第87話 新たな旅立ち
父、大五郎と決別した源五郎
それから数年立ち、
親子でまともに話が出来ていない中
使用人の小林から
ある事を聞かされるのだった…
源五郎は父、大五郎に
我慢していた自分の気持ちを
言い、父と決別するのだった
それから…と言うものの
俺が道場に戻る事はなく
父との会話もなくなり
あの日以来、父のように
強くなりたいと思う事もなくなった
俺は父の後を継ぐのを止めて
進学するという道を選んだのだ
俺は今まで自分を圧し殺して
生きてきたため、高校まで
自分のやりたい事をやれずにいた…
だから、大学で好きなだけ遊んで
卒業したらサラリーマンになって
自分の家族を持ちたい…
そう思っていたからだ
今、思えば世に言う
ただの遅れてきた
反抗期だと俺は思っている
あれから数年立ち
大学を卒業する年になっていた
俺は使用人の小林さんから
ある事を聞いた
小林さんとは
母が亡くなってから
父が雇った使用人の人だ
俺が幼少期からいるため
俺にとってはまるで
母のような人なのだ
小林さんの特徴は猫背で
歳は60代のおばあさん、
白の三角巾、白のエプロン姿でいつも
この大きな屋敷を朝から夕方まで
掃除や洗濯、料理等家事
全般をしてくれている
小林
「源五郎ちゃん、あんた…
おとっつぁんから聞いたかい…っっ?」
(お父さんから聞いた?)
源五郎
(サムライキング)
「何をです…っっ??」
俺がそう聞くと小林さんが答えた
小林
「第27代澤村家の後継ぎはどうやら団十郎ちゃんに
決まるらしいよ…??」
団十郎の名字は細木
団十郎とは幼馴染みで
よく昔から二人で遊んでいた仲だった
団十郎は父、大五郎を
凄く尊敬しており
俺と共に幼少期の時から
父に剣の技を習っているのだ
父からしたら俺が後継ぎをしないと
言うから昔から可愛いがっていた
団十郎を後継ぎにしようと
考えたのだろう…
源五郎
(サムライキング)
「そうですか…」
小林
「昨日のお昼に床を雑巾がけして掃除してたら聞いちゃってね…
源五郎ちゃんはそれでいいのかい…??」
源五郎
(サムライキング)
「いいですよ…っっ!!
俺にはもう関係ないですから…っっ!!」
プンスカ、プンスカ…
俺は思わず怒ってしまい
その場から立ち去った
小林
「源五郎ちゃん…っっ!」
源五郎の後ろ姿を静かに見つめる小林
グキッッッ…❗
小林は長年の使用人生活で
腰を痛めていたのだ
小林
「あぁ~…痛てて…
腰痛いわぁぁーーー…っっ!!」
まぁ…そんな事があったが
俺は無事大学を卒業し
バナゾニッグに就職したため
実家の屋敷を出た
源五郎
(サムライキング)
「それでは…お世話になりました…っっ!!」
見送ってくれたのは父…
ではなく…小林さんだけだった
小林
「源五郎ちゃん…寂しくなるわね…?
体に気をつけるのよ…っっ!」
源五郎
(サムライキング)
「はい…っっ!!
ありがとうございます…っっ!!
それでは…っっ!!!」
俺は小林さんに一礼してから
小林さんに手を振ると
その場を去っていった
小林さんは俺が見えなくなるまで
手を振って見送ってくれていた
そして、
一人暮らしを始めた後
俺は妻のさゆりと
職場で出会い結婚したのだ
1年後、娘の涼子が生まれ
3人で裕福な家庭とまでは
いかないが3人睦まじく
幸せな家庭を築いていったのだ
俺が後継ぎをしなくてよかった…
そう…22年前のあの日が来るまでは
そう思っていたのだ
今から遡る事…22年前…
俺達の念願だった
マイホームを建てた
そのマイホームで
3人暮らしをしていたのだ
妻、さゆりは
仕事を辞め専業主婦に
娘、涼子は3歳になっていた
俺、源五郎は大黒柱になって
一家を支えていた
源五郎
(サムライキング)
「じゃ…いってくるよ…っっ!!」
妻と娘に挨拶する源五郎
さゆりはまだまだ
言葉を上手く話せない涼子を
抱き抱えて仕事に行く
俺に挨拶をしていた
さゆり
「あなた、行ってらっしゃい…っっ!!
ほら、涼子…っっ!
パパが行きまちゅよぉぉーーー…っっ!!」
さゆりが涼子に
向かってそう言うと
涼子の右手を使い
涼子にバイバイと
手を振らせてくれた
すると涼子が俺の顔を見ながら
覚えたての言葉でこう言った
涼子
「パァーーパパァァ…ッッッ!!!」
ドッッッッッッ…
キュュュン…ッッッッッッ❗
まるで小さな天使達が
俺の胸めがけて
一斉に小さな矢を放ち
俺の胸を突き刺したかのように
俺は自分の娘に心を奪われたのだ…
なんて可愛らしいんだ…っっ!!!
今のさゆりより
断然可愛い…っっっ!!
………
いかん、いかん…!!
だめだ、だめだっっ…!!!
こんな事を言えばさゆりに殺される…
まぁ…そんな事があり
この時は…
それは…それは幸せだった
よし…っっ!!
俺はサラリーマンとして
さゆりや涼子のためにも
やっていくんだ…っっ!!!
そういう意気込みで
俺はいつも通り、
妻と娘に挨拶してから
会社に向かったのだった…
第88話へ続く…
読者の皆様、こんにちは(^^)
ファイアーマンの世界へようこそ…❗
この世界では(この小説では)
手に汗握る激しく
熱い男達の闘いの数々をお送りします✨
いつも「ファイアーマン」を
読んで頂き、
そして、楽しみに更新を
待って頂いてありがとうございます!
次回は、幸せな家庭が突如一変し
あの22年前の悲劇が源五郎を襲う…❗
ついにサムライキングから見た
22年前の悲劇が今…明かされる…
皆様、次回のファイアーマンも
ぜひ見てくださいね(ノ´∀`*)
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