残虐
…
「どうして俺らが姿を隠すんんだ!
人間どもは俺らの存在を知らない。だからこそ俺がお前らより凄いってことを教えさせないといけないんだ。隠す意味がないんだ!」
黒い竜は叫ぶ。まるで自分がこの世界の中心に動いてるような物言いだ。
「・・・それでも我等神はこの道を歩いて長く生きてきてたんだ!お前が踏みにじっていい規則じゃない!」
金の竜は、黒い竜の気持ちになったことはあった。だが、自分は神なんだとこの世界に何をするために生まれてきたのか考え、神として行きていこうという1つの答えを出した。
だからこそ、目の前にいる昔の自分に似た境遇にあった黒い竜を救わないといけないと金の竜は覚悟を決め言葉に出した。
「喧嘩するきはなかったが、ブラック・・いや、兄と呼ぶべきか。お前はわしが正してやる。」
金の竜はぐっと体全体に力を入れ、ブラックを睨む。
「おい、金の竜の神。だ、大丈夫なのか?」
不安になっている○○は思考回路が止まったまま動けていない。
「大丈夫だ、この村にこれ以上の被害は起こさせん」
この村の神として、金の竜は己の身体がどうなろうが村を守るという意思を込めながら静かにうなづく。
「わ、わかった。この村の神様だもんな。信じる。信じさせてくれ
この村の元凶を救ってくれ。そして、この村をよろしく頼む」
○○は自分にはどうすることもできないと力の無さに恥を持ったが、今はとりあえず金の竜を信じることにした。
「あぁ、神の名に基づいて約束しよう。」
スゥーと金の竜は羽を広げさらに飛び上がり口を開く
「任された!!」
その言葉には、強い意志による思いがこもっていた。
「やっと俺のところに来やがったか…」
金の竜を待っていたように、ブラックは笑っている。
「覚悟はいいな…兄よ」
「はぁー、呆れるなー。こんな馬鹿ども守って真面目すぎる弟もつと疲れるぜ。」
ため息とつくと同時にブラックは言葉を吐く
「敵が兄だからといって容赦せん!」
金の竜はすぐさま懐に飛び込み技を発動させた。
「はぁっーー、金竜の深爪!!!」
だが、その攻撃はとあることはなかった。
「ったく、黙れ」
静かにその言葉を吐いたブラックは金の竜の攻撃をかわし、カウンターを腹に1発重い拳を入れた
「ぐはっ!」
そして、そのまま身体の流れにそり一回転し、かかとを落としを入れる。
「ぐぁっ!」
避ける余裕もなく、技を食らう金の竜。
「な、なんだ何が起きている…:
村長はただ驚いているだけだった。黒い竜がただ単に見えない誰かと戦っている。だが、そのなにかが村長に見えなかったのだ。
だが、そこには一人だけ村の者に見えている奴がいた。
「そ、村長ここは危ない。とりあえずみんな移動しないと、ここは村の神さまに任せて俺らは逃げよう」
一人だけ、現状の村のことを把握している○○。だが
冷静なように見えて内心は焦っているように村長は感じた。だが、その判断は正しいと能が判断したのだ。
「た、戦いだと!?あの山が崩れたのもそれがきっかけなのか。くっ、頭が追いつかんが、村の者、ここは危ない」
村長は村の者を守るという掟がある。だから自分の命より村の者の命を優先しようとした。
「村の奥に避難するぞ!
動かないものは数人で運べ!!早く逃げるぞ!」
村長はみんなは村長の指示で我に帰り団体行動をとりながら避難して行き始めた。
「なんかぁー、村の奴らがどっかいこうとしてんなぁ
逃がすわけねーだろがぁー」
ブラックは人とははるかに違うスピードで逃げ出す女の子の前に現れた。
「い、いやこないで」
その女の子は背が小さく親はいなかった。そして、その黒い竜に恐怖を感じていた。
「お、お願いします」
泣きつくように頼み込むがブラックはするどい目線でその女の子を見る。
情けも微塵もない、まるで感情を持ってないかのように手を振りかざした。
「喚き散らしてうるせーんだよ....とりあえず死ねや」「あっ」
女の子が死を覚悟した瞬間、
「ばん!」
何か光の玉がブラックの頭に直撃した。
「や、や、やらせはせん」
がれきの山から立ち上がった金の竜は片手を前に出しなが抑えていた。
「さっきのでくたばんなかったのか
平和ボケしてワンパンなのかと思っちゃったよ」
金の竜は息を荒らしている。
「だ、だまれ」
そして、足の力を入れ駆け出しブラックの前に立ちはだかる。
「そこの女、早く逃げろっ!」
大きな声で金の竜は叫ぶ。冷静に物言えるような状態ではない。
「えっ、あっ、は、はい」
突然、何かしら声が聞こえて目の前を見たら金の竜が立っていた。
そう、金の竜は村の者を守るために存在を認知させたのだ。
そして、女の子は安心を覚えまた走り出す勇気を取り戻しその場から逃げ出した。
「ったく、別に俺はお前と戦う理由ないんだけどなぁー」
その走る女の子をブラックは見つめていた。
そして、ニヤリと笑いその女の子を殺そうとする。
だが、その前に金の竜は殴りかかる。
「はぁっっっあ!!・・・・やれる者なら、やってみろ」
金の竜は右手に力を入れ拳をくりだす。だが、その攻撃は
「なっ!?」
止められたのだ。完全に虚をついた攻撃だがまともにダメージもならず手にブラックの手に収まった。
「お兄ちゃん悲しいなぁー」
その手を離さないまま、ブラックは拳を持ち体全体ごと浮かせ上に投げた。
そのままジャンプし、両手で打ちおろした。
メキメキ ボキッ
「ぐあっ!」
そのまま金の竜は地面に叩きつけられた。
「力の差が桁違いに強すぎる
あの竜のいや、あれがブラックの力なのか」
遠くから見つめていた○○は、2人の神同士の戦いを見ていたが、どうしても黒い竜の神が優勢だった。
「このままじゃ、この村は滅びる」
「ど、どうすれば」
くっ、と言いながらできることを探していたが何をすればいいかわからない。
まだ、女の子はヨレヨレながらも走っていた。
だが、ブラックがまた目の前に現れ。生きるという安心感が消え失せ絶望に変わった。
また、尻をついてしまう。
「もう無理…」
ついに女の子の心は壊れてしまった。
「や、やばい」
いつのまにかブラックは金の竜の前から姿を消し女の子の前に現れていた。その数秒の時間に気づくのが遅れ○○は走り出すも間に合わなかったのだ。
「俺が…ま、間に合わない」
黒い竜が女の子を殺そうとした時、村長が飛び込んだ。女の子を突き飛ばし、自分が攻撃を食らったのだ。
「ぐふっ」
「あー、だれ?おまえ?」
最初に殺す奴を決めていたのか、邪魔されたことに少々の苛立ちが言葉になっていた。
「こ!この村の村長じゃ
文句あるか!この村のみんなはわしが守ると決めてるんじゃ。」
体の真ん中に拳が貫通している状態で血を吐きながら村長は叫ぶ。
だが、もう助からない。
「はぁ、はぁ、はぁ、、」
意識が遠のきながらも最後に言葉を振り絞った。
「知瀬わしが守るから、早く追いき。」
顔だけ後ろに振り向く。その顔はとても笑顔で優しい村長の顔だった。
だが、それと同時に身体は破裂した。
その周り全体に血が飛び散る。
「ふふはは、ちだ」
「村長が死んだ…」
女の子も血がベシャリとついており、下からジョワァーとお漏らしをしている。
村長が死んだことが頭で理解できてないみたいだった。そのままブラックによって知瀬も消えた。
女の子の知瀬もブラックによって殺されたのだ。
「な、なんだよ」
「な、なんなんだよ」
認めたくない。認めたくないのだ。これが現実というなら地獄だ。
周りを見たらすと金の竜はまだ起き上がってこない、
村のみんなは人が殺されたのを見て、雄叫びをあげている。
「終わりだ…
この世界の終わりだと○○はぼやいた。」