不思議な話 神社にて
昨日は二日でしたのでドラッグストアには休みをもらい、毎月恒例の近所の神社への二日詣りに行って参りました。
何度も訪れているのに神社についてほぼ何も知らない状態だったので、行く前に祀っている神様などについて少し調べてみました。すると、境内の樹木が保存林として指定されいるそうで。たしかに敷地面積に対して樹木の数が多く、大きな道路沿いにあるわりに森林浴ができるほどです。
実はわたくし、この神社の道路を挟んで向かい側にある賃貸マンションに二十代前半の頃、一年ほど住んでいたことがあるのです。両親が新築マンションを購入した際、それまで住んでいた家を先に売ったので、マンションが完成するまでのつなぎの住まいでした。
最寄り駅から真っ直ぐ道なりに七分ほど歩いた場所にあるマンションで、最後の信号のすぐ手前が神社でした。
その頃のわたくしは若気の至りと言いますか、色々と分別のない行動をとっておりました。
先にも書いたとおり大きな道路沿いなのですが、大学が近くにあるせいか、簡単に言うとナンパ通りなのですね。よって女性とわかる格好をして歩いていると昼夜問わず、車がすすーっと近寄ってくるわけです。
はい、何度か付いて行きました。わたくし少々特殊能力がありまして危険な目に遭ったことはないのですが、皆さまは付いて行ってはいけませんよ。
そんなある日の会社からの帰り道、薄暗くなった神社に続く階段の前に小学校三、四年生と思われる男の子が立っていました。
普段その場所に子どもが居たことなど一度もなかったので、少し不自然だなと思ってその子を見ました。するとその子はわたくしを見て、「ちょっと来て。」と言って手招きしました。子どもだったからでしょうか、警戒心もなく、わたくしは素直にその子に付いて階段を上りました。そのとき初めて神社の階段を上って境内を見たのですが、改装前のその場所は今よりもずっと鬱蒼と木々が茂っており不気味な雰囲気でした。
そして階段を上った右側には、わたくしを手招きした男の子よりももう少し大きい、五、六年生に見える男の子が立ってこちらを見ていました。連れて来た男の子はさらに奥にわたくしを招きましたが、途端に「襲われる」と怖くなり、急いで階段を駆け下りました。
男の子たちは追っては来ませんでしたが、わたくしはそのまま走って家に帰りました。
その後は引っ越すまでの間、一度も男の子たちに会ったことはありません。
時々思い出すことはありましたが、いったいどこの子どもだったのか、神社を訪れることもありませんでしたので確かめようもなく忘れていました。
再び思い出したのは今年に入り、一日詣りならぬ二日詣りをしようと思い立ったときです。
二月二日のお詣りの際に問いかけてはみましたが、未だ答えは返ってきておりません。
でももしかしたら、分別のないわたくしの行動に対する注意喚起だったのではないか、などと考える昨今でございます。
皆さまは若気の至り、ございますか?