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勇者帰還

ども、アルトだ。今はミランダと共に城の広場に向かっている。どうやらそこで国王からの演説のようなものがあるらしい。城の広場は広く多くの人が国王の言葉を聞こうと集まるようだ。今も俺達以外にも広場に向かう国民がぞろぞろ歩いている。


「アルト様、やっぱり凄い人なのですね。さすが国王といったところでしょうか。」


「まあ、国王だからな。この国の最高権力者だこれくらいの人が集まるのは当然だろう?」


「そうですね、私は一度会ったので国王より勇者の方が気になります。」


そうだったな、ミランダは一度王に会ってるのだった。会ってたからといって特に問題はないんだが。問題になるとしたらミランダの姿を見られることだ。まあそれもこれだけの人の数なら分からないとは思うがな。



俺達は広場について兵士が居ないところを探してそこで見物することにした。


「ここなら、大丈夫だろ。ミランダあまり騒ぐなよ?」


「もう、騒ぎませんよ!子供じゃないのですから。もう18歳ですよ?」


いや、俺からしてみれば十分子供だよ。まだ、未成年じゃないか。あ、でもこの世界に未成年なんて概念あるのだろうか?

聞いてみるか。


「そういえば、何歳から大人として扱われるんだっけ?」


「16歳からですよ?男女ともに16歳から結婚も出来ますし。ところで、アルト様はおいくつなんですか?」


「そういえば、言っていなかったな。俺は25歳だぞ。近頃年を感じるようになってきてな」


「え!?25歳ですか!? 20歳くらいかと。」


「おいおい、確かに年齢にしては少し若く見られる顔をしているが、20歳には見えんだろ?......まあいいこの話は置いといて、国王が見えたぞ。」


「あ、ほんとですね。」



城の上の方からいかにも国王だなって格好で姿を見せた。


「アルトリアス王国の国民諸君。私は現国王チャールズ4世だ。度重なる戦火の中でこの王国が人間最後の国となってしまった。それもこれも忌々しい魔王国なるものが現れたせいだ。そこで私は2年前勇者を召喚し魔王退治を依頼した。そして、昨日遂に勇者とその一行が帰ってきた。この意味が分かるか?勇者は生きて生還した、そうだ!勇者は魔王を倒すことに成功したのだ!!」


国民から歓声が響き渡った。


「さあ国民よ、英雄の誕生だ!!心してその姿を見るがいい。」


国王がそう言うと後ろから勇者らしきものと仲間と思われる人が現れた。


「アルトリアス王国の国民の皆さん。国王様に紹介されました、レン・オキタです。英雄だなんていわれるほどの人間ではありませんが、安心してください!魔王はここに居る僕の仲間達と一緒に倒しました!もう、魔王の脅威はありません!!」


また、国民から歓声が響き渡った、今度は泣いてる人も現れた。

勇者の隣からまた国王が現れて言葉を発した。


「勇者レン、いや英雄レンの言った通りだ!魔王の脅威は去った。戦場に向かった兵士も時期戻ってくるだろう。しかし、魔王の脅威は去っても魔物や魔族が居なくなったわけではない。だが、魔王が居なくなり魔物や魔族の力は弱まっている。以前のような力はなくなった、実質の魔王国の敗北だ。我々人間は魔王国との戦争に遂に勝利したのだ!!!」


そう国王は言い放ち国民からは拍手が沸き上がった。国王と勇者一行は拍手に包まれながら城の中に入っていった。



俺達はもう用が済んだと宿に向かって歩き始めた。


ふふ、ハハハハハ!笑いが止まらないな。レン・オキタか、国王は勇者を召喚したと言ってた、名前からして日本人であるのは間違いないだろう。

ほんとに俺以外の異世界人が居やがった。俺はあいつと違う国王の駒にはならないぞ。どう見たって国王が利用しているだろ、国王が勇者を利用するにはありがちな話だから、レンとやらに俺が異世界人だと知られれば面倒ごとに巻き込まれるのがおちだ。俺の邪魔をするなら誰であろうと許さん。


「......あ、あの。アルト様どうかなさいましたか?顔が怖いです。」


「あ、ああ気にするな。なに、面白いことになりそうだと思っただけだ。それより、ミランダに勇者はどう映った。」


「勇者ですか、私と同じ年に見えました。あの年齢で魔王を倒すなんて凄いと思いました。それと、周りの勇者の仲間だと言っていた3人の女性あれはどう見ても仲間というより嫁ですかね。勇者が演説してる時の彼女達の顔は恋する乙女に見えましたし。」


「そうか、ハーレムパーティーというやつか、如何にも勇者がなりそうなことだ。若いしな色々凄いんだろう。」


「っ!! 色々、凄い。」


「ふふ、興味あるか?」


「い、いえ、 そ、そんなことは。」


今までの行動を見る限り興味はあるんだろうが、まだまだ子供だな。とゆうか最近は表情豊かになったな、それだけ打ち解けたってことか。歳相応だなエッチなことはまだ恥ずかしくなる歳か、俺くらいの年になるとそんなんでは恥ずかしくはならん。こっちに来て初めの方の俺は反応が年頃の中学生みたいだったが今はそんなことはない......はず。......とにかくこれは内緒だ。


「勇者の女事情は置いておくとして、魔王が倒されたか。よし、ミランダ。ギルドに行くぞ」


「え、あ、はい!? アルト様!宿に向かうのでは って待ってください!」


俺は予定を変更し、ギルドに向かった。




俺達は今ギルドに来ているそこでなぜかアンナとミランダが何やら変な空気を醸し出している。…説明してください。


「アルトさん、最近は毎日来てくださり私は嬉しいです。ですが、一つ聞きたいことがあるんですが。この人は誰ですか?」


刺々しい言葉でアンナがミランダを見ながら言ってきた。


「ええと、ですね。アンナさん、この人はミランダです。」


「ミランダさんですか、それでこの人はアルトさんの何なんですか?」


「それはです...「私はアルト様の奴隷です、今はアルト様と一緒に暮らしています。」


俺の言葉を遮りミランダが言った。


「ど、どれい。い、いっしょにすんでる。」


なんか、アンナが固まった。前もあったがアンナは固まる習性があるのだろうか。

それとなんでミランダお前は勝ち誇った顔をしているんだ。


そんなことしている中、エマがやってきた。


「はいはい、そこでバチバチの三角関係劇場しないでくれないかな~。アンナもさっさと仕事に付きなさいね。勇者が帰って来て大変なんだから。」


「エマさん、勇者が帰って来て大変というのはどうゆうことでしょうか?」


「アルト君は知らないのも無理ないわよね、せっかくだし教えてあげるわ。ギルドに国王様から直々の依頼があってね、どうやら2,3日護衛を付けてほしいとの事なのよ。魔王を倒した勇者に護衛なんてものが必要とは思わないけど、依頼が依頼だし無下にはできなくて。受けてくれる人を探しているんだけど誰もやろうとしないのよね。」


おいおいおい、なんてこった。これは素晴らしい依頼じゃないか。是非とも受けたいものだ。合法で勇者に近づくチャンスだ、俺の招待を知られる可能性はあるがそれでもその危険を冒してでもやる価値はある。釣りが出るほどに。


「エマさん、その依頼私が受けても構わないでしょうか。魔王を倒した勇者には憧れてまして少しでもお近づきになれればと思っていたものですから。」


まあ、嘘だけどな。


「ほんとに!?受けてくれるの!?助かるわ~。全く受けてくれる人が居なくて困ってたのよ。そういうことなら依頼を受けてほしいわ。あ、でも2人以上なのだけど他に人はいるのかしら?」


「ありがとうございます。それについては大丈夫です。」


俺は、未だに何か話している二人をほっときエマと話をつけ依頼を受けた。


「アルト君もなかなか依頼を受けてきたようね。この依頼が完了すれば次のランクに上がることもできるわよ、国王の依頼なんだもの、他の依頼とは格が違うから。」


「それは、良かったです。」


「......あ、そういえばアルト君。気になっていたのだけど君はいくつなの?20歳くらいかしら。」


「......私は25歳ですよ、少し年齢にしては若く見られるんですが、それは彼女にも言われました。」


ミランダを見て俺はそう言った。


「え、うそ!? 私と一つしか違わないなんて。」


「はは、ほんとは年相応に見られたいものです。」


俺とエマの話を聞いていたのかアンナが会話に入ってきた。


「アルトさんって25歳だったんですか? てっきりもっと若いのかと。」


「アンナさんもですか......。まあ年齢の話は置いときましょう、話してもきりがないですし。それでは、エマさん、アンナさん。また来ます、今度は依頼完了した時に。行くぞ、ミランダ。」


「はい、アルト様」


俺はミランダを連れてギルドを出ようとしたが後ろからアンナの声がしたので振り向いた。


「あ、あの。アルトさん!私と話す時も敬語をやめてもらえないでしょうか?」


「......分かった、それじゃあまた来る。アンナ」


俺は今度こそミランダを連れてギルドを出た。


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