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プロローグ
人が歴史を綴りだす、その遥か昔――。
突如として無数の光が混沌の大地へ突き刺さった。
吹き荒れる突風、空には雷が暴れ、大粒の雨が地面を殴る。
木々はなぎ倒され、獣は逃げ惑い、人は恐怖におののき、そして八百万の神々は鋭い眼差しで光を見つめた。
暴乱の時はやがて終わりを迎え、光が消えると、そこには異質の存在が残された。
大地の西側には幾多の新しい神々ともいえる存在が降り立ち、東側には異形の魔物達が咆哮を上げていた。
一時の混乱に陥っていたそれらはしかし、徐々にこの大地を席巻し、そして数百年が経過した――。