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我が家の洗濯機事情

 皆さまのお家の洗濯機は縦型、ドラム式のどちらですか?


 我が家の洗濯機は縦型です。

 洗面所の面積的にドラム式だとギリギリになってしまうということもありますが、なんといってもお値段の違いからです。

 ドラム式洗濯機は二十万円以上しますよね。いつから洗濯機はこんなに高価な家電になってしまったのでしょう。

 冷蔵庫も高価ですが、洗濯機に比べると寿命が長いと思いますのでそこまで抵抗を感じないのはわたくしだけでしょうか。


 我が家はなぜか、洗濯機との相性が良くありません。

 現在の家に越して来て今年で十九年目ですが、洗濯機はすでに三台目です。


 一台目は六、七年使っていたのですが、洗濯槽がカビだらけになったので買い替えました。これには明確な理由があります。

 夫がアトピー性皮膚炎のため粉石けんを使っていたのです。ただでさえ溶け残りの多い粉石けんに塗り薬の油分が加わり、夫の下着はいつもずっしりとした重さを感じるほどでした。

 これが洗濯槽にもこびり付いたのが原因でした。そんなこととはつゆしらず、洗濯機のメンテナンスもろくにしなかった結果、カビだらけになってしまったのです。

 洗濯機売り場の店員さんには設置場所も確認されました。我が家の洗面所には窓があり、洗濯機はその真下に置いています。湿気がこもるとは考えにくいので、槽乾燥をしっかりするように言われました。「強力な洗濯槽クリーナーを使えば綺麗になる」と言われましたが、わたくしは我慢の限界でした。


 そこで二台目は、洗濯槽を乾燥させるために乾燥機能付きの縦型を買いました。

 夫のアトピーも軽くなっていたので、洗剤も粉石けんはやめて合成洗剤にしました。夫の下着が軽くなりました。ほぼ毎日、洗濯終了後には槽乾燥しました。洗濯槽の洗浄も毎月行いまた。

 それなのに。

 保証期間終了のほぼ一か月後のある日、洗いからすすぎに移行するとき、ピタリと洗濯機が動かなくなりました。脱水してくれないのです。ビチャビチャの洗濯物をバケツに移し、車で十分ほどのわたくしの実家に洗濯機を借りに行きました。

 なんとも忠実に耐用年数ピッタリでの寿命でした。


 そして現在使っている洗濯機です。

 先代の洗濯機の故障が急でしたので、すぐに手配できるものの中から選びました。やはり乾燥機能付きの縦型です。それでも二十万円近いお値段でした。タイミング的に旧品の在庫がなく、最新機種だったためです。

 それなのに現在の洗濯機、四回も修理しています。もう修理の方とは顔馴染みです。昨年は四年目にして一度買い替えの覚悟もするほどでしたが、最近は機嫌良く仕事をしてくれています。せめて耐用年数分は頑張ってほしいです。


 ところで、北海道では洗濯物は基本的に部屋干しです。

 冬は雪が降りますし、雪が降らない地域でも室内はほぼ二十四時間暖房が入っていて乾燥しているかららしいです。

 わたくしは生まれも育ちも北海道ですのでおかしいと思ったことはなかったのですが、本州の方々からすると信じられないようですね。


 それでも夏場は外に干す家も多いですが、わたくしは年中部屋干しです。

 理由はムシのトラウマです。


 子どもの頃は自然いっぱいの土地に住んでいましたから、あらゆるムシが洗濯物に付くのは当然です。

 でも母は外にシーツなどの大物を干したとき、よく叫び声をあげていました。叫ぶくらいなら干さなければ良いのです。


 現在住んでいる家は、数年に一度、セミが大量発生します。

 死体恐怖症(仮)のわたくしにとって、大きなセミの死骸は恐怖そのものです。火バサミでなんとかつまみ、外に投げ捨てます。お隣との距離は結構近いので、きちんと考えて捨てなければいけません。

 一度だけ何も考えずに投げたところ、地面ではない場所に落ちた音が聞こえました。お隣のウッドデッキに投げ入れてしまったのです。ですが、お隣の外壁はモルタルで、我が家の外壁はガルバリウム鋼板です。止まれるのはお隣の壁なので不自然なことはありません、と言い訳をしつつ、何度もごめんなさいと心の中で言いました。


 それでも大きな洗濯物は夏場に数回干していました。

 三年前、事件は起こりました。

 その日は天気が良く、風もほとんどありませんでした。娘の冬用の敷パッドを洗濯し、五時間ほど干していたでしょうか。取り込もうとしたとき、鮮やかな緑色のツブツブが目に入りました。なんだろう?と疑問に思い指で払いましたが取れません。仕方がないのでティッシュでつまみ、なんとか取り除きました。

 あとから調べてみたところ……、カメムシの卵でした。ぎゃーーー、触っちゃったよ!


 このとき、二度とベランダに洗濯物は干さないと心に決めました。

 本当に昨年も今年も干していません。ベランダに通じるドアすら、わたくしは開けておりません。

 死骸があったらどうするんだって?

 そんなこと、わたくしが知ったことではありません。見えなければいいのです。鳥が食べるでしょう。食べませんか。とにかく、知りませんよ、わたくしは。


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