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殺人のメソッド   作者: 森本繁茂
2/2

2月1日

上司の名は岡村といい、すらっとした長身に豆のような細長い顔をした男で、寡黙で神経質な男だった。

顔立ちもよく、同僚の女からデートに誘われているのをしばしば見かけた。

岡村はマネキンのような無表情のまま、野中に首を言い渡した。


「明日からもう、来なくていいよ。」


その言葉を聞き、野中は崖から突き落とされたような感覚に襲われた。

目の前が真白になり、どっと汗が吹き出す。

周り視線が矢のようにして野中に突き刺さり、生きた心地がしなかった。

野中は十年間の業務に終止符を打った。送別会や別れの品はもちろん、別れの言葉もないまま、二度と戻る事のない会社を出た。

外に出た瞬間、現実感のないふわふわとしていた感覚が急に輪郭を持ち始め、野中はついにそれが自らが抑え込んでいた感情だと知った。

感情は様々な形へと姿を変えた。

自分への恥や、誰にも慕われていなかったという情けなさ、そして最後には一つの感情へと帰結した。

怒り、である。

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