表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い鈴は、戻らない朝を選ぶ (サブ:サマルカンド時間縫いの恋)  作者: 百花繚乱


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/12

第七章 同行者は二度、笑う

第七章 同行者は二度、笑う


井戸の近くで、襲撃が起きた。

影が走る。短剣が光る。

隊商が叫ぶ。

わたしの喉が凍る。


火が落ち着いたあと、闇の向こうから声がした。

現代の、あの整いすぎた声。


「紗良さん。やっと会えた」


サイードが闇から現れた。

服はこの時代のものに変わっているのに、笑い方だけが現代のままだ。


「どうして……」

「君が落ちた瞬間、僕も“つながった”。鈴はね、喪失を餌にするんだよ」

彼は笑う。

その笑いが一度目。

そして続けて言った。


「弟を救いたいんだろ?」

それが二度目の笑い。

人の痛みを“鍵”として扱う笑い。


ラシードが低く言う。

「紗良、あいつの言葉を見るな。言葉は鈴より強い」

わたしは目を逸らした。

けれど耳が聞いてしまう。


「井戸の底に写本がある。欠けた一行を戻せば未来は救える。でもね、同時に——君は戻れる」

サイードは囁く。

「鈴を鳴らせば、弟に会える」


甘い。

砂糖菓子の匂いより甘い。

息を吸うだけで、喉がその甘さで満ちる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ