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サイバーパンク2022-小説の中の噛ませ犬に転生したので、原作知識使って無双してみる-  作者: 東山ルイ
シーズン2 The Hitman 汚職警官をぶちのめせ!!

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モダン・タイムズ町の一件

「やあ、レイ」


 カルエはチキンのパックを開け、ルキアにひとつ渡す。リラックスした態度で、電話越しの相手が反応するのを待つ。


『オマエか。おれの番号を割り出すとは良い度胸してるな』


 もっとも、カルエは原作のコミカライズ版でちらりと描かれていた電話番号にかけただけだ。


「どうせ知られても困らない番号だろ? どんなインターネットの魔法か知らないけど、この通話は警察にも盗聴できないはずだし」

『まあな。さて、世間話をしようか』

「ああ」

『第3警察署の署長が新たな武器取引を行おうとしてるようだ。なんでも、新たにMWFに指定された男をぶっ潰すために』

「へえ。ちなみに、どこで取引してるの?」

『テイラー地区のモダン・タイムズ町らしいな。あそこでブルームーンって組織の連中と密売する予定だとさ』

「ブルームーン、ねえ」

『ブラッドハウンズとは反目の組織だな。ブルームーンが武器を売り、サツどもがカネを支払う。それを、ブラッドハウンズが妨害したら大騒ぎになるだろうさ』

「確かに。レイ、ありがとう」

『ああ。ただの世間話なので、カネは要らないぞ』


 レイ・ウォーカーは利己的な実益主義者だ。カネが要らない、ということは、これからカルエたちが動乱を起こすのを見越して株だかなにかの市場操作を狙っているのだろう。


 ともかく、レイの情報は役立つ。カルエは骨付きチキンを噛みちぎり、コーラを流し込んだ。


「聞いての通りだよ、ルキア」

「アイツらが更に武装する前に、叩くってことかしら?」

「そういうこと。どうせアラビカみたいな大物はその場にはいない。ついでにブルームーンにも、大した戦力はいないだろうさ。一応、ブラッドハウンズに応援を要請するけど、多分おれらだけで潰せると思う」

「そうね。貴方はカルエ・キャベンディッシュだものね」

「おいおい、まるで別人みたいな言い方じゃないか」

「別人だと思ってるわ。でも、いまの貴方のほうが好みよ。さっきも言ったけど、愛してるわ」


 先ほどからかったことを、いまだに根に持っているらしい。カルエは肩をすくめた。


 *


「いるな」


 カルエとルキアは倉庫の中で待機していた。手には『M6A1』というアサルトライフルを持ち、声を極力ひそめる。


「図面どおりに行けば良いんでしょ?」小声だ。

「そうだね」こちらも同様。


 カルエたちはいま、倉庫の中の上層にいる。連中が馬鹿騒ぎしながら、カネと武器を交わしている中、カルエは、「行こう」と言った。


 その瞬間、銃音が倉庫内に響き渡った。音が反響し、サプレッサー付きのM6アサルトライフルのおかげか、阿鼻叫喚の中だが、まだふたりの居場所は掴まれていない。


「ケツにもう一個穴ァ開けてやるよ!! 汚職警官に無法者ども!!」


 あえて原作のカルエっぽいことを言う。殺しは楽しいわけないが、原作のカルエも、こうしてテンションを無理やり上げることで、メンタルの安定を図っていたのかもしれない。


「チクショウ!! アイツが撃ちやがった! アイツは──!!」

「MWFのカルエ・キャベンディッシュ!? なんでここに──!?」

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