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ギルド

朝になり、昨日顔が変わったことに気づいたことも何とか整理できた。


「これからはアルトとして生きていこう。外見も前の俺じゃないことだしな」


俺は新たな気持ちで宿を出てまず、ギルドに向かうことにした。

でも、冒険者登録するためじゃない。

今のところは、無暗に自分の情報を漏らしてもいいことはないと俺は思うからだ。

金にも困らないしな。

この宿を借りる時力を使い俺が部屋に向かっても違和感がないようにこの宿の範囲にいる人間を対象に広範囲に認識操作したからな。



この世界は銀や銅などが金の代わりになっている。

上から価値が高い順で

白金

となっている。物を買うときや他の用途にも使われるらしい。


俺の懐には、盗賊から奪った金が入ってる、銀が10個、銅が50個ほどだ。

宿を借りるのに1泊2日だと銅3個らしい。......あ、金足りなさそうだな。

宿は今日みたいに認識操作してやり過ごそう......力を試すため、そうそのためだ。

......他はしっかり金で買おう、力を使いすぎてどこかでボロがでてしまう可能性もあるからな。


うーん、金に困らないと思ったがやっぱり、冒険者登録は考えておこう。

ギルドに行って、登録のやり方を見て登録するかしないか決めよう。

俺の情報は知られたくない、特に俺の称号だけは絶対に隠さなくてはいけない。絶対面倒ごとになる、名前やら年齢なら最悪知られてもしょうがないだろうが。

アンナには名前言っちゃったしな......失敗したか?


「とりあえず、早くギルドに行ってみるか。」



俺は、ギルドにやってきた。

俺がギルドにやってくると、俺を見たアンナが俺に手を振ってきた。


「アルトさん、おはようございます!」


アンナは、笑顔を俺に向けてきた。

おい、やめてくれよ。俺の名前がギルドにいる奴らに知られてしまったじゃないか。

やっぱり、名前教えるべきじゃなかった。

アンナにはあまり俺の情報を与えるべきじゃないな、ドジっ子属性の疑いありだからな。

うっかり、俺の事誰かに教えてしまったら厄介だ。


「おはようございます、アンナさん。」


俺はそう言いながらアンナの傍に行った。

そしてまた、殺気のような視線がそれと今度は俺に対する嫌味やらなんやらが聞こえてきた。

......勘弁してくれよ。


「アルトさん!今日はどのような要件ですか? もしかして、私に会いに来てくれたのですか?」


なんか、急に親しくなった感じがする。会ってまだ2日なのに、この世界の人はガードが緩いのか?元日本人としては、少しうろたえるんだが。


「アンナさん、今日も聞きたいことがあって来ました。また奥で話しませんか?」


「…分かりました、じゃあアルトさんこちらに来てください。」


なんか、テンションが急に下がったな。こっちに来ても女性の考えてることは分からん。


「ありがとうございます。」


俺は昨日話した場所に行った。


「それで、今日は何を聞きたいですか。」


「......怒って、ます?」


「いいえ、怒ってません!さ、早く話してください。」


いや、どう見ても怒ってるよな? 


「......なら、明日の奴隷オークションのことなんですけど。誰でも行けるものですか?」


「奴隷オークションですか?はい、銅10個を渡せば誰でも行けますよ。」


銅10個か、結構高いな。まあそこは仕方ないか。


「アルトさん、奴隷オークションに出られるのですか?」


「ええ、旅のお供にでもしようと思いまして、一人じゃ危険ですし」


まあ、嘘だが。アンナには旅の者って言ってるあるし変な勘ぐりはされないだろう。それとほんとのことなんて話すわけないだろ?

嘘は人間の専売特許だぜ?


「......そうですか、......もう会えないのかな」


「アンナさん最後よく聞き取れなかったのですが、何か?」


「い、いえ。何でもありません......そうだ!アルトさん冒険者登録しませんか?」


まあ、何でもないならいいか。会えないだとか聞こえたような気がしたが、できれば頻繁に会いたくわないが今は贅沢言ってられない。ギルドにいるアンナはいい情報提供者だ。

......冒険者登録かまだ情報が少ないからまだその時じゃない気がするが、どうするか。


「アンナさん冒険者登録に必要なものはありますか?」


「ええと、ですね。用紙に名前、年齢、性別を記入してもらって血を一滴用紙につけていただければ用紙がカードになります。それと、カードの内容は他人には見えないようになっているのでご安心ください。」


......これはいいな、俺にとって都合がいいことだらけだ。これは登録してもいいかもしれないな。

いやでも、なんで血をつけただけで紙がカードになるんだよ。

魔法かなんかだろうか? さっぱり俺には分からん。


「そうですね、分かりました。冒険者登録したいと思います。それではアンナさんお願いできますか?」


「ほんとですか!? 旅にもお金はいると思いますので、旅の費用にでも思ったのですが良かったです!」


なんか、急に元気になったな…やっぱり何考えてるかわからん。力を使えば何考えてるか

わかるがそこまでする必要はないだろう、俺がいくらどんな手段を使うつもりでもやはり女性の考えを服従させて聞き出すのは気が引ける。

まだまだ、俺は甘いってことなのかもな。


「それでは、早速準備いたしますね!」


そう言ってアンナは走っていった。

......こけるなよ、こけたらドジっ子確定だぞ?

きゃあ!......あいたた。

そんなアンナの声が聞こえた。

......こけたな、やっぱりドジっ子属性あるな。


少しして、アンナが用紙を持って来た。


「そ、それではこちらに必要事項を記入してください。」


「分かりました。」


俺は、その用紙に名前と年齢それと性別を書き、血を紙に垂らした。すると、紙が光を放ちやがてカードになった。

......意味わかんね。


「はい、これで登録完了です。このカードが冒険者のいわば証明書のようなものです。これを使って依頼を受けることができます。初めての方はDランクからで依頼などを受けてもらってその内容次第で上のランクに上がることができます。ランクは、上からSランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランクとなります。アルトさんは称号についてご存じですか?」


俺は、知らないと答えてアンナから聞くことにした。実際俺もよく知らないからな。


「称号とは、その人のいわば能力のようなものです。アルトさんは冒険者登録していただいたので冒険者の称号がつきます、カードに記載されているので見てください。」


俺は言われたようにカードを見た。そこには確かに冒険者と称号がついていた。

......良かった、俺の支配者の称号は乗ってないようだ。これなら万が一カードが敵の物になってしまったとしても大丈夫だな。


「称号にはそれぞれの効果があります、冒険者は魔物によるダメージが軽減されます。なので冒険者は魔物を相手にすることがほとんどです。戦闘技術はご自身で身につけていただくことになります、しかしある一定の戦闘技術なら生まれたときに身についているのですぐに亡くなる人は少ないので大丈夫だとは思いますが。」


......待ってくれ意味わからんことが最後にあったぞ。はぁ?一定の戦闘技術なら生まれたときに身についているだって?

俺はこの世界で生まれたわけじゃないから戦闘技術なんてもんは一切ない。

......支配者の力があって助かった、でなきゃ最初の魔物で第二の人生終了してたぞ。


「なら早速ですが何か受けたいのですが、いいですか?」


「はい、分かりました。アルトさんにはこの、ゴブリン5体の討伐などはどうでしょうか?この辺では弱い魔物の部類に入りますので。」


「分かりました、どうやって、5体倒したか証明すればいいでしょうか?」


「それについては簡単です、魔物は死ぬと魔石に変わるのでそれを持ってきていただければ大丈夫です。」


「そうですか、ありがとうございます。では行ってきますね。」


俺はそう言ってギルドを後にしようとしたらアンナに引き留められた。


「すいません、言っていませんでした。カードをこの水晶にかざしてもらわないといけませんでした。」


おいおい、しっかりしてくれよ。ドジっ子属性発揮しすぎだぞ。

俺は言うとおりに水晶にカードをかざした、すると水晶に俺の名前やらが映った。

ちょいちょいちょい、俺以外には見えないんじゃないのかよ。


「これで、受付完了です。アルトさんの情報はカードとカードをかざしたこの水晶でしか映し出されないので大丈夫です。それと、万が一カードが他人の手に渡っても映し出されないのでご安心ください。」


なにが、大丈夫、安心してくださいだよ。焦りまくったわ!

はぁ、まあいい。他人には見えないのは変わらない......少し違うか受付の人にも見えてしまうかもしれないを付け加えないとな。どんな原理でこの水晶がなってるかは分からないが

これも、魔法の一種なのだろう。


「ごめんなさいね、この子まだ、ここに来て1週間しかたってなくてね。まだまだ、ミスが多いけど。この子のことよろしくね!」


そう言って、他のアンナの職場上司のような女性が言ってきた。よろしくって言われても。

困るんだが。


「何を言ってるんですか! アルトさんが困ってるじゃないですか!」


アンナが少し顔を赤くして言った。


「だって、あなた昨日から彼のはなし......」


「わあああ! さ、さあアルトさん頑張ってきてくださいね!」


「で、では、また。アンナさん」


俺は、元気だなと思いつつ今後の付き合い方をどうするか考えながら俺は今度こそギルドを後にした。

出るときアンナの声が聞こえたような気がした。

......ほんと、元気だな。


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