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シーン5:章の終端 ― 停滞の固定
放課後の教室は、夕陽に染まった木枠の窓が淡く輝き、静かな空気に包まれていた。主人公は机に向かい、今日も変わらず正しい行動を選択する。感情を揺さぶられることはなく、微笑む必要も、憤る必要もない。ただ、礼儀正しく、理知的に、予定通りの振る舞いを維持するだけだった。
王子もまた、形式通りの応答を続ける。側近も友人も、日常の秩序に特段の違和感を抱かず、問題がないことを確認するだけ。
物語は動かない。だが、崩れもしない。
恋愛の火花も、誤解の波も、衝突も、どれ一つとして生じない。それでも世界は静かに回り、時間は淡々と積み重なる。




