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逝きたい人・へ  作者:
6/11

第六部

雨ハ涙ノヨウニ雷ハ怒リノヨウニトチ狂ッタ空ヲニラム

「…かず…まさ?」

「どこ行くの…?」

『ちょっと用事』

『すぐ終わるけぇ…待っててゃ』

「…バイクで行くの?」

『ぁあ…』

「…気をつけてね」

『大丈夫ゃがょ』

「…行ってらっしゃい…」

和将は急に立ち上がり

わたしの方に歩いて来た。

香織は…オレのこと好きか?

ぅん…、と答えると和将はため息まじりに困ったような顔をした

わたしは和将にとって邪魔になってるのかな…

和将は用事を済ます為出ていってしまった。

その時気づいた…

わたし和将のことに深入りし過ぎた…

きっと嫌になったに違いない。

一度そう思うと、妙に確信めいたことに思えて来て…

ここに居るわたしがみじめに感じた…

バイバイ、ギンジロ…

荷物をまとめ、外に出ると大粒の雨が絶え間なく降り続き…広島から出て行けと急かされている気さえした…

バスの中では何も考えることが出来なかった。

眠ることもなくただ流れる景色を見ていた。

家に着き、荷物を降ろす。

降り続く雨を見て、ようやく涙が出てきた。

広島もまだ雨は降ってるのかな…

そんなことを考えながら和将からきたメールを見ていた

あまり絵文字を使わない和将の飾らない文章

たまにハートが付いているとたまらなく嬉しかったなぁ

などと考えながら和将へとメールを打ち出した。

“今までうちみたいなガキに付き合わせてごめんね 大志さんのことでも慰めたり出来なくてごめんなさい わたしには和将を幸せにしてあげれません 元気でね”

送信しました

携帯の画面が待ち受けに戻り約3秒後

(プップーーッ!)

夜中の一時。

車のクラクションが鳴り響く。

いつまでも鳴り続けるので窓をすかし覗いて見ると…

黒いボックスカーがわたしの家の前に…

「!!?っ」

由実さん…と…かける…ビックリして窓を全開に開けてしまった。

後悔してももう遅い。

ポストに鍵を入れっぱなし…と言う話しをかけるにした覚えがある…

部屋の位置を認識されてしまった。

足音が近づいて来る

(バタン)

(ガバッ)

(ドサッ)

「由美さ…」

〈ばか!!なんで急におらんなるん?〉

〈みんな探したんよ?!〉

〈心配したやない…〉

「ぁ…」

【由実姉が一番心配しててんぞ?】

「ごめ…なさい」

〈和将がなんかしたん?〉

〈あんボケナスうちのかおりになんしたん!?〉

【あんたのやないやろ…】

〈………〉

【ごめんなさい】

「あの…」

「わたしが勝手に出て行っただけで…」

「和将は何も…」

【あんな…和将今警察んとこおんねゃ】

「は?」

〈あのバカファミレスの中で三人に重傷おわしてんょ〉

「なんで…」

「もしかして大志さんの…?」

〈そぉ…〉

【警察がパクリ来るまで殴りよったらしいんや…】

〈お願い!!かおりちゃん…帰ろう?〉

【ここがかおりの家なんじゃ…】

〈やかましがね…〉

【すみません…】

「でも…」

「うちなんかが行っても…それに…由実さん…大志さんのことは…?」

〈過ぎたバカのことより今はあんたのことょ!!〉

〈心配かけて…〉

「ごめんなさい…わたしなんかで役に立つんだったら…行きます」おい…学校は?】

「休みます」

〈1日くらい変わらんてっ〉

【おぃ…】

メールを送ってしまった後なので…和将になんと説明しようかと考えながら車の中で由実さんにもらったおにぎりを食べる

煙草の煙が充満している車の中、外が見えず、今どの辺りを走っているのかさえわからない…高速に入ったことはわかった。

スピード出し過ぎ…由実さん急かし過ぎ…今何キロ出てるの!?

ブレーキがあまり使われている気がしない…

二度とかけるの車には乗らねえ…気持ち悪くなってもうろうとする頭の中そう誓った…

バスの半分以下の時間で広島に着く

和将は朝には帰って来るらしい…早すぎくないか…?

和将の家に入るとギンジロがかけ寄ってきた。

しおらしくわたしを見上げる様が可愛かった。

抱き上げ、頭を撫でる

由実さん達の方を振り返るとけげんな顔でこっちを見ている。

ギンジロが和将以外の人間に抱かれてる…

珍しいことらしく、和将の犬だ。と確信づけるものになったそうだ。

寝室の扉を開ける。

…携帯が…和将の携帯が置いてある!!…開いてみると…

新着メール一件

早速消した。

助かった。

安堵の息が漏れる。

後は帰って来た和将に謝ろう。

お腹が減っているであろう彼の為にご飯を作ろうと思い、キッチンへと向かった。

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