序章
ゲーム。それは娯楽的な行為であり、多くの人を魅了し楽しませる。しかし時折、それは残酷な一面も見せる。
高校在学中、濱田陸斗は、毎日のようにゲームに明け暮れていた。この高校生活の一年間陸斗が学校に行った回数は指で数えられるほどであった。
陸斗が通っている星野が丘高等学校は偏差値は特別良いというわけでもなく、また極めて悪いというわけでもなかった。特色を上げるとするならば、教科書がないということだ。ないと言っても、教科書自体が存在しないというわけではなく、冊子になっておらず全て学校で配られるタブレット端末に入っているのだ。
陸斗が学校に通わなくなったのは入学してから間もない頃だった。
入学前SNS上で知り合った星野が丘高等学校の新入生たちとSNSでグループを作った。その時に陸斗は、まだ顔も見たことない同級生にSNS上で口論を交わしてしまったのだ。
そして入学当日、インターネット上では強気でも現実世界では少しひ弱な陸斗は案の定、イジメられたのだった。
そうして陸斗は学校に通わなくなったのだ。いわゆる、不登校というものだ。
そして、陸斗は家に閉じこもり、毎日ゲーム三昧の日々を送っていたのであった。
しかし、学校に行かないからといってなにか面白いことがあるわけでもなく、ただただつまらない毎日が終わるのを待ち続けていた。