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魔物資源活用機構  作者: Ichen
交わる世界の片鱗
1009/2954

1009. 中年の些細な恋事情・過去の勇者の放浪話

 

 この夜は、親方とイーアンで戦利品を仕分けた。その間に来たコルステインに『終わるまで、ちょっと待っててくれ』とお願いし、コルステインは素直に待つ。



 途中、イーアンはコルステインが気になって、クロークとミトンを着け、暗がりへ様子を見に行った。


『龍。何?』


『コルステインが、昨日寂しかったのかと思って。もう大丈夫ですか』


 理由は知らないし、本当のところは、どんな問題があったのかも分からないけれど。

 イーアンは何となく、そういうことかなと思い、短めにそれを訊ねると、青い綺麗な目が自分を見て、嬉しそうに細められる。


 コルステインはニコッと笑い、龍に腕を伸ばす。イーアンも笑顔で近寄り、その両腕の中に入る。コルステインの大きな体に包まれて、イーアンはフード越しにその胸に寄りかかった(※胸でかくて羨ましい)。


『大丈夫。タンクラッド。コルステイン。一緒。生きる。する』


『そうでしたか。それは素晴らしいです。私も、あなたたちを守りますからね。楽しく生きましょうね』


 うん、と頷くコルステインは、女龍の顔を覗きこんで『お前。好き。コルステイン。守る。する』と微笑む。


 嬉しくなっちゃうイーアン・・・ホントーにちゅーーーって、したいのに~(※不純)叶わぬ、ちゅー願望に胸をかきむしられつつ、イーアンは心から『有難う』とお礼を伝えた。


『もう少しで終わりますから、あとちょっと、待っていて下さい』


『分かる。待つ。する』


 コルステインは笑顔で、イーアンを送り出す。コルステインの腕が緩んだので、イーアンは立ち上がり、少しその顔を見つめてから、そっとミトンを着けた手で、頬を撫でた。驚いているコルステインに『痛い?』と訊くと、首を振って『平気』の返事。


 これくらいなら大丈夫なのね、とスキンシップを増やす試み。

 イーアンは少しだけ、コルステインの頬を撫でて『もっと触れたら良いのに』と笑顔で言う。コルステインも笑みを浮かべ、女龍のミトンの手を撫でた。


『イーアン。龍。コルステイン。好き。大事』


『コルステインのこと、私も大好きなのです。もっと大事にしたいのに、触れないのが悲しい』


 コルステインも分かってる。頷きながら、笑顔を絶やさず、頬に添えられた女龍の手に、喜んでいるようだった。

 少しの間そうした後。『それではね』と挨拶して、イーアンが馬車へ戻ると、コルステインはまた考え事が増えた。


『龍。何で。触る。する。ダメ・・・なぜ・・・(※「なぜ」の続きは見えてこない)』


 うーん。今日も考え込むコルステイン。

 どうやったら、触れるかなぁと、試みもないのに捻り出そうと、タンクラッドが来るまで、唸って悩んでいた(※難し過ぎる)。



「コルステイン。待っていたか」


「はい。ちょっと触れました。抱き寄せてもらって」


 そうか、と親方も笑顔で頷く。仕分ける金属の山も、大体終わりに近い頃。『タムズが攻撃すると、こういう利益があるな』質の良いと分かる金属を一つ摘まんで、親方はにやける顔が止まらない。


「戻ってきたら、ミレイオにも見せてやってくれ」


 ミレイオは、地下で洗濯。今日は落ち着かないのか『夜も地下かも。朝、また来るかもしれない』と、何となし、不安そうに聞こえる言葉を残し、皆の洗濯物を抱えて帰った。


「お前もコルステインと仲が良い。俺はそれも嬉しい」


 金属の話かと思えば、コルステイン。コルステインの話かと思えば、金属。

 イーアンは、親方がどっちも同じくらいの比率で、気になっていると理解する(※男はそういうもの:好きなこと⇔好きな相手)。


「私。コルステインがもしも女性だったら。まー、そんな感じだから、今のままでも構いませんが。

 そうだとして、彼女に普通に触れたり接することが出来るなら。かなーり好きです。一緒に暮らせる範囲」


「そ。そんなにか?!じゃ、俺があいつと暮らしたとして(※ほぼ決定)お前があいつに触れるなら。お前は、()()あいつと、一緒に暮らせるってことか(ささやかな願い)?!」


 親方の突飛な返しに、イーアンは固まる(※『何を言ってるんだ、この人は』の気持ち)。親方は真剣に答えを待って、イーアンを見つめ続ける(※困る)。

 女龍、金属の山を仕分けながら、咳払い。


「えー・・・私は。()()()()()()()暮らせる、と言ったのです」


 私、おウチあるし、と呟くイーアン(※=親方の家に住む理由がない)。


「だから!そう、ってことはだぞ。俺の家にあいつが住むだろ(※希望)?それで、あいつがお前と問題なく触れ合えたら、お前は俺の家に、あいつと一緒に」


「何で、そうなるのですか。何を仰ってるの」


 可笑しくて笑い出すイーアンは、親方の斜め過ぎる、ド真面目な意見を()なして『早く分けましょう』と促す。多分、横恋慕が再発しているんだろうなと思う(※慣れた)。

『コルステインが待っている』の一言で、親方も、飛んでいた意識が戻り、急いで終わらせにかかった(※一瞬、脳が壊れてた)。


 タンクラッドは、良質のものを選り分け、袋に詰める間。ずっと、さっきの発言が実現した状態を考えていた。



 ――旅が終わるだろ(←全然まだ先)?

 終わったら、俺はコルステインと暮らすから(※これは決定)。コルステインとイーアンが触れ合える状態であれば、俺は()()()暮らせるわけだ!

 二人は仲は良い。触れ合えるなら・・・きっとミレイオみたいに、イーアンもコルステインと、四六時中くっ付いているだろう。そんなの、俺の家で見れるのかと思うと。混ざれるとなると(※必須)。


 百歩譲って(?)昼だけ、イーアンが来る現実的なのも、考えようによっては良いような。

 コルステインは夜しか来れないんだし、そうすると、昼間はイーアンで、夜間がコルステイン・・・うう。これも何気に楽しそうだ(※あれこれ)。忙しいだろうな。暇な時間なんかない。仕事が手に付かないかも知れん(※いちゃつくつもり)。

 イーアンも一緒に生活して、コルステインもいるなんてなったら・・・もう、この人生、何も要らないだろ~・・・(※生活費は要る)――



 無表情で淡々と、仕分けを終えた、タンクラッドの胸中。悶々とする、何一つ遮らない純粋な願望に満たされていた(※可能性は限りなく低いことを考えない)。


「よし。終わった。じゃあな、この袋の方をハイザンジェルに送ろう。明日の町に炉があれば、金属の状態を確認して。()()()みたいだから」


 ここまで言い掛けて『泊まる』発言にまた、熱がこみ上がる親方。

 自分を見て頷くイーアン(※話、聞いてるだけ)を抱き締めたくなる欲望に、どうにか理性をかけつつ(※妄想後だから、かなり壊れ気味)大きく深呼吸して『明日。だな』それだけ告げて、馬車を下りた。



「終わったか」


 表でバイラと話していた、ドルドレンが戻って来て『タンクラッドの顔が怖く見えたけれど』と、イーアンに、何かそうした話をしていたのかを訊ねる。

 イーアンは『彼は何か、考えていたのでは(※想像つくけど伏せる)』軽~く伴侶に答えて、もう寝ましょうねと促し、二人は寝床へ上がった。


 ベッドに入ったドルドレンは『今日のバイラ』の行動で、奥さんに、どうしても話したかったので、寝る前にその話を聞かせ、驚いているイーアンに『本当だよ』とすり込む(※自分の勘)。


「バイラがミレイオ。ふむ。そうでしたか。でも彼は自覚が」


「うん。今はね。夕食の時、一人で食べていたのを見て、俺はどうしたかと思い、さっき声をかけた。

 それでちょいちょい引き出しながら、彼の気持ちを聞いていたのだが。抵抗は勿論ありそうなのだ」


「ドルドレンたら。『ちょいちょい引き出す』なんて。んまー」


「だって、『んまー』とか言ってられないだろう。バイラは良い男である。きちんと相手がいれば、彼はもっと人生を楽しめるのだ。その可能性が開いているわけで」


「ドルドレン。バイラもそうですけれど。ミレイオに余計なことしてはいけませんよ。その調子だとやりかねない気がする(※奥さんは心配する)」


 何で?ドルドレン的には、やんわり探って(※これもイケナイ)やんわり仲を取り持つ(※余計=コレのこと)橋渡しを買って出ようと思っているのに。


 イーアンは苦笑いで、伴侶を抱き寄せると『二人が、自分たちの思いで近づくなり、良い付き合い方を探すのが一番』と教える。ドルドレンは何だか注意されたみたいで、納得いかない。


「そのために、と思うから。男同士は難しいだろう」


「だからね。それなら余計に、他の方が入ってはダメでしょ?って。バイラは恥ずかしい気持ちもありそうだし、相手が男女の別を問わないにしても、とりあえず()()なのだから、ゆっくりね。ちゃんと自分の気持ちを、確認しながらでなければ」


「ミレイオに言うのは(←言いたい)?」


 ダメよ、と笑うイーアン。ランタンを消して『寝ますよ』の挨拶をして、何で、どうしてと、煩い伴侶に笑いながら寝かしつける。


「ドルドレンは、何もしなくて良いの。繊細な心の動きですから、そっとしておくのです」


「イーアンだって、男同士がくっ付くの好きなのに」


 それとこれとは違うと笑い、イーアンはいつまでも粘る伴侶に、歌を歌って寝かせた(※幼児のようにすぐ寝るドルドレン)。


 眠った伴侶にちょっとキスして、イーアンも眠ることにする。

 それでか、と思い出す、ミレイオの動き。それで、今日。地下で眠るかもしれない、と。


 敏感な人だから、バイラの動きに何かを察知して、それで距離を取ったのかも知れない。『ザンディがね。いますものね』呟くイーアン。永遠に愛を捧げた相手が、ミレイオにはいるのだ。


 ミレイオは、相手が男でも女でも、好きになったら気にしない。そんな小さなことを気にするわけがない人だけど。

『そこじゃありませんね』ミレイオの気持ちを思うと、バイラがもしも、本気でミレイオを好きになったとしても、ザンディのことがある以上、ミレイオと仲を深める道のりは長い気がした。



 *****



 月夜は少しずつ、月の明かりを変えてゆく。『新月に向かう月か』野営地の草のある場所で、シャンガマックは形の細くなる月を見上げる。


「長く進んでいる気がしても、そうでもないな。まだ40と数日。テイワグナ全土を回るなんて、どれくらいかかるだろう」


 吹き抜ける夜風に、淡い茶色の髪を揺らし、褐色の騎士は、ハイザンジェルの魔物退治の日々を思い出す。


 2年。大体、2年くらいだっただろう、と。その2年目が、つい最近で、テイワグナに切り替わった。イーアンが前に教えてくれた馬車歌では『一つの国が襲われる限度は2万頭』という話だった。

 それを踏まえると、ハイザンジェルは2年間かけて、2()()()が終わった。テイワグナもそうなのかと思うが、それは『違うかも』とイーアンは話していた。


 大津波の時に、相当な数の魔物を倒した。


 あの夜、イーアンとタンクラッドさんが、3番目の龍・グィードに会いに行き、言われた言葉が『ここで倒された分、ハイザンジェルより少ないが、その数はまだ続く』だった。


「俺たちも。出発は6人だ。昔はどうだったのか、記録もないから調べようがないが。テイワグナは、ハイザンジェルよりも早く、魔物を退治し終える可能性があるし、俺たちが最初から、6人揃っている出発だったことも考えれば」


「8人だ。もう」


 嬉しくなる遮りに、ふわーっと笑顔になるシャンガマック。振り向くと、大男がちょっと笑った顔で歩いてきた。


「ホーミット」


「俺が来たから、8人だな」


 うっかり腕を伸ばしたシャンガマック。ハッとしてすぐに引っ込め、同じように、その動作に少し驚いたホーミットが笑う。

『どうした。何か欲しいか』側に来て、草の上に座ったホーミットに、シャンガマックは首を振って『違う』とだけ答えた。彼の腕に触れようとした自分に、恥ずかしくなる。


「バニザット。お前の予想は当たるかも知れない。以前よりも早いんだ。何もかもが」


「早い?早いって何が?」


「魔物の王と、向かい合うまでの()()だ」


 褐色の騎士は、黙って続きを待つ。ホーミットの手が、金茶色の髪の毛をかき上げ、白い月の明かりに碧の目が光る。


「昔話だ。ギデオンとズィーリーの話をしてやる。俺も詳しくは知らないが、彼らは出会うのが遅かった。ギデオンがアホだったからというのもあるが(※お墨付き)」


「ギデ・・・総長の先祖の人だな。アホって」


「アホなんだよ。本当に。強かったから、それだけが救いだったが。お調子者でアホで、優先順位が気紛れで。よくあいつが勇者になったもんだと、何十回呆れたか」


 何十回も呆れられる勇者。そんな勇者、イヤだ・・・シャンガマックは眉を寄せる。現在、()()で本当に俺は助かったんだ、と感謝する瞬間(※イーアンも感謝している)。


「ギデオンのせいで、と言っても、恐らく誰も反対しない。お前の先祖のバニザットも、全く気にしないだろう(※本当だから)。彼らの旅は10年近かったんだ。

 ギデオンがウロウロしていたのも理由だし、ズィーリーが来るのも、遅かったからだが。これは、バニザットに聞いた部分だ」


「10年。10年もかけて・・・そんな長い年月を、魔物の被害に耐えた」


 そうだ、と頷くホーミット。『だが、お前の思っている1()0()()とはちょっと違うか』よーく思い出しているようで、一人で少し考えてから、ホーミットは口を開く。


「あのな。今もそうじゃないか。旅と言っても、魔物が出てからが『旅』と呼ぶ時間の始まりだ。勇者やお前たちは、ハイザンジェルで既に魔物相手に戦っていただろ?一応、それも旅の時間に入っている。

 昔は、あのアホが、魔物が出現しても2~3年ほっつき歩いていたから、それで最初の方の時間を食った」


「え。ほっつき歩いて、2~3年も経ったのか」


「精霊に導かれていたとは思うが。アホだからな。聞かなかったのかも知れない。アホのことは分からん」


 アホアホ言われて、もう名前さえ出てこない、(かつ)ての勇者。精霊に言われても、言うこと聞かない人・・・世界の危機だってのに、何考えていたんだろう(※答:自分の楽しさだけ)。

 呆然とするシャンガマックの様子を『そうなるだろ』と認め、ホーミットは続ける。


「だからな、結局・・・俺も後半までは参加していないからな。

 最後にオリチェルザムを倒したのが、旅が始まってから8年か、9年くらいだから・・・ちゃんと思い出せないが、8年越えていたような気がする。

 それの最初、2~3年は、放置だ。魔物、放置だぞ」


 呆れて言葉がないシャンガマックの顔に、ホーミットは頷く。『バニザットも。昔の男の方だ、バニザットも、アホが嫌いだった(※仕方ない)』それはきちっと伝えた。


「ええっと。じゃ、実際に旅路で動き出したのは、5~6年?そうか?」


「そうだな。アホがようやく馬車で動いて。大体、ズィーリーだって、アホとは別の国に来たんだ。バニザットが彼女の近くに、偶々いたから良かったようなものの。これはせめてもの、運命だろうな。

 バニザットが彼女に、この運命の話を教えて、それで勇者の動きを、バニザットが占いや魔法で辿って、出逢ったと聞いてる」


「わざわざ、占いと魔法を使って探したのか?女龍や仲間を迎えに来るのが、勇者じゃないのか」


「そんな出来たことするわけないだろう!アホなんだって(※連呼)。

 女がいれば、寄っていくような男だ。その辺に女が歩いているだけで、普通に一週間くらい、足止めするんだぞ。探し回ったと、バニザットが言っていたんだ」


 シャンガマックは凹む。尊敬する総長のご先祖様の話を聞いて、こんなに苦しい気持ちになるとは思わなかった(※薄々、情報で知ってはいたけど)。

 探し回ってまで。勇者を探す、なんて。俺の先祖の魔法使いは偉大だった(※『我慢強い』の意味)。


 あまりに凹んだ褐色の騎士の表情に、ちょっと衝撃的だったかな、と心配になるホーミットは、『もう止めとくか。この話』と切り上げる。



「そういうことだから。仲間の人数が揃うまでも、年月を要したし、一斉に倒し始めるまで、魔物もウジャウジャいたんだ。魔物は増え放題、好き放題だ」


「大変だったんだな。本当に、苦労して(※絶対したくないタイプの苦労)。皆が集まっても、それではなかなか、旅路が大変だっただろう」


「集まる?集まらない。集まるもんか。

 馬車一台持って、よその女と、どっかに行っちまった勇者のせいで、仲間は最後まで分裂だ。

 後半、一時的に戻ったりはあったが、勇者に人徳なんかないんだ。仲間が協力するのは、渋々だったと思う。

 俺は『人数が揃う』とは言ったが、『全員一緒に行動した』とは言っていない」


 ホーミットの当時の話が強烈過ぎて、シャンガマックは気持ちが悪くなってきた(※真面目な男)。


 ぐったりしている褐色の騎士に、少し毒を盛り過ぎた気もするホーミットは、咳払いして、頭をちょこっと撫でてやった。



「元気出せ。もう、アホはいない(※ここ重要)。だから・・・な。今のお前たちは、恵まれていると思う。笑えるくらいに仲が良いだろ(※毒舌)?

 お前たちは、いつも一緒だ。あのコルステインでさえ、毎晩タンクラッドと一緒だし、イーアンもドルドレンと、夫婦で来たんだ。これが一番、奇跡に思う(※皆そう言う)。

 お前の仲間は誠実、真面目なやつしかいない。これも、精霊が頑張ったんだろうな」


「過去が、酷過ぎてか」


「そうだな。決して誉められはしないな。精霊も気を揉んだだろう(※世界に君臨する精霊が心配)。

 だから今回は、あの()()()()()を繰り返すまいと、きっと綿密に計画して動かしている気がする(※当)。

 こういうことだからな。進みは早いと思うと、俺は言ったんだ(※これ言いたかった)」


 大きく溜め息をつくシャンガマック。何か分からない嫌な汗が流れて、ちょっと熱も出ている気がする。

 苦しそうな真面目な騎士に、少し同情したホーミット。撫でてもやれないが、別の話で気持ちを換えてやろうと、昨日の続き『サブパメントゥの大傘』に話を切り替えた。


 

 シャンガマックは、面白そうな話が始まったので、少しずつ気分も良くなり、しっかり眠ったのもあって、夜更けまでホーミットと一緒に過ごすことが出来た。


 ホーミットが話してくれた、ギデオンの話。だれかに伝えるのさえ、罪に思う(※勇者伝じゃない)が、明日になったら、総長以外の誰かに話しておこうと思った(※イーアンも気の毒に感じる)。

お読み頂き有難うございます。

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