セルフプロデュースは適切に
久しぶりにわたくしの推しの話を少ししたいと思います。
彼は非常にセルフプロデュースに長けています。
わたくしは彼を知ってからの日が非常に浅いので、多くを知っているわけではないことを先に言い訳させていただきました上で、ですが。
わたくしはこのエッセイのタイトルどおり、最初に彼の歌声に堕ちました。
彼は、とにかく自分の歌声の魅力を理解しています。
そのうえで、どんな歌が自分に合っているのか、どんな歌い方をすれば良いのかを寸分違わず完璧にキメてきます。
ですから、同じ歌を歌っている人がたくさんいる中でも彼の独自性が抜きん出るのです。
おまけに歌い方が非常に蠱惑的です。エッチです。
同性をも惑わせております。
でも配信している時の彼は別人のようです。
テンション高く面白いことを言う騒がしいお兄ちゃんです。
得意なジャンルのゲームではストイックでカッコイイ面も見せてくれますが、そういうギャップがまた多くの人を惹きつけるのでしょうね。
わたくしも、セルフプロデュースって非常に大切だと思います
わたくし、外見のせいで二十歳くらいまで多くの方にかなりナメられていました。
具体的には、身長が低くて、痩せていて、色白で、化粧をあまりしていない若い女、です。
こんな女は大人しくしているととにかくナメられます。
大人しくしていると、というところがポイントで、わたくしは口を開けばヤバイ奴だとすぐにわからせて差し上げられるのですが。
たとえば、入社したての頃は同期、先輩問わず、男性にとにかく誘われました。
「チョロそうだからイケんじゃね?」って感じでしょうか。
女性の同期や先輩には処女だと思われたのでしょうね。やたらマウントを取られました。興味がないし下品なので放置していましたが。
中心部の百貨店に行けば、店員が相手にしてくれません。
「こんなお子ちゃま買うわけないでしょ」って感じでしょうか。
高級そうなお店であるほど店員のプライドも高いのか、その傾向が強かったように思います。少し郊外のお店の店員さんはもう少し親切丁寧に接してくれましたから。
自分で言うのはお恥ずかしいのですが、わたくし、洋服のセンスには多少自信があります。
母が非常にお洒落好きでして、幼い頃のわたくしは周囲から少し浮くような、あまり子どもらしくない格好をしていました。小学校に上がると体育の授業もあるので(北海道の小学校には体操着が存在しません)靴を運動靴にするように先生に注意されまして、だんだん周囲との差はなくなりましたが。
同期のアパレルショップでアルバイト経験のある方にも、洋服のセンスは褒めていただいていました。
ですので、足りないのは完全にメイクだったのだと思います。それまではファンデーションと口紅を塗っているだけでしたので。
そこでわたくしは、一からメイクを勉強しようと思い立ちました。
いくつかの化粧品店で相談しても軽くあしらわれ諦めかけましたが、とある親切な美容部員さんが基礎から丁寧に教えてくださいました。とても感謝しているのでメーカー名を公表させていただきますと、資生堂さんです。さすが、天下の国産ブランドは違いますよね。わたくし今でも資生堂さんが大好きで、ほぼ一筋です。
そうして顔を変えるとですね、服装はそんなに変えていないのに、周囲の人間の態度がガラリと変わりました。
おかしな男性はほぼ近寄ってこなくなりましたし、女性にマウントを取られることも少なくなりましたし、中心部の高級なお店の店員さんも少しは相手にしてくれるようになりました。お店がいちばん時間がかかりましたが、その時のわたくしの購買欲の高低も関係していたのかもしれません。
そうしてナメられることはほぼなくなったのですが、男性には恋愛対象として見てもらえなくなってしまいました。
わたくしの性格が潔すぎて異性として見てもらえないというのもありますが、仲の良かった男性同期曰く「金がかかりそうな女」に見えたのだそうです。その頃のわたくしは光物が好きで、アクセサリーを身に着けすぎていたようです。全部自分で購入したものだったのですが。
成れの果ても久しぶりに聞きたいですか?セフレ、不倫、不倫です。
一応人並みに結婚できましたけれど。
皆さま、セルフプロデュースは大切ですが、何事もほどほどにいたしましょう。