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ダーウィンズ  作者: 秋月諏訪
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01

「本日未明、長女の宮本悠木ちゃん3歳を虐待し死亡させたとして、母親の宮本杏被告21歳と交際相手の日坂誠被告23歳の第一審が行われました」


嫌なニュースだ。


子供が子供を育てる。

そんな風によく揶揄されるが、その表現が正しければ、こんな酷い事件が起きるはずはないのだ。

子供が自分よりも弱い小動物と暮らしている、実際はこれが近い表現なのではないだろうか。


最初は可愛い、可愛いと育てる。だが、時が立つにつれ、仕事や生活で上手くいかないストレスが溜まっている時に、小動物が自分に更なるストレスを与えると、激情的になり怒鳴ったり、手が出るなど突発的な事故が起こる。

普通の大人なら、ここで罪悪感に苛まれるだろう。


だが、子供の彼らは違う、おびえ小さくなっている小動物を見て自分こそが正しく、自分こそが絶対という承認欲求が満たされ万能感を味わうことで、一種の快楽を得るのだ。

そこからは最悪な悪循環である、快楽を味わった後にまた同じようなストレスを受けると万能だと思っていたメッキが剥がれより強いストレスとなり、そのストレスの矛先は小動物へ向かう。

最初こそ理性がストップをかけるが、徐々により強い快楽を求め、残酷性が増していく、すると理性ストッパーを知らぬ間に壊してしまい、気づいた時には子供は小動物を殺してしまうのである。


そんな奴らが逮捕された場面こそが、私が人の醜さを一番思い知らされる瞬間である。

奴らは小動物へ申し訳ないなどの反省をすることはなく、自らの保身に走るのだ。


小さな命をおもちゃの様に扱い、散々、苦しめた末にその命を奪っておいて、罪の意識もなく、また悠々と町を歩けると思っている。

だから、こそ罪を認めず、もう片方に罪をなすりつけ、自分だけは助かろうとするのである。あいつがこんな事をやったからと。


これほどまでに醜いものが世の中にあるだろうか?

残念なことに世の中にはこんな醜い話が他にも存在する。この話もほんの一握りの事例にすぎない。

他にもさまざまな罪を犯した醜き者たちはこの世界に存在する、そう考えるだけで虫唾が走る。


そんな奴らを逮捕することで、少しでも良い未来を創る為に、私は警察になろうと思った。

憧れの警察になったはずなのだが……。


「次のニュースです、先日の火災に巻き込まれた夫妻の直接的な死因は、火災に巻き込まれたことですが、その前に何者かに重度の打撲を負わされていたことが、明らかとなりました」


これである。

メディアには報道規制が敷かれている為、詳しい情報は流れていないが、この殺人事件の被害者は先程の長女虐待殺人の被告人の両親なのだ。最近、このようなに犯罪者または、その親族を狙った事件が多発しているのだ。


虐待や殺人などニュースになった物から、もみ消され闇に消えた物まで、ありとあらゆる事件を起こした犯罪者の本人や親族を狙った殺人事件、通称ダーウィンズ事件。

現在、この事件は私とある探偵に任されている。


彼との出会いはあまり良い物ではなかったと私は思う。

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