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戦場

「来たぞぉぉぉぉぉ!!!魔獣どもが!!」


一人の男がそう叫び男の視線へと向けると、大量の魔獣たちが押し寄せてきた。

作戦通り、勇者が先頭に立ち魔獣たちを引き付ける。


「皆さん、作戦通りお願いします!」


「「「了解です!」」」


魔術師達はそう答え、勇者に近づいてきた魔獣を魔術で攻撃していった。

攻撃され、魔獣たちが次々に集まってくる。それを見越して勇者は一旦引き魔術師達が一斉に魔術を発動させた。


「「「ストーン・ウォール!」」」


魔獣を囲むように土の壁が形成された。


「後は頼んだよニーナ!」


「ええ、任せてください!レン!」


ニーナは目を閉じ集中して、魔法陣を展開し魔術を放った。


「エクスプロージョン!」


ニーナの魔法は、魔獣はおろか壁までも粉砕し跡形もなくなった、そこにはでかいクレーターが出来た。


「相変わらずの威力だねニーナの魔法は......。」


「ふふ、ありがとうございます。レン」


余りの出来事で魔術師も魔獣も動きを止めた。ジェイクも例外ではない。


(......なんて威力だ。私もあのような魔術を使えるようになれば......。)


みな、余りにも自分たちと違う威力の魔術を使うニーナに驚きと恐怖を覚えた。自分たちの見方で良かったと、あの魔術が自分たちに降り注がれない幸運を魔術師達は心の底から喜んだ。


「さて、戦いはこれからだ!皆さん残りの魔獣も倒していきましょう!」


「「「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」


その後も、一人の犠牲者を出さずに魔獣たちを蹴散らしていった、魔術師達にも余裕が見られてきた。しかしその余裕が仇となり事態は一変する。


「ハハ、これなら余裕だな。最初は数にビビったがこっちには勇者様が居るんだ負けるはずがない」


「おい!!お前!!」


「なんだあ......よ」


男の目の前にいきなり魔獣が襲い掛かった、そして......。



「ドガアアアアアアアンン!!!!!!」



ものすごい音と一緒に魔獣が爆発した。そこに居た数人の魔術師は肉片とかした。

その一つの爆発で魔獣の動きが変わった。


「おい!また来るぞ!!爆発させるな!ここで崩れたら一気に持っていかれる!」


「クソ!よくも俺の仲間を!これでもくらえ!」


男は魔術を魔獣に放って魔術師は笑った、倒したと思ったからだろう。しかし、魔獣は魔術を食らい爆発した。しかもさっきの爆発よりも威力が大きかった。そして爆発の威力で魔術を放った魔術師も爆散した。


「ひ、ゆ、勇者様!私達はどうすれば!?」


その様子を反対側で見ていた魔術師は勇者に言った。


「く、一旦引いてください!このまま戦っても無駄に命を失うだけです!」


「わ、分かりました!......う、うわああああ!!!!」


反対側でも魔獣の爆発が起き、次々に魔術師達が死んでいく。そして、最悪な追い打ちが彼らを待っていた。数々の爆発で砦が崩れていったのだ。これにより更に死者が増えていった。


「レン!どうするのですか!?」


「ニーナ!無事で良かった!」


「私は大丈夫ですよ、砦が壊されたのは危なかったけど魔獣は遠くで倒せば爆発の影響は少ないわ」


「そうか、助かる。ニーナ!......皆聞いてくれ、後退しつつ魔獣は遠くで倒してください。近づいてきた魔獣は攻撃せず、すぐに防御魔術を使用してください!少しでも爆発の威力を抑えられるはずです!」


「「「分かりました!勇者様」」」


近くに居た魔術師が通信魔術で全員に連絡した。




「く、まさか。魔獣に突っ込ませて爆発させるなんて、しかし、ここで死ぬわけにはいかない!アルト様の期待を裏切るわけには!」


ジェイクも魔獣の攻撃に苦戦していたが、なんとか近くで爆発させるのは避けて居る。


「ふぅ......それにしても、砦から離れて良かった」


ジェイクは運が良かった、配置された場所は逃げ道のすぐ近くだったので逃げ遅れて死ぬことは無かった。砦の崩壊で死んだ者はみな逃げ遅れて下敷きになって死んだ。


「さて勇者の命令通り、後退させていただきましょう」


ジェイクは魔獣を撃退していきながら後退していった。





「さてそろそろ、作戦を始めるか。ここからでも少し音が聞こえる。この音を聞くに魔術師は魔獣にやられ始めたころだろう。情報もなしにいきなり爆発してくるんだ逃げられるはずがない」


さあ、魔獣たちもっと爆発して見せろ。「芸術は爆発だ」だろう?

......おっと、作戦を始める前にローガンに作戦開始だと言っておかないとな。


(ローガン、作戦開始だ)


(了解だ、アルト様......いけ魔獣たち王国を破壊しろ!)


そして、王国も戦いの場へと変わっていく


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