勇者と女神
誤字が多かったので修正しました。
護衛3日目、俺達はメイドに呼び出されていた、どうやら勇者が呼んでいるようだ。
ということは、魔王の魔法とやらを解いたのかな。
「勇者様、今来ました。部屋に入ってもいいでしょうか?」
「入ってきてください。アルトさん、ジェイクさん」
俺達は勇者の許可を得てドアを開けた。そこには最初に来た時と同じように勇者がベットに座り3人が周りに立っていた。
「勇者様、魔法は解けたのですか?」
「はい、何とか。3人のお陰で魔法は解けました。お二人も護衛ありがとうございました」
「いえ、依頼ですので、そういえば疑問に思ってたんですが国王はなぜギルドに依頼したのでしょうか。勇者様の体のことは知らないと言っていましたが」
「ああ、ただ。僕が国王にお願いしただけです。」
「あ、そうでしたか。」
考えてみればそうだな、間抜けな質問だった。俺には聞きたいことが他にある、それを聞かないと何のために、依頼を受けたのか分からなくなる。
「回復したばかりで申し訳ないのですが、聞きたいことがありましていいでしょうか?」
「聞きたいことですか?はい、僕に答えられる事なら」
「ニーナさん、私も2,3魔術について聞きたいことがあるのですがいいですか?ニーナさんの魔術に興味ありまして」
「私ですか?構いませんよ。ならここではあれですから外で話すとしましょうか。では、レン少し外しますね」
「うん、分かった、魔術を使うなら威力を抑えてね。ニーナが本気出したら家がなくなっちゃうから」
分かっていますとニーナが答えジェイクとニーナは部屋を後にした。
その後、エレナとルンは食事を買ってくるとの事で部屋を後にした。うまいぐわいに人が居なくなったなこの部屋には俺とレンだけが残った。
「さて、聞きたいこととはなんですか?アルトさん」
「ええ、いくつかあるのですが。国王が言っていた勇者を召喚したってどうゆうことなんですか?どこか遠い村とかから連れてこられたのですか?レン・オキタって名前が他と違うような気がして。」
「はは、信じないかもしれないですが。私はこの世界の人間じゃないんです。地球っていう星の日本という国から来たんです」
おお、やっぱり。異世界人だったかこれは面白くなってきた、ふふ......こらえろ、笑うな。普通に返せ。頼むぞ俺。
「......そうなんですか?日本?聞いたことないですね?でも、勇者様の話なんですから本当なんでしょう、この世界は何が起こっても不思議じゃないですから。信じますよ」
「ほんとですか!?普通信じないんですが、アルトさんはやっぱり他の人とは違うようです。何か特別な力を感じます」
な、なに!? まさか気づいて、いやそんなはずはない。それならこんな会話になるもんか勇者にもやはり特別な力があるのか。
「......そんなことありませんよ、私はどこにでもいる冒険者ですよ、勇者様のような力は持っていません」
「そうですか?でもきっとアルトさんは冒険者の中でもトップになれる人だと思います、頑張ってください!」
「ありがとうございます、もっと強くなってみたいものです、そう魔王を倒すぐらいに」
「魔王ですか、それはもう居ませんよ?これで、平和な世界になると僕は思っています。平和な世界にして皆で幸せに過ごすために僕は皆と一緒に魔王を倒したんですから。」
......やはり甘いな。現実はそう簡単なものじゃない。ゲームのように魔王を倒してハッピーエンドなんてもんはないんだよ。それに現実は小説より奇なりってな、これから面白いことが起こるぞ?
......起こすの間違いか ふふ。
「確かに、魔王は勇者様によって倒されましたが。第2、第3の魔王が現れても不思議じゃありません、それにまだ魔物は沢山いますし戦いが終わることはありません。平和な世界なんてものはないんですよ。どんな強い国だとしても滅ばない国なんて無いのですから。」
「......そう......ですね。僕は甘かったようです、私の居た世界はいや、少なからず日本では戦いは無く平和な日常だったんです。でも、ここは異世界。同じようにはいかないんですね。
......ありがとうございます。魔王を倒したことに満足せずにこれからも戦って生きていきたいと思います。」
「そうですね、何が起こるか分かりませんから、お互い頑張って生きましょう」
あれ?現実を突きつけてやろうと思ったんだが、変なスイッチ押しちゃったか?お互い頑張ってなんて言っちゃったけど、頼むから君は頑張らないでくれ。
「はい、頑張りましょう!あ、他にも何かあるんですよね?答えますよ?」
「どうやって魔王と渡り合える力を手に入れたのですか?私も強くなりたいものですから」
「ええと、ですね。アルトさんは女神様を信じますか?その女神様から勇者の称号を貰ったんです。」
女神様だと、まさか俺の時と同じ女神様か?同じならミカエラ様か?聞いてみるか。
「女神様ですか?信じてますよ、女神様の存在を信じている人は多いと思いますが、それでなんて女神様なんでしょうか?」
「女神ミカエラ様です。ミカエラ様はこの世界の神と言っていました、この国もミカエラ様を崇拝している人が居ますよ。2年間この世界に居て見てきましたから、それに協会もありますからね」
あ、やっぱりあの女神様か......待てよ、この世界の神?しかも協会もあるだと、後で行ってみるか。ということはだ、ミカエラ様がこの世界の神で、俺以外にも異世界人を送っていることが分かった。ならこれからも異世界から人間がやってくるかもしれないな。用心しとこう。
......うん、待てよ。俺は向こうで死んでこっちに飛ばされてきた、だがこいつは、国王が言っていたが召喚したということらしい。でも、ミカエラ様に会って力を貰ったという。ってことは、次にまた国王が勇者召喚なんてしたら、また強力な力を持った奴が現れる可能性が非常に高いということだ......勘弁してくれ。
「......そうですか、女神ミカエラ様ですか、凄いですね。女神様に会うなんてやはり勇者様は特別なようですね。」
「あの、アルトさん。勇者様はやめてください。あなたは僕よりも年上だと思うのですができれば普通に接してください。」
「いえ、普段からこんな口調なのですが、そうですね勇者様じゃなくレンと呼ばせてもらいますよ」
「はい、それでお願いします。アルトさん。」
一通りレンと話を終えたところでジェイク達が帰ってきた、さてもうここには要はないお暇させてもらうかな。
「皆さんが帰って来たので、これにて依頼を完了させていただきたいのですがよろしいですか?」
「そうですね、はい。もう護衛は大丈夫です。僕から国王に伝えておきます、依頼完了されるのは明日になりますが。」
「はい、ありがとうございます。良い3日間でした。」
「こちらこそです。アルトさん、ジェイクさん、レンがお世話になりました。」
「まあ、それなりに役に立った、アルト、ジェイク。礼を言う」
「エレナそんな言い方はダメだよ? アルトさん、ジェイクさんありがとうございました」
「はい、こちらこそです。それでは、私達はこれで失礼します。」
「失礼します」
俺とジェイクはそう言って宿を出た。
「皆、二人はどうだった?」
「そうですね、いい人だと思いましたよ?」
「ルンもニーナと同じでいい人だと思いました」
「じゃあ、エレナは?」
「あたしは、底が知れないと思ったけどな、特にアルトだ。ジェイクはあまり思わなかったが、正直あたしは魔王より怖いと思った、できれば敵になりたくない」
「そう、アルトさんがか。僕には力を秘めていることぐらいで怖いとは思わなかったな。それとアルトさんと敵対するなんて思わないよ。」
「そうだな、そうだといんだけど」