第四部
薄暗ク肌寒イ夜
大勢の仲間が集まるこの日を集会、または会合と呼ぶらしい。
そこに彼女達は居た
濃い化粧
濃い性格
薄い眉毛
レディース…?
逃げたい…
頭の中はただそれだけだった…
和将が大志さんに呼ばれ向かった
約五分後。
わたしはそんなお姉さん達に囲まれていた。
若い。可愛らしい。面白い。
と言っては頭を撫でくり回し、髪の毛をいじくり、化粧をしてみたいと頼みこんで来る。
悪い人達でないのはわかる
だが…いかつい姉さん達6人に囲まれては…笑うに笑えない
その中でもリーダー核の由実さんは、かなりの美人だと思う
彼女は、5人の姉さん達の勢い余った行為を止めてくれた
わたしの頭を撫でながら、自己紹介と自分達がいる理由を教えてくれた。
どうやら彼女はチームの中に彼氏がいるらしく、顔を合わすうちに仲良しになったとかなんとか…
和将の…一応?彼女のわたしが気になっていたと言う。
…もしわたしがチャラそうな女だったらシメ上げられていたそうな。
怖いって…
しかも…由実さんは…あの大志さんの彼女…なぜか大志さんの方に嫉妬感を覚える…
こんな美人を…
話をしているうちに一番年下のわたしに優しく話しかけてくれる彼女達を好きになった
特に由実さん!!
すべてが完璧に見える…特にEカップの乳が…わぁ…でかぃ…
番号をすごい勢いで6人と番号を交換し、姉貴分が一気に出来た
嬉しかった。受け入れてくれたことも、対等に話かけてくれることも
全部和将が誰かと一緒に帰ってきた…
…
…
…
……!?!!?
大志さん!!
〔この子が香織ちゃん?〕
『そっ』
〔…犯罪にならんか…?〕
『ばっ!!』
『そんなことねぇがょ!!』
〔冗談ゃってっ〕
『シバくぜょ』
(バシッ)
〔痛っ!!〕
〔こんボケッ〕
(ゴッ)
〔お前のは痛いんじゃけん手加減せぇゆうとるゃろが!〕
『じゃかぁしやこんダボ!』
「…ぁ…の?」
〔あ、ごめんなぁ!〕
〔こんボケナスから聞いた思うけど、オレ一応頭じゃけん〕
〔大志っつぅんゃ!よろしくぅなぁ!〕
「はぁ…」
『相手にせんでかまんがょ』
『コイツただのダボゃが』
〔なんゃて?〕
〈なんゃ!大志なんでこなぃなとこおんの?〉
〔由実…彼氏に冷たくないか…?〕
〈うちの存在見えてなかったくせにぃ〉〈なんゃったら和将のアホタレと付き合ぅたらぁ?〉
〈うちは香織と付き合ぅわっ〉
〔だってよ?〕
『由実ちんかんべんしちくりゃあ』
『こなぃなアホおれの手ぇには追えんがよっ』
〔こっちが願い下げじゃあ!!〕
〈…うちらも大変ゃな…〉
「…そっすね…」
男2人が楽しそうにじゃれている姿は可愛い
その日、わたしは姉さん達に飲みに連れ出された。
かなりのハイテンションに拍車がかかり大騒ぎになった。
疲れ果てて和将の元まで帰ると、和将の様子がおかしかった
何かあったのかと聞くと、ため息混じりにゆっくり話し始めた
…チームの仲間の中に薬をしている人間がいるらしい
名前が上がり次第
破門…切り捨てなければならないと辛そうに語る和将が顔を上げなくなった。
冷蔵庫からビールを取り出すと流し込む様に飲み始めた
煙草を深く吸うと、ため息のように煙を吐き出す
切なくなって、わたしは和将の頭を撫でた
辛そうな顔が少し和らぎ、はにかんだような表情に変わった
心臓が跳ね飛んだ
顔が熱い…
『なん?』
「え?」
『酒のんだんか?』
「ぅ…うん」
『顔赤いでっ』
(ぴたっ)
「!!っっ」
『ほっぺた熱っ』
「手ぇ冷た…」
『うりゃ』
(ぺちっ)
「ひゃい!!」
『はははっ』
『疲れたやろ?もう寝なぃや』
「…ぅん」




