初めての遭遇
待つの飽きました。
いくら待っても誰一人として通らないんだけど。
まだ、こっちに来て魔物にしか会ってない。ほんとにここら辺に人が住んでる町とか王国とかないのかな。まったく通る気配がしないんだけど。
しょうがないむやみに動きたくないけど道に沿って歩いてみるか。
俺はしばらく道なり沿って歩いてたら、後ろから物音がしてきた。
俺が振り向くと馬車らしきものがやってくるのが見えた。
「ようあんちゃん、こんなところでどうしたんだい?」
馬に乗った40ぐらいのおっさん話しかけてきた。
よし!人に会えたぞ、でも、どうせなら美人な女性が良かったな。初めての遭遇がおやじってのは悲しい
まあ、しょうがないか。そんなこと言ってる場合じゃない。
「ええ、気づいたらこんな場所にいたんです。あなたはなぜここに?」
「俺は、商人でな。これから町に行くところなんだが。どうだいあんちゃん乗ってくかい?」
「いいんですか!? 助かります。」
俺は、荷台に乗っかって町を目指した。しかし、初対面の奴をしかも見るからに怪しい俺を荷台に乗せて町まで行ってくれるなんて、助かるけどガードが甘すぎないか。まあ、俺が助かったし気にすることじゃないけど。......用心だけはしておくか。
「着いたぜ、あんちゃん。」
俺はそう言われて、馬車から降りた。すると数人の男がナイフを持って立っていた。俺はすぐに男達に囲まれた。
「親分、今日の獲物は男ですかい?見るからに金目の物持っていませんぜ?」
「今回は、依頼なんだよ。若い男性を奴隷で働かせたいんだとさ」
用心しておいて良かった。でなきゃ、テンパっていただろうからな。さて、どうしたもんか。
「おやじさん、あんた商人じゃなくて盗賊だったのかい?」
「答える義理はこっちには、ないんでな。騙されるあんたが悪いのさ。さあ、大人しく従えば悪いようにはしないさ。」
盗賊らしきおやじとその部下と思われる奴らが不敵な笑みを浮かべナイフを向けた。
いやいや、悪いようにはしないとか言ってるけど説得力が全くないよ。鏡を見てもう一度言ってみろってんだ。酷い顔してるぜあんたら。
しかし、騙されるあんたが悪いかそうか、俺が悪いのか。なら、こっちも容赦しない。生き残るためだ
悪く思うなよ?お前達は俺の礎になってもらう。俺の常識を壊すため俺が異世界ライフを謳歌すために。
俺は手をかざし言った。
「自殺しろ」
男たちは一斉に自分の顔を触った。
「なんだこれ、手が勝手に、な、なにをしたんだ!お前!」
男たちはさっきの不敵な笑みが嘘のように俺を見つめていた。
「やれ」
男たちは一斉に自分の顔を180度曲げた。男たちは地面に倒れた。
そして俺は一人残っている男を俺は見た。
「や、やめてくれ!あんちゃん、何でもする、だから助けてくれ!」
「いいですよ、助けてあげますよ。 今わな。 服従しろ!」
まったくなんでこう、ありがちな言葉しか言わないんだ。有利の時は人を馬鹿にし不利になったら助けてくれか。ありきたりすぎてつまんないよ、あんた。
「俺の言うことにだけ答えろ」
「はい、我が主様」
俺はこの男から情報を手に入れた。もうこの男に価値はない。俺は自殺を命令し男達の死体を隠し馬を逃がしその場を後にした。
俺は、盗賊の男から聞き出した引き渡しの場所に来た。どうやら、俺の前に攫ってきた男がいたらしいが逃げられて、探しているうちに俺を見つけて標的にしたらしい。
俺も運がないな、まあ情報が手に入ったことだし良しとしよう。。
「遅い!何をやっているのだ!使えんやつめ!」
数人の男がやってきた。どうやら、引き渡し相手のようだ。どうするか、もう一つの力を使うか。
俺はこの範囲に男達の認識を操作し俺のことを怪しいと思わないようにした。
「お伝えしたいことがあります。」
いけるか?この力を使うのは初めてだからな。どうなるか。
「なんだ、言ってみろ」
よし! しっかり認識を操作できたしっかし凄いなこの力。さすが支配者の力だ。認識すらも操り支配するとはこれなら他のことにも使えそうだな。
「さきほど、盗賊らしき声が聞こえたので向かってみたところ。盗賊たちは魔物に襲われたようで、すでに死亡を確認しました。捕らえたとの情報が入った男の姿はありませんでした。」
信じろ。奴らは死んでる安心しろ。
「くそ!使えん奴らだ!逃がした挙句死ぬとは、無様にもほどがある。やはり盗賊風情に依頼しなければ良かった。......あの方の気分を害すことになってしまうではないか」
男は、撤収を命じ男達はそれに続いていった。俺もそのままついていき町を目指すことにした。盗賊の男が言っていたがこいつらは町の人間らしい
。
......あいつが言ってたあの方とは誰だ? まあそれもついていけば分かることか。
どうせ主かなんかだろ。 俺の予感は当たるんだぜ。
読んでくださりありがとうございました。