救い (前編)
「神とはなんなんだろうな…」
○○はふと頭の中でそんなことを思った。
そして、○○は民衆の中央に置いてある台の上に乗り皆に叫んだ。
「これから、山の神の金竜に我らが苦しんだ疫病という呪いを解いてもらう‼︎。そのために今回は集まってもらった!。少しの辛抱だがもう少し待っててくれ!。」
○○は、やっとこの村を救えると感情を押し出すような声で皆に言った。
だが、村の里の皆は全員が信じてくれたわけじゃなかった。
「本当になおるのかぁ。わしらはもうこの疫病は治らんと信じとる。だからこそ、死ぬまでにゆっくり過ごしたいとも願っておるんじゃ。ばあさんももう残りすくない。こんなことでとは言わんが少しでも一緒に居れる時間が少なくなってしまうたらお主はわしが許さんぞ。」
○○の意見に反対なおじいさんがばあさんの手をつないだまま俺に暴言を吐いた。
そして、その爺さんに続いたように、そうだ!そうだ!と叫ぶ人もいた。
○○はその村の人の言葉によって、今回のことの重さをようやく知った。
だが、ここで踏み止まるわけにはいかなかった。○○だって妹を助けたいという意思はあるのだから。この村の里を救いたいという意思もあるのだから。
「今回だけ、信じてくれ!。今回だけでいい。俺には治す力はない。だけど、俺はあの神さまを信じたいんだ。あの神は、なかなか意地っ張りだが俺には優しい神ってわかる。だからこそ、この村の里に住み続けてくれてるんだ。頼む…」
○○は頼み込むように頭を下げた。自分の気持ちを皆に伝えるように。
その姿を見た人たちは、その青年を見つめていた。そして。なにも言わなくなり青年が頭を下げている間は沈黙という長い静けさが漂った。
その静かな空間を壊したのはあの金の竜だった。
「来てやったぞ。青年。」
青年はばっと顔を上げ神を見た。
「来てくれたのか。本当に。」
青年の顔は涙目になっていた。
「何を言っている。わしは約束は守る。」
「……ありがとう…」
顔を腕でこすり、金の竜を見つめた。
そして、民衆の方を見て叫んだ。
「神のお出ましだ!。これから、この病を解いてくれるぞ!」
だが、民衆は静かえったままだ。
村長が声をかけてきた。
「おい、○○そこに誰かいるのか?」
「えっ??」
そして、気づいてしまった。
神が俺にしか見えてないことに。
「ん、なんだ。もうこの呪いといていいのか?」
神はおれを見つめながらそう言った。
金の竜を見ながら俺は口を開けた。
「え、?え、、、えーーーーー!?」