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サイバーパンク2022-小説の中の噛ませ犬に転生したので、原作知識使って無双してみる-  作者: 東山ルイ
シーズン2 The Hitman 汚職警官をぶちのめせ!!

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”南無阿弥陀仏”

 一方、警察署内。


「ジャッジマンがやられた、だァ!?」


 アラビカは怒り心頭だった。最近MWF──最重要指名手配犯に指定された男を潰すべく、最善の手を打ったつもりが、それらがすべて失敗に終わったからだ。


「しょ、署長……」


 署員は震えるほかない。アラビカが本気で怒れば、彼らはたちまち災害に飲み込まれるからだ。伏して命乞いするしかない。そうしないと、災難が訪れてしまう。


「あのガキィ!! このおれをどこまでもコケにしやがる!! もう良い! おれが直接アイツを潰すまでだ!!」


 署長用の机を軽々放り投げたアラビカは、指をパキパキ鳴らす。

 その刹那、

 第3警察署は停電に襲われた。


「停電? ……そういうことか。わざわざ鴨が葱を背負ってやってきたみてェだな」


 先ほどまで怒りに支配されていたアラビカは、ここで冷静になる。

 そして、


「署長!! サーマルビジョンをつけた、カルエ・キャベンディッシュとその仲間だと思われる者が、次々とこちらへ向かってきています!!」


 部下からの伝達を訊き、彼は喜々とした表情で、外も暗く中も暗いというのに、怖気づくこともない。それを見た部下たちは、ある種の安堵感を覚える。


「どうせ非常用の電源も壊されてるんだろ? よろしい。カルエ・キャベンディッシュはおれが請け負う」


 アラビカはつかつかと、暗闇の中を開いていくかのごとくどこかへ向かっていく。


 *


「南無阿弥陀仏、って感じだね」

「貴方無神論者でしょ」

「彼らの中には仏教の信者もいるはずさ」


 カルエとルキアは、サーマルビジョンをつけ、最小弾数で敵の城を攻略していく。軽口を叩きながら、ゲームでもするかのごとく。


「さて、あらかた片付いたかな」

「あとは、署長室に向かうだけね──」


 刹那、ルキアの意思が危険を汲み取った。


「カルエ、やばいのが来る!!」

「よし。ルキア、もう下がってて。これ以上深入りすると、命落とすよ」

「ええ……」


 死体の山で足がぬかる中、ルキアは出口へ向かおうとした。

 そのとき、

 ルキアの胴体を炎の龍が貫こうとした。が、カルエが寸のところでそれに触れてかき消す。


「な、なにが……」


 カルエは拳銃をしまい、目の前の敵に対峙する。


「おお、はじめましてだな。カルエ・キャベンディッシュ」


 さえない見た目と薄毛。身長もカルエとさほど変わらない──180センチ程度で、この街では巨漢の部類には入らない。

 そんな第3警察署署長アラビカは、火で燃え盛る一本道にて、その表情を露わにする。


「ああ、はじめまして。アラビカ署長」

「オマエがトラマーとジャッジマンをやったのか。信じがたいな。だが世の中に必定はねェ。まあ、悪の進撃もここで終いだよ」

「はッ、汚職警官がなに抜かしてるんだ? アンタはもうこの街には不必要なんだよ。だから、おれが引導を渡しに来たのさ」

「引導を渡す、か……。そうだな」


 瞬間、大暴風が吹き荒れた。ペキペキッ!! とコンクリートの壁が剥がれ落ちていく。危険なエネルギーが、カルエの喉元まで迫った。


「そっくりそのまま返してやるよ。オマエら無法者はこの街に不必要だ。だから、おれが引導を渡してやる!!」


 轟音とともに、カルエはまともに攻撃をくらった。


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