられた親方も、タムズの気持ちは理解する、ちょっとシアワセな心境だった。
親方は手を離した後も、少し考えていた。イーアンは優しい。手を繋ぐくらいだと了承している。
口付けしろと言われたら頑張って断っているが、抱きしめられることも、触れられることも、相手を傷つけない範囲で、ドルドレンに苦しくない(※と、本人が思っている)範囲で、それらは受け入れる。
今更だが。イーアンのような性格じゃなかったら、僅かな愛情や癒しを求める心の側には寄れないだろうと、タンクラッドは思う。
それは、女龍としての立場からすると、とても重要にも感じた(※かく云う自分も、触って癒されるタイプ)。
もうすぐ馬車に着く頃。雲を抜け、夕方の光差す地上。
下方に広がる木々の群れの中を進む、馬車が点のように見えた時。
「『時の剣』の意味。すぐにこのお話しをするの、少し待ちましたが」
イーアンはタンクラッドに、少し大きめの声で話しかける。
それまで会話が途絶えていたので、タンクラッドがイーアンを見ると、彼女は微笑んでいて『やはり今、言っておく。あなただから、と思った』と言う。
「俺だから。繰り返した運命だからか」
「いいえ。もし繰り返しておらず。あなたはあなたとして、今回の所有者だとしても。
『タンクラッドなら、時の剣の立ち位置』と感じます。ビルガメスに説明を聞いて、妙に納得した自分がいました」
「それは・・・お前の目から見て、という意味か」
はい、と頷く女龍は、少しだけ速度を落とす。バーハラーも気が付いたようで降下する速度を抑えた。
「まだね。あなたとこうして関わってから、半年も経ちません。だけどそう思うのです。
広い世界ですから、あなたのような方は、他にいるとも言える。でも『タンクラッドが一番しっくり来る』そんなふうに感じて。
あなたの存在感。あなたの性格、過去、選んだ生き方、向かう先を見据える目。全てが、『時の剣を持つに値する、ふさわしい男』と」
笑顔のまま、風を切って飛ぶ6枚の翼を広げた女龍は、静かに、はっきりとそう伝える。
タンクラッドは、じっと女龍を見つめ、『そんなふうに見えるのか』と訊ね返した。胸の中の熱さが急激に膨れ上がる。彼女は剣職人を見て、ニコッと笑う。
「いつもそう見えていましたよ。私の親方は、厳しく優しく、深い思慮のある賢い男です。誰とも重なりません。
時の剣、もしドルドレンが欲しがっても(←実際欲しがってた)『彼ではない』と分かるのです。あなたじゃなければ」
「イーアン」
感動が胸に押し上げて、タンクラッドは言葉が続かず。名前を呼ぶだけで、途切れてしまうが、イーアンは一層ニッコリ笑って頷いた。
「空にも地にも愛されて。孤高の道を歩く、タンクラッド。私たちを導いて下さい。
龍だけではなく、地上の人々だけでもなく、地下だけでもなく。皆の進む道を、その腕が振るう、古の剣で切り開いて下さい」
「お前は」
ぐわっと目頭が熱くなったタンクラッドは、頭を一度横に振って、浮んだ涙を風に飛ばす。
イーアンはその涙を見ないように目を逸らし、『さぁ、馬車ですよ』と、橙の夕日の色に、白い翼と白い肌を光らせて、勢い良く降下した。
続くバーハラーも女龍に合わせて速度を出し、タンクラッドの言葉がこぼれる前に、二人と一頭は馬車の側へ降りた。
馬車はまだ進んでいる状態で、イーアンはそのまま御者台に挨拶に降りたが、タンクラッドはバーハラーをまだ降りる気になれず(※ちょっと涙が)。
地面に龍が降りる前に、再び上昇し『少し周囲を見てくる』寝台馬車の御者台から見上げたミレイオに、声をかけると、もう一度出かけた。
「何かあったのかしら」
帰ってきたと思ったら、また出かけた親方に呟くミレイオ。横に進むバイラは(※ずっと一緒だった)『魔物でも感じたのかも』と、敏感な人は気にすると思うこと、を答えた。
この後、馬車は30分ほど進んでから、屋根に丁度良さそうな、大きな枝の下で野営に入り、明日の町までもう少しの場所で、夜を明かす。
出かけたタンクラッドは、野営地に焚き火が熾きたくらいで戻って来て、すっかり普通の状態で、特に何もなかったように馴染んでいた(※一人時間大切)。
*****
夕食後。明日の約束を(※宝探し)嬉々として交わす職人たちは『じゃ、明日』と、満面の笑みで解散し、それぞれの夜に向かう。
オーリンは空へ上がり、ミレイオは汗ばかりの洗濯物を抱えて地下へ帰る(※溜まるの嫌)。タンクラッドもいつもどおり、ベッドを出して、直後に来たコルステインと一緒。イーアンはドルドレンにお宝の話。
バイラも早目に部屋に戻り、地図を見ながら僧院の場所と道順を確認する。そして、この夜も。ザッカリアが休んだ後、シャンガマックは出かけて行った。
ミレイオが午後に話す前に、総長が昼頃、先に話をしたらしいが、シャンガマックは『全く何の問題もない』『決して迷惑が掛かることもない』と答えたようだった。
これは、その後、彼と話したミレイオに聞いても『同じね。同じ返事よ』の状態で、シャンガマックは深く話を続けずに終えたらしかった。
総長とミレイオは、今日はそれぞれが御者だったのもあり、この件について会話をすることはなかったみたいだが、二人とも『言うべきことは伝えた』と捉えていて、シャンガマックの話自体、それ以上の時間を使うこともなく消えた。
とはいえ。話が消えたところで、バイラの心配は消えなかったが、自分が何を出来るわけでもない。出来る事といえば、常に彼の無事を祈るだけだった。
「何とも言えないが。シャンガマックの雰囲気が最近、変わったような気がするんだよな」
呟く独り言は。誰にも届かない。バイラは地図にまた目を戻して、小さな溜め息と共に、気持ちを切り替え、明日の準備に専念した。
*****
木の多い場所を歩くシャンガマックは、どこら辺がヨーマイテスに都合が良いか、探しながら、あっちへこっちへフラフラしていた。
「どこでも良い、と言われそうだけれど。彼が居やすい場所・・・俺。そうだ、俺は彼のことをあまり知らない」
ふと、自分はヨーマイテスの普段を、何も知らないことに気が付いた、褐色の騎士。
「会って間もないから、知らなくて当然なんだろうが。でも。いや、本当に何も知らないじゃないか」
普通の相手ではない分、知ろうとする内容が全く異なっていたこともあって、出会って半月も経つのに、ヨーマイテスの日常なんて、気にもしていなかった自分に驚いた。
「俺は・・・こういうところが鈍いんだ。受け取ってばかりで、目が行かない」
立ち止まって、枝葉の茂る隙間に見える星を見つめる。風は木立を抜けて音を立て、葉ずれの奏でる夜の調べが、月の光と共に騎士を包んだ。
「ヨーマイテスが俺に興味がなくても、それは仕方ない。彼はサブパメントゥだし、独り生きてきたんだから。でも俺は、彼をもっと知っても良い。何か彼に・・・出来ることがあるかも知れないんだし」
「何をしてくれるんだ」
上から降ってきた声に笑うシャンガマックは、笑顔で見上げる。太い枝の上に、大きな男の逞しい影が見え、その目は小さく光っている。
「ヨーマイテス」
「お前がちっとも、歩みを止めないから。どこまで行くのかと思っていれば」
大男は音も立てずに枝から飛び下り、騎士の横に並んで彼の顔を覗きこむ。『嬉しそうだ』な?と訊ねる大男に、シャンガマックは笑顔で頷く。
「嬉しい。ヨーマイテスが毎晩、俺と話してくれる」
「場所を変えるか。ここでも良いが、もう少し広いほうが良いだろう」
ヨーマイテスはシャンガマックの返事に答えず、代わりにそう言って、騎士の体を片腕に抱える(※騎士無抵抗)。そのまま飛び上がって、枝から枝へと飛び移り、林を抜けて広がる草原へ出た。
月に照らされ、風に吹かれる夜の草原は藍色の波を打つ。控え目に煌く草の葉が風になびき、コマ送りの海の水面のように草原は広がっていた。
「座れ。石がある」
下ろされて、地面に埋まる大きな石に腰掛ける騎士の横、それに並んでヨーマイテスも腰を下ろした。
「何だって?バニザットが、俺に何かをしてくれるのか」
「そうしたい、と思った。俺は、ヨーマイテスのことを殆ど知らないから、もっと知って」
「何を知るんだ。どれくらい生きているか、とか。そういったことか」
違うよ、と笑うシャンガマックは、自分がさっき思ったことを話す。ヨーマイテスは金茶色の髪を風になびかせ、静かに彼の話を聞き『そんなこと思うのか』と不思議そうな目を向ける。
「人間みたいなことを言うな・・・いや。人間だもんな」
ハハハと笑う騎士に、ヨーマイテスも自分で言っていて可笑しかったのか、少し笑う。『そんなこと知って、何をする』笑いながら、どうする気かを聞いてみると、意外な答えが戻る。
「具体的にはすぐに思いつかない。だけど、俺は人間だから。俺が今までの人生で受けた、気遣いや思い遣りを、ヨーマイテスにも渡したい。
例えば。そうだな、ヨーマイテスが好きなものを渡したり。楽しめることに時間を使ったり」
「そうすると、どうなる。俺が喜ぶと?」
「分からないから、試すんだ。人間と感じ方も違うだろう。
よく、イーアンが話しているが、イーアンは人間の感覚だから、男龍と接していて『度々異なる点に学ぶ』と言う。自分が普通のことでも、彼らには意味が通じないようで」
「あいつなら、誰が相手でも、意味が分からない動きをしそうだ(※女龍キライ)」
そんなこと言うなと、笑うシャンガマックは『つまり、それを確認した上で』話を続ける。
「ヨーマイテスが、俺と一緒にいて居心地の良い時間を見つけるんだ。そうすると、俺はいつでもそうすることが出来る」
ヨーマイテスの焦げ茶色の肌が包む、隆起した筋肉は月明かりに縁取られ、小さな動きでも輝きを伴う。
じっと騎士を見ている碧の目に、シャンガマックも見つめ返し『だから』と少し頷いた。その途端、シャンガマックの頭にふっと光が伸び、気がつけばヨーマイテスの大きな片腕の中に、頭は抱えられていた。
腕の中から見上げる目に、碧色の瞳が見える。自分を見ているその碧は、何となく嬉しそうだった。
「お前は面白い。俺に気に入られようとしている」
「違う。気に入られようと、しているんじゃない。ヨーマイテスが喜んでくれるように動きたいだけだ」
「それと、気に入られるのは、同じだろう。結果はそうなる」
「違うんだ。目的が違う。俺の目的は、俺を『息子』と呼んだあなたに、良い時間を齎したいことだ。
遺跡の手伝いで、ミレイオに比べると俺が出来ることは少ない。他に何が喜ぶだろうと思ったら、それを探すことを考えた」
片腕の中に抱えた騎士の顔は、少しだけ切なそうに曇る。
彼の気持ちを受け取れていなかったのかと、気付いたヨーマイテスは、ゆっくり頷いて『そうか』と訂正する。
「バニザットの考えることを、俺はよく理解出来ていない。だが、試してみろ。お前が探したいものを」
「有難う。じゃ、質問だ。ヨーマイテスは何を食べるんだ」
「食べない。食べることは出来るが、必要ない」
む。シャンガマック、食べ物の趣味で、初っ端から敗退。『そうなのか、食べないなんて』ミレイオが食べるから、と言うと『あいつはそういう体』とヨーマイテスは頷く。
「普段はどうだろう。どこに住んでいるんだ。どんな部屋?」
「部屋?部屋って感じじゃないぞ。ひたすら続く広い場所にいる。サブパメントゥでもない」
ここも敗退するシャンガマック。眉を寄せて、ちょっとたじろぐ。『広い場所』見当が付かない。どんな場所なのだろう・・・どうやって過ごしているんだと思う。
「そうか。えーっと、じゃあ、何が好きなんだろう。遺跡や遺物が好きなことくらいしか、知らないけれど」
「それくらいだ。好きと言うよりは、意味があって、常に関わっている」
言葉をなくした褐色の騎士は、自分の首を腕に抱えたまま、じーっと見ている碧の目を、困った顔で見つめ返す。
こんなに違うなんて・・・(※住まいも、好きなものも、何にもない人、初めて)。
「どうした。もう終わりか(※挑戦)」
可笑しそうに訊ねる大男に、少し赤くなって恥ずかしいシャンガマックは、ぼそぼそと『思いつかない』と答える(※正直)。
「ゆっくり。ゆっくり探すよ。俺も得意じゃないんだ。誰かとここまで、親しくなったことがないから」
どうして良いのか分からない気持ちを伝える騎士は、目を伏せて言い難そうにする。ヨーマイテスは、そんな彼に微笑む。
腕を丁寧に引き上げて、騎士の顔を自分の顔の前に上げると、抱えたままで笑って見せる。
「俺の好きなものは『お前』だ。それで良いだろう」
「うう。そんなこと。それじゃ、何も」
「お前だってそうだ。俺が好きなんだろう。だから、喜ぶことを探す」
シャンガマックは真っ赤になって、しどろもどろで、ウンとか、ああとか、困りに困った返事を詰まらせる(※ヨーマイテスは、こういう時のバニザットがとてもカワイイと思う)。
「俺は。朝の夢で、ヨーマイテスの力になるよう、過去のバニザットに言われて」
「何?過去のバニザットが夢に出たのか。俺の力になれと」
それで、俺の喜ぶようにしたいと思ったのか?と訊くと、騎士は首を横に振って否定する。
『そうだろう、バニザットに何を命じられたか知らんが』そういうことだろ、と確認してみるが、やはり『違う』と答える。
「夢に見たが。あれは、夢ではないと思った。本当に彼の魂が語りかけたと。
短い時間だったが、ヨーマイテスの力になって、支える宿命を背負えと彼は言った。
俺は目が覚めてから、今日一日考えた。過去のバニザットは『ヨーマイテスの目的を叶えろ』と俺に言ったが」
「うん。お前はどう思った」
ハッとして、真剣に訊ねるヨーマイテス。全てを聞かされたわけではないだろうが、その言葉だけでも、このバニザットに何の影響を及ぼしたか、一瞬、心配になった。騎士は漆黒の瞳を向ける。
「俺は、一生。ヨーマイテスのために生きようと決めた。俺の運命は、ヨーマイテスのために捧げる」
「おお。バニザット」
片手で口を覆い、片腕に抱えた騎士の顔を食い入るように見つめた、獅子の戦士。見開く碧の目が、真意を探るように真っ直ぐ、真向かいにある漆黒の瞳を捉える。
「お前は、目的を・・・俺が何をしようとしているのかも知らず」
「ヨーマイテスが酷いことをするわけがない。俺は信じている。これは運命だ。俺はあなたに会うために、生きてきたんだ。もう・・・無理だぞ。断られたって、ついて行く」
ニコッと笑った褐色の騎士。自分は決めたんだと言い切る。ヨーマイテスは目を閉じて、彼を両腕に抱き締めた。
「断らない。お前と出逢ったのは宿命だろうと俺も感じていた。良いだろう、ついて来い。一生、俺がお前の側にいてやる」
シャンガマックはとても嬉しかった。
ヨーマイテスの腰を覆う、緋色の古い布。これが、過去のバニザットの長衣だったと知った時。
彼は何も言わなかったが、彼が過去のバニザットの死を見取るまで、一緒にいたと理解した。だから、今後。自分もそのくらい『一緒にいられるような存在になろう』と、頑張る気持ちを昂らせていた。
今。それが叶ったこと―― この喜びは、溢れはち切れる勢いではなく、最初から用意されていた水瓶に、この時のために用意されていた水が満ちるような、そんな静かな喜びだった。
月の照らす明るい夜の草原の風に吹かれて、サブパメントゥの大男と褐色の騎士は、暫く抱き締めた腕をそのまま、お互いの運命を静かに感じて過ごした。
お読み頂き有難うございます。




