49.誘われて
「今日も来たのかい?しょうがない子だね…こっちにおいで」
柔らかく、どこか気だるさを含んだ声が私を導く。
温室の奥、白いソファに腰掛けた彼が私に向かって手を伸ばした。
私は夢見心地のまま歩を進める。
差し出された彼の手は白く、指が長い。
重ねると、少しひんやりした指先が私の手のひらを軽く擽り、逃げようと跳ねた所を引っ張られた。
倒れ込むようにして彼の隣に腰を下ろす。
長く柔らかな藤色の髪が私の頬に触れ、顔を上げると中性的な美貌がゆったりと微笑みを浮かべた。
「さあ、共に快楽の海へ沈み込もう…」
その言葉に、私は目を閉じる。
温室に咲いているマツリカの芳香が濃くなった気がした。
彼が優しく私を横たえ、そのまま頬を撫でるとお腹に手が添えられる。
そして──
「ねーんねーんーころーりーよー」
「懐かしすぎるー」
聞き慣れすぎた子守唄に思わず目を開けた私に、彼──ソレオは優しく私のお腹を叩いていた手を止めた。
「おや、逆効果だったみたいだね」
そう言って困ったように首を傾げる様は、妙な色気を醸し出している。
発言もエロけりゃ顔も声も全て──オーラさえもエロい。
そう、彼こそがハブガ攻略対象キャラ最後の一人、エロオーラことソレオ=ヘリオトロープなのである。




