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サイバーパンク2022-小説の中の噛ませ犬に転生したので、原作知識使って無双してみる-  作者: 東山ルイ
シーズン2 The Hitman 汚職警官をぶちのめせ!!

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無機物を自在に操作する力

 原作のカルエはよく仏頂面だった。なので、案外カリナの疑念とルキアの返事は的を射ているのかもしれない。


「いつもこんな顔してるわけじゃないさ。でも、いまは考えなきゃいけないことが多くてさ」

「たとえば?」

「壁の修復とかね」

「なーんだ。そんなことか~」


 カリナは壁だった瓦礫に触れた。そして、オーロラみたいな現象があらわになり、やがて時間を巻き戻したかのごとく、壁に空いた穴に瓦礫が埋め込まれていく。


「兄ちゃんの能力もすげえけど、あたいも負けちゃいないよ!」


 壁が完全に修復された頃、カリナは得意げな表情で腰に手を当てる。

 そんなカリナの頭を、カルエは撫でた。


「すごいね。さすが、おれの妹だ」

「でっしょ! あたいの能力は、『無機物を再生したり壊したりする』んだもん!」


 そんな光景を目の当たりにし、ルキアは口を開けるだけだった。


「無機物を再生? どうかしてるわね……。トラマーの外道はなにを考えてたのかしら」


 これだけの戦力を、トラマーはあっさりカルエたちに譲渡した。いくら彼の目的がアラビカ打倒であったとはいえ、悪用される危険性に気が付けないほど愚かでないはずだ。


「さあ。死人と通信できるわけじゃないから、分からないよ」

「まあ。そうね」


 結局、死人との連絡手段なんてない。それなら、口なしということでうまく収まる。


「さて、データは揃った。これで、誰と監獄ロックすれば良いのか分かる」


 ついでに、トラマーはアラビカの汚職の証拠を置いていった。それを分析すれば、カルエたちが次に行うべきことも自ずと見えてくる。


「そうね。データ分析なら私に任せて」

「ありがとう」

「あたいはなにすれば良いの?」

「そうだな……、現状、カリナに任せたいことがないんだよな」

「それじゃつまんないよ! ルキアちゃんもカルエもなにかするんでしょ? だったら、あたいもなんかしたい!」

「だったら、遊園地でも行く?」

「行く!!」

「は?」ルキアが語気を強める。

「なにも、遊びだけに行くわけじゃないさ」

「いや、最重要指名手配犯──MWFの貴方がまともに外出できるわけないでしょ?」

「サングラスでもかけてれば大丈夫でしょ。なんならマフラーも巻いてこうかな」

「天然で言ってるのかしら──」


 ここで、ルキアはシックス・センスを使ったテレパスの存在を思い出す。シックス・センスは直感が強くなるだけでなく、テレパス的に脳内を使って会話もできるのである。


(なに考えてるのよ)

(カリナを遠ざける必要があるだろ? データ解析中に、洗脳が解かれたら面倒なんて騒ぎじゃない)

(本気で遊園地に行くつもりなの?)

(もちろん。子どもは遊びにも本気でしょ? 疲れ切って、帰りの車の中じゃ寝てるはずさ。そこで、マルガレーテやジーターに頼んで、カリナの脳内に埋め込まれてるであろう、なにかしらの洗脳を調べてもらう)


 カリナは遊びへ行くために、すでに玄関まで向かっていた。


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