28話
28話
「結局、貴方は何者なのさ」と、聞く麻美は皆実に聞いたが、皆実は「俺は俺だとしか言えないな~今は。時がくれば直に分かるから辛抱してろ」と、皆実は淡々と穏やかにメールを麻美に綴った。麻美はそんな皆実に「貴方は本当に私の旦那なの?」と、麻美が尋ねると「ああ。俺たちが出会った場所もキスした場所も全て知ってるって前に言ったよな~」と、皆実。
麻美は皆実に言われて忘れかけていた記憶を蘇らせた。「えっ… そうだ! そう貴方は確かに私の旦那の皆実だわ」と、掘り起こされた記憶がドンドンと脳裏から噴出した。だが麻美が記憶を噴出させればさせるほど皆実の姿は薄くなっていた。そして皆実はこれが最後かなと寂しげに「思い出してくれたならそろそろサヨナラだな」と、皆実は麻美にメールを送ったが、麻美は「誰だろこのメールは…」と、薄れる記憶の中を彷徨っていた。
もはや皆実のメールは麻美にはわからなくなっていて皆実と書かないと自分の旦那かどうかわからなくなっていた。皆実もまたメールの度に「皆実」と、書かないと分かってもらえなくなっていった。そして皆実はメールの度に皆実と書くようになって行った。そんな中、一本の電話が麻美に届いた。それは「ああ、麻美か? 俺だよ俺…」と、電話の主は「お前、自分の亭主の声も忘れたのか?」と、電話の主は皆実からだった。 麻美は電話の皆実とメールの皆実と同一だと信じて疑わなかったか、電話の皆実は「メール? はぁ~何言ってんだぁ~」と、不思議がられた。




