香りのマイノリティー
突然ですが、皆さまは香り、好きですか?
どんな香りが好きですか?
わたくしは香り、大好きです。
わたくしの子どもの頃は香り付きの文房具が溢れていたように思います。
主には消しゴムと、ボールペンなどの筆記具でしょうか。
消しゴムは香りの有り無しに関わらず収集していました。百個近く持っていたと思います。その中でも、食べ物の香りと形まで再現した物は特にお気に入りでしたね。ロールケーキやショートケーキ、合体してホールケーキになる物。見ているだけで満たされた気分になり、専用の箱から出しては並べ替えたりして遊んでいました。
ボールペンは色から連想される花の香りが付いていましたよね。オレンジのキンモクセイ、紫のスミレ、変わったところでは、黒がクロユリなんていう物もありました。消しゴムに比べて香りが強かった印象があります。
でも、こう言っては失礼ですが、総じて再現度は低かったように思います。まあ、子供向けの文房具ですからね。それで充分だとは思いますが。
本日のテーマは香りのマイノリティー、つまり少数派でしたね。
毎回前置きが長くなり、本題を忘れてしまいます。すみません。
わたくしの好きな香りの系統はズバリ、美味しい香り、です。
またまた、どういうこと?でしょうか。
簡単に説明するなら、フローラル系オンリーではなく、柑橘系よりも甘く、バニラほどは甘くない香り、でしょうか。非常にわかりにくいですね。全然簡単に説明できていないです。
たった今、理解しました。
このように説明するのが難しい香りが好きだから少数派なのですね。
少数派の悩みは、好きな香りの商品がすぐに世の中から消えて無くなってしまう、ということです。お気に入りの香りだったのに消えていった、芳香剤、柔軟剤たちのなんと多いことか。
幸いわたくしはドラッグストア勤務ですので、自店で取り扱いのある商品であれば、店頭から無くなる前に安価で買い占めできることもあります。それでも使い切ってしまえばもう手に入れることはできないわけで。悲しすぎます。
とりわけ柔軟剤は自身の身に着ける物への香り付けです。何度も変わるのは気持ちが悪い。
というわけで、世の中から無くなりそうになく、大変好みの香りの商品を五年ほど前に見つけ、現在はその香りで落ち着いています。娘も友達にいい香りがすると褒められると言っています。
実に美味しそうで良い香りなのですよ。
ここまで書くと、香水は付けないのか、と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれませんね。
はい、日中は付けません。
なぜなら、現在使っている柔軟剤、結構香りが強めです。かつて一世風靡したダウニーほどではありませんが。
わたくし、レジのおばちゃんですからね。不特定多数の方に香りの暴力を振るうわけにはまいりません。
でも香水は好きです。
なので、就寝前に少量付けてベッドに入ります。幸せな気分で眠れますし、翌朝もほんのり香ります。たとえ寝間着を着ていても、マリリンモンローの気分を味わえます。たぶん。
コスメ売り場のスタッフさんにこの話をしましたら、ステキですねと褒めていただきました。紳士淑女の皆さま、おすすめです。
ドラッグストア勤務をしていると感じるのが、ここ数年で、季節限定の香りの〇〇、という商品が増えたなということです。
芳香剤やヘアケア商品、果ては家庭用洗剤まであります。
今の季節はキンモクセイです。
そこでわたくし言いたいのですが、このキンモクセイ商品たち。
香り、強烈すぎません?
わたくしは昔から、それこそ子ども時代のボールペンからあまり得意な香りではなく、トイレの芳香剤の代名詞だと思っていました。
ですが、高校の修学旅行で京都の嵐山に行った時でした。
木の下のベンチで何気なく抹茶アイスを食べていると、キンモクセイの香りが漂ってきたのです。
わたくし、キンモクセイの香りのする何か、持っていたかしら?
そう思いながらふと上を見上げると、オレンジ色の花が咲いておりました。絵で見たことのあるキンモクセイ!
本当にあの香りがするんだ、と妙に興奮しました。
再現度高けーなオイ!
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲ですね。ではなくて。
北の大地にはキンモクセイ、自生していないのですよ。
思わず銀魂ネタを突っ込んでしまいましたが、キンモクセイで思い出されるお話でした。