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僕だけの部屋  作者: キンラ
1/1

嫌嫌嫌?

僕は時々、僕だけの部屋にはいる。そこでは、眠りにつくようにふわふわくるくると体が舞う。

空は、パレットに水多めで描いた青に白い筆でトンと撫でたような雲が浮かび、はっきりとおぼろげで分厚く薄い。

景色はポンと変わる。そんな世界。ここはきっと、住みごごちが良い、僕のあるべき世界。



僕は学校に通っている。トコトコ歩く通学路、いつもお空はモノクロ写真である。

別に格段嫌なことがあるわけではない。


もちろん、テストは嫌になるし、勉強も運動も、嫌になることが多い。

でも僕は、早く帰れるという点ではテストも好きだし、学ぶのだって新しいものを知るのは楽しい。運動も疲れるけど、みんなと汗を流すのは清々しい楽しさがある。

もちろん、最後の文からわかったように友好関係も悪くはなく、みんなと日々、とりとめのないことを会話している。

では、なんで白黒なのだろうか。そんなことは知らない。




なんて考えるうちに学校についていた。あまりお外で考えるのはよくないな。つい、ボーッとしてしまうので、集中ができなくなってしまう。どうせ家に帰ってもやることはないから、家に帰ってから考えよう。


授業は、目の前で流れていく扇風機の羽のように流れていった。水のように、サラサラ消え去りもせず、かといってデジタル時計のようにははっきりとしてくれない。バララララーと流れていった。そうやって流れる半日を眺めながら、これからまだ長い下校道について思いを馳せてみた。


学校の通学路ほど不鮮明なものはないんじゃないか?ふと玄関で片方仰向け、片方うつ伏せで上四方固めのように頭と頭が重なっている靴を眺め、そう考える。今さっき帰ってきたばかりなのに、まさに水のごとくサラサラ消え去ってしまったみたいだ。


お風呂に入り、夕飯を済ませ、自分の部屋でボーッとしていたら今日もまた、『僕だけの部屋』がきた。




頭も心もフラフラフラ。世界はバレリーナを初めてしまい、せっかくの色づいたお空もくるくる回っている。今日は、周りに梅干しが落ちている。

ふと、また頭に何かが反復横跳びをしている。今日感じたことについて。


《嫌って何?》


なんだろう。なんでテストは嫌なんだろう。勉強は嫌なんだろう。運動は嫌って感じるんだろう。


勉強は頭使うから嫌だ?でも僕はゲームは好きだ。

運動は疲れるから嫌だ?でも僕は友達と走り回ったり馬鹿なことをするのは好きだ。

じゃあ、テストは?

好きな時にできないから嫌だ。


あ、そっか。全部好きな時にできないから嫌なのか。

運動も、勉強も、やらなきゃいけない時に限ってやりたくない。

もし、ゲームも、友達と馬鹿なことするのも、同じだったら。疲れてゲームしたくないのにしなきゃいけない。1人で休んで、ゴロゴロ寝たいのに友達と遊ばなきゃいけない。

そんなの考えたくもないくらい嫌だ。


なんで、やらなきゃいけないことをやりたくないようになっているんだろう。これは動物にはない。動物が人間みたいにさぼって狩をしたくなーいって言いだしたら、絶滅危惧種じゃない生物の数のほうが絶滅危惧種並みの量になるだろう。

じゃあ、なんで人間はやらなきゃいけないことをやりたくないって思っちゃうんだろう。


そんなことを考えるとカチコチとメトロノームのように心臓が鳴りだして、『僕だけの部屋』はだんだん色を失っていく。

アーーーー、




手首がかゆい。夏場はかゆいが多くて困る。真っ赤に熟れた梅干しと比べてみる。



そんなこんなで今日は終わる。




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