表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逝きたい人・へ  作者:
3/11

第三部

私が気がつくと、綺麗な寝室のベッドに寝かされていた

殺風景だけど高価そうな家具が並んでいる。

和将とかけるは、わたしが仲間?と訪ねると、バツの悪そうな顔でゆっくり話し始めた

どうやら彼らは広島の暴走族らしい

規模の大きなチームらしく沢山仲間がいると言っていた

そして…かずまさは副頭…NO.2にあたる人物らしい

引いた…?と聞かれ、わたしは少し考えた

和将は好き…何をしてても和将は和将かな…

あまり深く考えないわたしはその結論に異議は無く、正直に言ってくれたことにお礼を言った

和将は微笑み、わたしの頭を撫でてくれた

わたし…和将の手…大好き…

もっと好きになれそうな気がした。

ただ、かけるはカズを見ながらニヤニヤしている

和将はそれに気づき、(ゴッ)っと頭突きをかました

それからは三人でご飯を食べ、和将らの用事にわたしもついて行くことになる

未知の世界の扉を開けるほんの始まりに過ぎないことだった

「耳が痛い…」

『ぁー?』

「耳痛い!!」

『ははっ!』

『そのうち慣れらゃ』

「その前に中耳炎で死ぬ」

(ぼすっ)

『かぶっとけゃ』

「前見えない…」

『高いんゃから汚すなゃあ?』

「かけるに売る」

『いくらで?』

『俺のプレミア付きゃど?』

「…千円?」

『ひこずりまわすか』

「大切にかぶります」

『おし』

そんな会話が楽しくて周りの騒音…

もとい…バイク、車の音が気にならなくなってきた。帽子のおかげ…?

怖い…本当に怖い…トイレに行った帰り、いかつい兄ゃんが喧嘩している所に出くわした。

《なんゃこら!!》

《ぁあ?!》

一人がすごい喧騒で叫んでいる

その相手はものすごくゴツい…おじ…?ぃゃ…お兄さん。

何も言い返さなぃ…何でだろ

トイレの割れた小窓から見ているわたしは、早く終わるのを願ってただ見ている…。

大きな音がした

しばらくしてそっと覗いてみると…

大声で叫んでいた兄ゃんがうずくまっている。

その時

…大きな人と目が合った…

殺される?

死ぬ!!

しゃがみ込むわたしに気づいた大男は…《もう大丈夫じゃけ出て来てかまんょ》

それだけ言うと、足音が遠のいていった…

急いで和将の所にもどると、遅いと怒られた

言い返す暇もなく大きな声がした

〔ヤマザキ!!出てこいや!!〕

《はい》

〔表でころがっとるアレはなんじゃぁ〕

《目つきが気にいらないと言われまして》

〔それで手え出したんか〕

《いえ、これを持ってました》

〔…シャブか〕

《胸ポケットに入っていました》

〔ちっ…クソガキが…〕

〔詳しい事は後で聞くけぇ、すまんかったな〕

《はい》

《失礼します》

静まり返った海岸ばたの倉庫の中は、声が良く響いた。

わたしは和将にあの人ら誰?と聞くと

でかい方が山崎たかまさ、仲間の一人らしい。

そしてこの騒がしい場を一瞬でおさめた彼は…

加賀城大志、このチームのリーダーでNo.1だと教えてくれた

物腰やわらかそうなお兄さんだった…

短めで揃えられた綺麗な黒髪

黒いシャツに大きめのGパン

顔は…かなりいいと思う。

さわやか系の面構えで、…口の悪さがなかったら…と思うと少しへこむ自分がいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ