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トンボとおばちゃん

今回はムシのお話となっております。わたくしといたしましては非常に残念ですが、苦手な方はお読みにならないほうがよろしいかと存じます。

 秋も深まってまいりました。

 わたくしが住んでいるのは北の大地の都市ですが、いよいよ今週からは最高気温が二十度を割り始め、昨日の最低気温は十度を下回りました。秋本番といった感じでございます。


 秋のムシといえば、トンボですよね。


 わたくしは高校一年生まで、三方を山に囲まれた住宅街に住んでおりました。ゆえに、ムシが怖いなんて言っていられません。アリ、クモ、バッタ。ほかにも様々なムシたちと共に過ごしておりました。未だにだいたいのムシは平気です。


 ただ、ガとチョウ。特にガだけは絶対に無理です。


 あれはわたくしが小学校二年生の夏。母と弟と三人で大叔母の家に泊まりに行っていたのですが、その夜は大きなお祭りの花火大会がありました。花火を見ようと学校のグラウンドのような場所に行ったのですが、そこでわたくしの顔面に大きなガが張り付いたのでございます。ギャーーー!泣き叫ぶわたくしの顔面にソイツが留まっていたのはほんの数秒でしょう。ですが、羽ばたきと共にまき散らされた鱗粉の感触。今でも鮮明に覚えています。

 ゆえに、ガ、同類のチョウ。こちらの二種類だけは断固拒否します。


 ちなみにGは?と疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、北の大地にGは生息しておりません。なので、わかりません、としかお答えできません。あしからず。


 すみません、大脱線してしましました。トンボのお話でしたね。

 わたくし、大変トンボに好かれます。


 いちばん驚いた経験は、トンボの羽がわたくしの眼球をかすめたことでございます。

 どういうこと?と思われますよね。

 なんとか文章で説明いたしますが、大変わかりにくいと思います。あなた様も理解しようと頑張ってくださいませ。はい、他人任せでございます。


 その朝、わたくしは出勤のためマンションの扉を開け外に出ました。刹那、わたくしの右側からちょうど飛んできたトンボ様の羽がですね、避けきれなかったのでしょう、すーっと、まるで紙で指を切るように、紙がトンボ様の羽、指がわたくしの眼球です、そんな感じでかすめて左側に去って行かれました。


 え?目玉切れてない?


 わたくし少々焦りました。痛くはなかったのですが、感触は残っています。念のため持っていた手鏡で確認しましたが、幸い特にどうにもなってはいませんでした。めでたしめでたし。

 ウソみたいなホントの話でございます。


 あとは、まるでブローチのように洋服の胸元や帽子にトンボが止まる、なんていうことは日常茶飯事です。

 折り畳み式のガラケー時代には、わたくしが歩いている時に画面の端にトンボ様が止まってなかなか飛び立たない、なんてこともありました。


 トンボが止まる、の漢字を検索しようとしたら、トンボが止まる人、というのが候補に出てきました。止まるのは勝負運上昇、逃げないのは目標達成、だとか。

 あの時そんなことがあったでしょうか。ちょっと思い出せませんね。

 今度止まったら意識してみたいと思います。


 ところで、現在わたくしが住んでいるところには、少し遠くに大きめの池のようなものがあります。その恩恵でしょうか。越してきた約二十年前は、稀にではありますがギンヤンマが近所を飛んでいました。ですが、二、三年後にはまったく見かけなくなってしまい、寂しい限りでございます。

 久しぶりに大きなトンボ様に会いたいと思う、秋の夕暮れでございました。


 わたくし、自分用の草稿には最後に日付を入れるのですが、公開予定日が十月十日ではないですか。旧体育の日。晴れの特異日。どちらかにまつわるお話にすればよかったですね。よりにもよってムシのお話とは。


 でももう手遅れなので、来年のネタにしたいと思います。


 震えて待て!


 一度言ってみたかっただけでございます。失礼いたしました。


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