真実 (後半)
青年は疫病を治してもらえるとわかり、急いで山を降りた。
青年が村に着くとすぐさま妹が待っている家に帰った。
「まい!お兄ちゃんが帰ってきたぞ!」
汗をダラダラと流している、○○は妹の前で息を切らし苦しそうな顔をしているも声は明るかった。
「お兄ちゃん今までどこにいたの?心配したんだよ?」
まいが涙目でそう言った際に見た兄の顔はひどく顔がやつれており、見るからにひどい顔だった。
「なにがあったの?」
一瞬兄かもわからなかったぐらいひどい顔だったのだ。
「私のことはいい。そんなことより聞いてくれよ!大ニュースだ!」
今にも倒れそうな兄はそんなの御構い無しにテンションがおかしかった。
「治るんだよ!お前の病気は元に戻るんだ!これでもう、まいが苦しむことなんてない!」
まいは目を丸くした。兄が何を言っているのかわからなかったのだ。
なおる?この病気が?今のこの村の医学では、到底治ることないと言われていた、病気が?。だからこそこの村で疫病と呼ばれるほどのまでなり、村のみんなに広まったっていったのだ。
「な、何を言っているの?お兄ちゃん…?」
まいの言葉は震えていた。顔がやつれて頭がおかしくなったの?妹の頭は混乱していた。
「神様だ!私は一週間前偶然神様と出会い、この村を救ってくれとお願いしていたんだ。」
神様・・?兄は本当に存在するかもわからない神という言葉を使っている。そんなものいるわけがない。
「いたんだよ!!俺が一週間頼み込んだら神さまの力で直してくれるって約束したんだ。」
でももし、この苦しかった病気が治るというのならどんなに嬉しいことなのか。と妹は考え、またあの元気な頃の姿を思い浮かべてしまい、自然と涙がこぼれてしまった。
「おにいちゃん!!!」
妹は言葉を発すると同時に兄に抱きついた。そして、今まで溜め込んだ苦しみを吐き出すかのように兄の服をぎゅっと力を入れていた。
「まい…」
兄は妹の気持ちを身体で受け入れ、優しく身を包んだ。
数時間後、まいは疲れてしまい寝てしまった。私も正直にいうと身体がヘトヘトだったのだが、疫病が治ることをを村に伝えないといけないことがあり寝ることを我慢した。そうして、○○が寝ようとした時間帯はいつの間にか朝を迎えようとしていた。
村でも最初信じてもらえなかったが、村長に真剣に頼み込み、明日の昼間に村の病気にかかっているものたちを集めてもらうように説得したのだ。
そう、神に明日の昼間村に来てもらうように頼んでいたのだ。この村に広まっている邪気はこの村のどこにいようと払えるのだが、病気になってしまったものは、近くで邪気を取り除かないといけなかった。
とりあえず、できることはした○○は昼間の時間帯まで寝ることにした。
そして、運命という呪いの歯車の時間を迎えてしまったのだ。
「おにいちゃん.おにいちゃん」
妹の声によって○○は目が覚めた。久しぶりに睡眠をとった○○は、もう少し寝たい欲があったが大事な日だったので身体に鞭を入れ気合いで起きた。
外に出てみると、村の広間に疫病にかかった人たちが集まって来ていた。
「すごいな……。いつの間にかこんなにも被害は拡大していたのか。」
疫病にかかった人たちの多くは身体が動かなくなっており、寝たきりのままだった。
あと、20分そろそろ皆、集まるころだろう。
妹のまいも姿を現した。
「ここにいればいいの?ゴホッゴホッ」
「あぁ、大丈夫だ。すぐに楽になれる。」
「○○よ、準備はこれくらいでいいかの?」
「村長さん、おはようございます。はい大丈夫です。」
「この疫病が、治らなかったらお主は責任を取らざるをおえない。」
村長は、目を鋭くさせ小さい声で○○に伝えた。
「わかっています。」
○○はごくりと唾を飲み、決心したかのように静かに答えた。
「そうか…」
○○の覚悟を決めた目を見つめ、村長は短い言葉を残して村の民衆のいるところに向かい始めた。