ランクBカルエVSランクAAジャッジマン
「……行くぞ!!」
カルエは原作知識を持っている。なので、ジャッジマンが次になんの手を打つのかもある程度分かる。
ジャッジマンは磁力を操るギアを持っており、その応用で相手のギアをジャミングできるのだ。
であれば、カルエが勝つ方法も見えてくる。
カルエは改造してある両脚で、跳ねた。そして、ジャッジマンとの距離を遠ざける。ゲームのごとく3段ジャンプを決め、カルエはジャッジマンの能力が直接当たらない距離──80メートルほど離れ、そこから左手にエネルギーを溜め始めた。
「おい! 敵前逃亡か?」
「そんなわけないだろ? オマエ打ちのめさないと、先には進めないんだよ」
「だったら戻ってこいよ、ブラザー!」
「悪いけど、そのときにはアンタは死んでる!」
エネルギーが溜まった。カルエは一旦それをチャージしたままにしておき、ジャッジマンとの間合いを保つことに腐心する。
「おれの範囲に入らないで決めようってことか? 小賢しいな。だったらよぉ──」
刹那、カルエはエネルギー弾をジャッジマンに放った。ガードレールが破壊され彼方へ飛んでいく。直接触れたわけでもないのに、カリナが置かれている車すらも揺れる。
だが、ジャッジマンは砂鉄をバリアのごとく張り詰め、それを相殺した。
「だよな……! ランクAAがこれしきで倒されるわけない」
「ふん。この車、誰か乗ってるだろ?」
「だったらどうする?」
「粋がれるのもここまでだ、と宣言してやろうか?」
「ああ、してみろよ」
カルエは至って冷静だった。表情には、笑みすらこぼれていた。そんなカルエを怪訝に思ったのか、ジャッジマンは彼が乗り捨てた車を壊し、中にいる者諸共壊そうとした。
その瞬間、カルエはジャッジマンとの間合いを一気に狭めた。地面を蹴り、転げそうになるのも気にせず、電光石火のごとくジャッジマンとの距離を近づける。
「辞めておけよ、おれの砂鉄はヒトなんて簡単に切り裂くぜ──!!?」
カルエの改造されていた右拳が、ジャッジマンの腹部に直撃した。砂鉄は強制的に元の位置に戻されていた。
「ごはあッ!?」
「情けない声あげるなよ! オマエらは“正義”なんだろ?」
「このガキャ!!」
手痛い一撃をもらったジャッジマンは、カルエとの白兵戦に挑む。
「うぐ!!」
(この一撃で潰れないのかよ……。身体改造してないところ殴ってるんだぞ? 化け物め)
まともにジャッジマンの蹴りをくらったカルエは、目をチカチカさせながら、
(コイツはただの無効化じゃ敵わない……。元々のパワーがイカレてるからだ。だったら、もうやるしかない!!)
多少のイレギュラーはあったものの、噛ませ犬の押しキャラを勝たせるという目標へは一歩ずつ進んでいる。なら、こんなところでは終われない。
「どうしたァ!? もう終いか!?」
張り裂けたビニール袋みたいに宙を舞うカルエの足が掴まれ、頭から地面へ叩き落とされそうになる。
そんなとき、
「うぉおおお!?」
タイトル変えました。なろう系っぽいなこれ。




