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サイバーパンク2022-小説の中の噛ませ犬に転生したので、原作知識使って無双してみる-  作者: 東山ルイ
シーズン1 Keep Yourself Alive 自分らしく生き残れ!!

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物語の歯車をぶっ壊し

「アラビカ、だぁ?」


 マルガレーテは露骨に訝るような口調と表情になる。彼女は続けた。


「オマエ、アラビカがどれだけ強えのか分かって言ってるのか? この街の裏社会のクズどもにも、アイツだけには逆らわないって不文律があるんだよ。歯向かえば最後、全員魚の餌だからな」

「知ってるよ。でも、アイツがいなくなれば、おれらのビジネスはもっとやりやすくなる」

「そりゃそうだけどよ──」マルガレーテの言葉を遮り、「そして、おれたちが組めばアイツを打倒できる──」そんなカルエの発言を妄言だと思ったのか、「バカバカしい。だいたい、なんの根拠があってそれができるんだよ?」マルガレーテは呆れ返っていた。

 されど、「できるさ。アラビカは所詮、雇われの警察だろ? だったらアイツが警官でいられないような大騒ぎを起こせば良い」カルエには確固たる計画があった。


 この世界には原作がある。その原作において、アラビカは主人公勢に敗北することで退場する。


 とはいえ、その方法は“主人公補正”ありきだ。補正によってアラビカが何度も失態を繰り返し、やがて追い詰められ主役と対峙するものの、そこで負けて全権限を剥奪され、彼は捕まる。


 それは言い換えると、主人公補正がなければ勝てないほど、署長アラビカという人物は実力・権力をともに持ち合わせているわけだ。


 であれば、カルエはどのようにアラビカを攻略するか。当然、ここで攻略方法を出さなければ、マルガレーテは納得しないだろう。


 そんな中、カルエはオーバーヒートが収まったため、ふらふらと立ち上がる。


「良いか? アラビカは昔ながらの汚職と賄賂が大好きなクソ野郎だ。知っての通り、な。だけど、この街はもう一度立ち直ろうとしてる。おれたちみたいな無法者や、汚職警官を排除してな。となれば、アイツの椅子は決して安泰じゃない」

「そうか? アイツ、市長にも取り入ってるって話じゃねえか」

「実のところ、市長がアイツを排除したがっていたら?」

「……!」

「確かな情報筋だよ。ウィング・シティの市長は、表面上はアラビカと癒着してる。けど、アラビカのやり方は野蛮。アンタも部下が逮捕されてるはずだから知ってると思うけど、アラビカの暴力性は異常だったろ? で、話は簡単だ。市長の再選の話、知ってるよな?」


 マルガレーテは腕を組み、カルエの話に真剣に耳を傾け始めた。まだ疑念はあるようだが、カルエの言い草には一理あることにも気がついているようだった。


「市長が再選するには、アラビカみたいな暴力者はいらない。この街は表向きだけでもクリーンになる必要があるからね。おれたちは結託し、野郎の汚職の証拠を探し出す。たとえ警察署を襲ってでも、な」


 物語の歯車をぶっ壊し、カルエたちが勝負する。そのターンは直ぐ側まで来ている。


シーズン1おしまいです。次章『The Hitman 汚職警官をぶちのめせ!!』をお楽しみに。


閲覧ありがとうございます。

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