導入はやっぱヒロイン(関西人)のお二人で
初めはやっぱりこの2人。だって1番書き易い。
説明にも書いてますがネタバレ必須なのでネタバレいやん、なお方は気が向いた時にコソッと読んで頂いてからどうぞ!
●そんな訳で、某所で有名な〇〇しないと出られない部屋に関西人突っ込んでみた
「いやオカシイ!」
「ツッコミどころしかないやと!?」
そんな感じで叫んじゃうのは、黒狼旦那と妖精かあちゃん、愛息子やちっこい女神含むその他諸々に溺愛されてる空気清浄機系ぽっちゃり聖女みっちゃんこと美津と、虎にゃんこ系旦那にごろにゃんされメロリン、褐色銀髪幼女の愛らしさにメロリン、ペット兼幼女の弟枠に収まるドラゴンにメロリンしながら皆のアニキとその嫁(笑)のツンデレデレデレ精霊に溺愛されてる可愛いものに目がない聖女ことマイの2人。
え、時系列? …美津は本編完結してから数年後、マイは緊急依頼終わった後とか、かな? かなー? (深く考えてはいけない)
「いやー。話分かるみっちゃん居て良かったわー。1人やったらマジで心細かった……」
「私もマイちゃん居て良かった…けど、早くここ出ないと。私の旦那様とお母ちゃん何とかしないと…レオン様(みっちゃんが身を寄せる国の王様)とティアラちゃん(普段はヌイグルミ系ちみっこ妖精姿の女神)が殺される。割とガチで」
「割とガチ」
「うんガチ。…そりゃあ心配してくれるのは嬉しいねんけど…嬉しいねんけど…子供の教育に黒こげとスプラッタは良くないと思うねん!」
「切実過ぎるっていうか子供の前で何しとんの?」
「…………仕事サボる王様に回し蹴りするお仕事と、変質者予備軍に雷落とすお仕事してるなぁ」
「えっ大丈夫? その国大丈夫?」
息子さんと部下が優秀なので何とかなってます。あと多分マイは全部美津の旦那であるクルーレの悪行と勘違いしてるっぽいですが、雷落として黒こげにすんのはお母ちゃんの仕事です(笑)
と、そんな感じで真っ白なソファーとテーブルしかない部屋で出会った2人は、何となく似た空気を感じて自己紹介をしながらお互いが異世界転移組であると把握して手を取り合う事にし、テーブルの上の紙の項目をこなす事に。
●取り敢えず、互いに旦那様の良いところをどーぞ
「取り敢えず、の部分に1度では終わらない気配を感じるの気のせい?」
「ううん、私もそう思う……えーっと、もうこのまま言っちゃうわ。私の旦那様、ディルの良い所は沢山あります」
「ほうほう」
「灰色にうっすら青色乗せた髪は猫っ毛でふわふわで、クールビューティ系の美しい顔、マッチョやけどゴツ過ぎない均整の取れた体、抱き締められると安心する高めな体温、耳元で囁かれると身悶えしそうな低くて甘い声……私、声フェチの自覚あんねん……ああ、忘れたあかん。ふわもこな虎耳と尻尾は至福やから! 無意識で腕に絡み付く尻尾は至福やから! そんでクールビューティ系のお顔で笑ったその顔が! とんでもなく、とんでもなくかあいい!」
「ほ、ほうほう」(とんでもなくって2回言った)
「満月思わせる金色の目を三日月みたいに細めて、八重歯チラッと覗かせながら全体的にふにゃって、虎やのに、身長190超えでカッコ良いのに! ふにゃって! 音しそうな位とろけてる笑顔が可愛過ぎて……! もうな、何回見ても慣れん! 美人は飽きるは嘘や! もう一生飽きひん自信ある! てか私のご飯美味しい美味しいって笑う顔が、もうふにゃふにゃで、ああ……これが、ギャップ萌え…!」
「ほうほう」(マイちゃんの色んな昂りが天元突破してる)
あとねー甘えん坊でねーマジでにゃんこみたいでねーと笑顔で話し続けるマイを見て、空気を読んだみっちゃんはうんうん笑顔で頷きながらツッコミと感想を飲み込みました。
数十分後。
「はっ! わ、私はもう言い切った! 次はみっちゃん行こ!?」
「…ふふ、今更照れんでもええのにー」
嫌な顔せずに延々と惚気を聞かされていた美津は、微笑ましいと言わんばかりにニコニコ笑顔である。
「笑ってるやん!?」
「ふふふ! んー、でもなー。結婚して数年やけど、好きな所って言われるちょっと困るなー」
「え…困る?」
「…うん。困るが1番近いなぁ。…私の旦那様は絶世の美女みたいな顔してんのに、頭の中は脳筋的選択肢しか無くて。腕っ節強いのは勿論カッコイイって思うけど…子供の事もあるし。どうしても、後始末の事が先に頭に来てまうからなぁ」
「…おお、大人の余裕的な感想」
「式はあげれてないって言ってたけど、マイちゃんとこは新婚さんやねんからそれで良いの思うで? 私も結婚式の後浮かれまくりやったし……その後色々あってそんなんも吹き飛んでたけど」
目の座ってしまった美津のお話を詳しく知りたいお方は、空気清浄機なお話参照してくだされば幸いです。
「…んー、みっちゃんがもう既に熟年夫婦的な空気醸し出してる…?」
「ふふ、これでもマイちゃんより大人ですので。…ま、そんなん言いながらも私はクルーレさんの事は大好きやねんで?」
「…どういう所を? そこん所詳しく言わな質問次行かないと思う」
「うーん……私の事を、色んな意味で1番好きで居てくれる所、かなぁ」
「色んな意味」
「…例えばやで? 万が一も有り得へんけど、私が他の人を好きになったら……私は、クルーレさんに監禁されます」
「え」
「そんで、クルーレさんは表情消し去った状態で私を羽交い締めにしながら「裏切り者」ってぶつぶつ言ってる。人には言えないアレやコレを色々しながら」
「する事は確定なんや!?」
「だってクルーレさんやし。…まぁ最終的に泣きながら「嫌うなんて赦さない離れるなんて赦さない」とか言って私をどう調きょ」
「アウトー!!?」
「あ、やっぱアウト入っちゃう? でもクルーレさんは私に関してはそんな感じにとち狂ってる部分ありまくりやから。……でも私は、そん位私の事を好きって言ってくれる…好きって想われてるって分かる瞬間が、嬉しいって感じちゃうねん。我ながら歪んでるって思うけど、こればっかりは、なー?」
後はジャムパンとか食べてる時の顔も微笑ましくて好きやなーと言ってへらりと笑う美津が、マイにはどうしてかとても綺麗に見えてしまったそうで。
紙切れの文言が変わった事に美津が気付くまでドギマギしてました。
●では、旦那様の駄目もしくは困ったところは?
「脳筋で嫉妬深くて面倒臭くて脳筋で後始末が大変な所」
「脳筋2回言ってる!? そんで数行前の言葉は嘘か!?」
「いやいやいや! 気持ちは本物。でもそれとこれとは話は別! 脳筋と嫉妬で仕事が滞るのは時間の無駄! 八つ当たりで暴れる暇あったら働くんや! 時は金なり!」
「お、おおぉ商人の鏡や!」
「のんびりまったりな老後の為に稼ぐの当たり前! …何や、マイちゃんの旦那さんには困ったとこ、無いんか?」
「…………………………………………も、」
「も?」
「モテ過ぎる、ところ……」
「うん、まぁ話聞いてる分には確かにモテそうやけどなぁギャップ萌え。でもチャラいっていうか、伊達男って感じちゃうから自然とモテちゃうタイプか」
「…うん。真面目で素直で可愛いくてカッコイイ旦那様やから……そりゃあ、あんなに可愛くてカッコイイんやからモテるって私も知ってるんや…当たり前なんや…でも、でも…………おとこのひとにもモテなくてもよいとおもうの」
「……なん、やと?」
「私と出逢う前に勤めてた軍隊生活でも、その後の冒険者生活でも、……そっち系のトラブルが」
「なんと」
「オマケに一国の王子のブラコンが重過ぎるし、てか私の永遠のライバルがディルのお義兄ちゃんってどういう事なん…可愛いのが罪過ぎる……!」
「思ったよりカオスやった……が、頑張れ?」
嘆くマイのお話を詳しく知りたいお方は、虎さんと家族になるお話参照してくだされば幸いです。アニキの件は…50話過ぎた位から?
●次に、互いの子供の可愛いところをどーぞ
「クミルはクルーレさんにそっくりな顔でホンマに可愛い。性格は私寄りって言われるけどそんな事無い。只々可愛い。「かあちゃん頑張ってるから肩揉みしてあげるー」って言われた時は泣いたね! …そうです。お礼に何でも食べ物あげちゃうダメなお母ちゃんは、私です。でもクルーレさんに似たから、私みたいにぷくぷく丸くは……うんなっても可愛い」
「可愛いのは正義やから」
「マジでソレ。…ありがたい事に私のお母ちゃんだけやなくて、義姉さんや義父さん達も子育て手伝ってくれたのが優しい良い子に育ってくれた理由やな。反面教師なクルーレさんも居たし!」
「おとんが反面教師」
「クルーレさんやから」
「どうしよう。みっちゃんの話だけやと美人系の顔でヤンデレ気質の脳筋駄目亭主に行き着くねんけど」
「……」
「否定してあげて!?」
美津のスルーは愛あるスルーなのでご安心下さい。
「ほらほら次はマイちゃんやで。確か養子になるんかな?」
「うん。手続きにも色々と段取りあるみたいでまだやねんけど、ギルドでパーティー登録してるから保護者…身元引き受け人的には取り敢えず大丈夫」
「そっちは本格的にモンスターおる世界やもんなぁ」
「そう。…私は、ホンマはサーリーには安全な場所に居て欲しいけど…そう言われへんのが悲しい。本人も、怖いのにヤル気一杯でがむしゃらに突っ走ろうとしてるけど、ディルがちょいちょい締める感じに一言言ってくれるから安心してる。…今回の緊急依頼では大変やったけど、私にとってもサーリーにとっても大事な事やった筈や」
「……うん。マイちゃんもお母ちゃんやねぇ」
「勿論! あんなに可愛い子居ない! サーリーのママの位置を譲るつもりはありません! なのでサーリーを嫁にしたかったら私とディルと義兄を踏み倒す気概を持ってる奴やないと認めてへん!」
そんな訳で憤怒な闇の精霊さん、サーリーの為に頑張れ!
●最後に、旦那様に一言どーぞ!
「おっ最後やって! これで出れる…規格外なクルーレさんやからこの壁も破壊しか来るかもーとか考えたけどこおへんかったな。クルーレさんも人の子で良かった良かった」
「安心するのそこかい」
「ふふ、クルーレさーん大好きですよーだから私が帰るまで暴れないでねー」
「棒読み加減が絶妙過ぎる」
「ほらほらマイちゃんも」
「はーい。…義兄には負けないから! 覚悟しててな、ディル!」
「既に嫁なのにその発言おかしくない?」
「だってー! ディルの義兄に対する尊敬と愛情のベクトルめちゃ強いねん! ディルは、私の旦那様やのにーうあーん!!!」
「ノーランとは一体なんなんや」
「頼れるカッコイイアニキ」
「さてはマイちゃんもノーラン好きやな!?」
「好きやから困るんや! でもディルあげない!」
「何やろここまで来たらその男2人の掛け合いめっちゃ見たい」
●では、いってらっしゃいまたどーぞ!
ぱこ、ん
「「は」」
「「はああああああああああああっっっ!!?」」
紙切れの文言が変わった瞬間、大昔のテレビ企画の様にソファーのあった床が開いて美津とマイは真っ逆さまに落ちて行きました。
落ちた先には、2人の旦那様が居ると思います!
きっかけは、ちょいと前に完結した空気清浄機なお話で感想貰って、懐かしくて自分でも読み返してたらみっちゃんに会いたくなって…気付いたらこんなん書いちゃってました(笑)
数年前より仕事量増えて忙しく、投稿がスロースローでどうしよう、とか勝手に思い詰めて書くのを義務にしてて。でも何かみっちゃん見てたら無理してたら上手くいかんなぁ、あかんなぁって自分でも何か励まされた感じになって。無理せずって自分で言ってたのにノルマ化してたの自分やんってなって。久し振りにただ楽しくて書いたのがコレです。
投稿頻度はのんびりになるでしょうが、投稿してるのもちょいと手直ししながらでも内容は今よりはマシになると思うので多めに見てもらえると嬉しいです。
そして息抜きにこんなん投稿したりするのを許容して頂けると幸いです。それでわ!