町に来たけど、これは町なのか?
町に来たけど、これは町なのか?
俺は、男たちと一緒に町に入った。 町に、 町にね。
すごいな~この世界の町はあんな高い城壁があるんだ~
「って、町ってレベルじゃねーだろ!これは!」
俺は思ってた町の想像を超える、町?を見て思わず声に出ていてしまった。
「どうした、お前。アルトリアス王国だぞ、どんなの想像してたんだよ。」
俺の隣に居た男が話しかけてきた。
「あ、ああすまん。改めてみると凄い所だなと思って」
「へんな、奴だな。」
そういって男は俺に背を向けた。
焦った、怪しいやつだと思われたか?いや、大丈夫なはずだ。俺はこいつらの認識を操作して俺がいることに違和感もなく、怪しいとは思わないはずだ。これは、そういう力だからな。
しかし、盗賊の男から聞いて名前は知っていたが、どんな所かは聞いていなかった。ほんとに聞いたことにしか答えないらしい。もっと使い方を工夫しなくちゃな。
さて、ここから俺の異世界での最初の一歩だ。本格的にこの異世界とかかわることになる。
俺は、男達の屋敷らしき所に来た。今度は俺を認識させないようにして俺は男の後ろについていく形で屋敷に入った。
どうやら、男達は部屋に入るようだ。凄い扉だ、数人でいっぺんに入ってもいけそうだな。
いかにも、屋敷の主っぽい奴がいる部屋だ。俺はそのまま部屋に入り椅子に座って男を見た。
「諸君、ご苦労。さて、良い報告を聞こう。」
主と思われる男はそれ以外の報告を受け付けないような眼をしていた。
なんて眼だ、これが上に立つ人の眼か。俺の勤め先だった○○会社の部長にはできない眼だ。
やっぱり、日本とは違う。あの男の眼は人を何人も殺してきた眼だ。しかも、殺すことに躊躇がないように見える。厄介そうな男だ。
......俺も今は似たような感じなんだろうか。
「報告いたします。すいません、クライブ様。 盗賊は死亡、男には逃げられました。」
男は震えながら言った。
「私は良い報告と言ったはずだ。これは良い報告なのか?」
「い、いえ。 ですがお願いします。チャンスをください次は必ず!」
「いや、結構だ。お前はもういい。他にも人はいくらでもいる。連れていけ」
クレイブという男はそう命令し男たちは連れていかれた。男達の悲鳴のような声はどんどん小さくなって聞こえなくなった。
「使えんやつだ。おい、2日後の奴隷オークションの準備は出来ているか?」
あらら、あの男の人。自分が盗賊に言ったことと、同じこと言われてら。
「はい、準備はもうすぐ完了します。」
執事らしき男がそう答えた。
「そうか、急がせろ。今回は上物がオークションに出るようだからな。必ず、回収させてもらわなくてわな。」
俺は執事らしき男の後ろについていき部屋を出た。
奴隷オークションか……。しかし、なぜだ?
あの男はオークションに出される奴隷を知っているような口ぶりだった。
何かしらのコネクションがあるのか?……まああるだろうな。
俺は、町、いや。このアルトリアス王国を見て回ることにした。当初の目的の情報収集だ。
俺は、屋敷を出るとき見た。あの男達の最後を。
......仕える人を誤ったな、ここはどう見てもブラック企業だ。
俺は屋敷を後にした。
読んでくださりありがとうございました。