第七話
引きこもります。宣言を自分にしてからすぐに寝室で寝ました。
だって、いい加減キャパオーバーで死にそう。
寝室のベッドは、ふかふかでとても寝心地が良かったです。
「あー、起きたくない」
寝心地の良いベッドで微睡みながら小さく息を吐き出す。
時計が小さく音を立てて急かすような感じがないのは、久々だ。
朝は、嫌いだけど外に出た瞬間だけは好きだった。
ぐだぐたしながらゆっくり起き上がる。
月白色の髪がさらりと落ちる。
カーテンから漏れた光にあたってきらきらしている。
でも、これは....私の色じゃない。
憧れで作ったゲームのアバターの色だ。
洗面台に立てば嫌でも現実を見てしまう。
鏡に写る真っ白い人形のような少女。
月白の髪、白磁の肌、長く白い睫毛、黒檀の瞳、薄桜の唇。
感情のない瞳が自分を見詰めているのが嫌になる。
だけど、これが今の自分なんだと思うとため息がでる。
綺麗とか可愛いよりも不気味だと思った。
生きているのか死んでいるのかわからない。
気味の悪い容姿に見えてぞっとした。
身支度をすませて一階に降りると朝食をとる。
パンを焼いて卵とハムを乗せただけのものだが美味しい。
味覚も視覚も触覚も正常のようだ。
あぁ、生きてるわ。と納得する。
いつ、帰れるかわからないが頑張って行こうと思う。
まぁ、思うだけだけど。