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恋愛義務教育  作者: 真下木
3/6

lesson2 『シングル社会』



 未来と言っても基本的な街の作りは何ら変わっていない。


 今歩いている道路にしても、灰色のコンクリートに白線が引いてあるデザインはあの頃のままだし、信号の色も相変わらず赤・青・黄色だ。

 道中には自動販売機もあれば、馴染みのある看板を掲げたコンビニやファミレスもある。


 初っ端のインパクトが強過ぎたせいで俺は未来を過大評価し過ぎていたのかもしれない。

 この超高層化した建築物を除けば、至って馴染みのある街並みが広がっている。


 それなのに……

 俺が徳永医院を出発して既に3時間が経過した。が、一向に目的地に着けずにいる。

 ナビの調べによると、目的地である新居までの距離は2㎞程。徒歩とはいえ30分もあれば楽々到着するだろう。


「くそ……」


 まさか生まれ育った街で道に迷う日が来るなんて思ってもいなかった。


 イライラする。

 確かに、今道に迷っているというこの現状に、多少の苛立ちは感じる。が、そんなの些細な事だ。


 俺が今、猛烈にイライラしている原因は、


『だ・か・らッ! そこの交差点は斜め右に”グイッ”と曲がるんですよ! なんで理解できないんですか、馬鹿なんですかッ⁉︎』


 この口の悪いナビに対してだ!


「なんで道案内してんのに効果音が出てくんだアホ! そんなの分かる訳ねぇだろうが‼︎」


『アホ⁉︎ まさか私の事アホって言いましたか? 人類科学のすいを集めたこの私をッ!』


 

 先程から通行人の静かな視線が痛い。

 ここは大勢の人が行き交う道のど真ん中。そんな場所で端末相手にマジ喧嘩を繰り広げていたら無理もないか。


 つーか、何でこうなった⁉︎

 

 この端末も初めは通常通りナビゲーションしていたんだ。

 だが、たった一回道を曲がり損なっただけで、その口調は急変し……


『だからそっちじゃ無くて……あぁもうッ! 本当に脳みそ入ってるんですかッ⁉︎ せっかく超優秀な人工知能様が付いて居ても使い手が低脳な猿なら意味無いですね! まったくッ』


 今やこの有り様である。


 もちろん突然こいつが喋り始めた時は驚いたが、聞いての通りこの端末は人工知能、つまりAI(エーアイ)を持っていると聞かされた時の方が驚いた。

 そして今は、こいつの有り得ない程の性格と口の悪さに驚き、何よりこんな大事な事を俺に伝え忘れた綾乃さんの神経に驚いている。


 この時代ではAI(エーアイ)技術が当たり前の様に普及されているんだな。と思いきや実はそうでは無い。こいつは綾乃さんが独自に開発した世界初の人工知能プログラムだそうだ。

 いやマジで綾乃さん何者なんだよ。


 声色だけなら可愛らしい女の子なのだが、その性格たるやご覧の通り可愛さの欠片も無い。


 ちなみに、綾乃さんがこいつを俺に渡した理由は2つある。

 一つは、この時代の事を何も知らない俺のサポート役として。

 ありがた迷惑とはこの事だ。正直ガラケーの方が100倍いい。今すぐ引き返して返品したいまである。


 もう一つの理由はこのAIに経験を積ませる事。

 こいつは俺の目覚めと共に起動させられた、言うなれば生まれたての赤子同然なのだ。

 その情報量は右に出る者は居ないが、経験が無い為その使用方法がわからない。まさに宝の持ち腐れ。

 それについては、いつまで経っても目的地に着かないこの状況がもの語っている。


 要は綾乃さん一番の目的は、平成の人間である俺と共同生活を送らせたらこのAIはどんな風に成長するんだろう?というデータが欲しくて堪らないらしい。


 つまり俺は、寝ても覚めても相変わらずのモルモットぶりという訳だ。


 と、まぁこれが俺とこいつが約3時間も口喧嘩をしながらも得た情報なのだが、出来る事ならそういう事は出発前に綾乃さんの口から聞きたかったものだ。


『おーい、聞いてるんですか? さっきから黙ってどうしたんです?』


 恐らくこいつのナビじゃ奇跡でも起きない限り目的地に着くことは無い。

 俺はこいつからの情報をシャットアウトし、自分の直感のみを信じる事に決めた。


 この三車線の交差点…ここを通るのは3回目か。1回目は右に曲がり、その次は左に曲がった。


「それならこっちだ」


 俺は唯一通っていない右の脇道に入る。


『あ! どうやらそっちで正解ですね……ふふ、どうですか! これが私の実力です! やはり私は超優秀……』


 無視。

 下の方から満足気な声が聞こえるが、これに反応すると、どうせまた口喧嘩ループに突入してしまう。


 ナビを見なくなった分、視界が広くなった俺は、ふと道行く自動車に目がいく。


 「やっぱ飛ばねぇんだな……」


 未来の自動車は空を飛んでる物だと思っていたが、この時代でも自動車はしっかり地面を走っている。


 まぁ、飛ばないにしても、最悪あの外観はもう少しどうにかならなかったのか? ぶっちゃけダサ過ぎるぞ。


 その外観とは軽自動車を一回り小さくして、更に細長くした訳の分からないデザイン。


 つーか、デザイン以前にあのサイズだと一人しか乗らなくねぇか?


「この時代じゃ一人乗りが流行ってんのかね……」


『そりゃまぁ、シングル社会ですから』


「ふーん……………ん⁇」


 なんか今すげー気になる事言わなかったかこいつ?


「は、何? シングル……何だって?」

 

『だからシングル社会……』


 新しく聞く単語だが、まさか綾乃さん……


『なんですか、そのリアクション⁉︎ まさかこんな重要な事、綾乃院長から聞いて無いなんて事ないですよね?』


 ピロリ〜ン♬


 突如、聞き覚えのある着信音が会話を断ち切る。


「なぁ、今のってメー……」


『はい。メールです。開いてもいいですか?』


 この時代で俺にメールをしてくる人間、言わずとも差出人はわかってるが……


差出人:徳永綾乃

題名:うっかり〜♬

本文:ごめ〜ん、色々説明するの忘れてた。でもまぁ代わりにその子に聞いといてね!大事な事だからしっかり聞かないとダメだゾ☆



「……ぅわぁ……」


 予想の斜め上をいくウザさだな。


『チッ‼︎』


 今このAI舌打ちしやがった⁉︎

 しかも急に端末がバイブレーションを始める。

 これは機能なのか、こいつが荒ぶっているのか……多分後者だろうな。


「落ち着け! まぁ、気持ちはわかるが……」


『しますよ……』


「ん?」


『だから説明しますよッ! すればいいんでしょ⁉︎ まったくあの人は本当にいい加減なんだから!』


「ぉ、おお」


 ここは黙って聞くのが吉だな。うん。


『ふぅー、まぁ簡単に言いますとこの時代は皆んな一人なんです。はい説明終了』


「早ぇーよ! 過程をすっ飛ばすな!」


『チッ!』


 二度目の舌打ち。

 本当にこいつプログラムか?


『……わかりましたよ。少し長いですよ? 貴方の脳みそでも理解出来るように説明します』


「た、頼むよ」


 道中、歩きながらではあるが説明に耳を傾ける。


『貴方が眠りについた15年後の西暦2035年。世界は深刻な少子化問題を解決する為に一つの技術を取り入れました』


 少子化問題? 技術?


『それが《遺伝子出産技術》通称GBT。これは男女が交わる事なく、その遺伝子を提供するだけで子孫を残せるという、少子化最大の理由である未婚率の上昇を帳消しにする技術です』


 確かに俺の時代でも少子化が深刻化してきている。ってニュースはよくやってたな。


『ですが、ここで一つの問題が発生しました』


「問題? 良い方法だと思うけどな」


『ええ、当時の人々もそう思っていたそうです……突然ですが、人間……いえ全生物は何故オスとメスとで寄り添うと思います?』


「は? 何だよ急に⁉︎ えーと、なんでって言われても……」


『ブー。時間切れです。まぁ、貴方の低脳具合では期待はしていませんでしたけど』


「くッ」


 こいつ定期的に俺を馬鹿にしないと死ぬ病か何かか?


『答えは本能です。地球上の生物は種の繁栄……つまりは子孫を残すという本能に従い異性と交わります。ですが、この技術により人類はその本能を失ってしまいました。そんな事しなくても遺伝子の提供だけで子孫を残せる訳ですから』


 あぁ、なるほどな。という相槌は入れず、俺は黙ってこいつの話を聞く。


『そこからは先は早かったらしいですよ。未婚率は更に上昇していき、この技術が出来てから84年後の西暦2119年には、未婚率は遂に100%に到達し、現在2220年では恋愛という概念は完全に消滅しています』


「そんな事が……」


『ほら、見て下さい。その証拠に自動車はどれも一人乗り。それに道行く人達の中に一組でも複数で歩いてる人達はいましたか?』


「⁉」


 俺は改めて辺りを見渡す。

 すると、こいつのいう通り誰一人複数人で歩いている人間が居ない。


 ここまでの街を歩いてきて、何だかよく分からない違和感を感じていたが、今その正体がハッキリわかった。

 静か過ぎるんだ。こんなに人が居るにも関わらず、誰も人と会話をしていない。

 俺はこの現状を目の当たりにして言葉を失う。


『やっぱりショックでしたか? 無理も無いです。平成の人間といえば、皆んな仲良く馴れ合って一人じゃ寂しくて死ぬ生き物だと聞いて……』


「……ふ……はは……」


『え?』


「はっははははは」


『ど、どうしたんです⁉︎ 気でも狂いましたか⁉︎』


 シングル社会? 恋愛が消滅?

 なんだここは楽園パラダイスか?


 小学生の頃、担任に言われた事がある『一人で居ちゃダメでしょジン君。ほら皆んなと仲良く遊ばなくちゃ』と。

 平成の世では、まるで一人で居るのが悪い事の様に言われる。

 もしくは『いつもあいつ一人で可哀想だな』という哀れみの目や『あいつ一人で何考えてるかわかんねぇな、気味悪いよ』という怪奇の目。

 一人で居る事の何が悪いんだ! そう叫んでも多勢に無勢。一人で生きようとする少数派には生きにくい世の中。


 だが、ここはシングル社会! どんなに一人で居ようが不思議でも何でもない、それが普通なのだから。


『だ、大丈夫ですか? さっきからニヤニヤと正直気持ち悪いですよ』


「大丈夫だ! 心配掛けてすまんな。はっははは」


 もはやこいつの小生意気な口調も気にならない。それ程最高の気分だ。


『うっ、やっぱ気持ち悪いです……ってあれ? うそ……目的地に着いちゃった』


 おぉ! 適当に歩いてただけなのに。やっぱり良いことは続くもんだな。


 さて、どれどれ。

 この時代の建築技術だけは凄いからな。きっと未来の技術が詰まった最高の部屋だろう。

 ふふ、ここから俺の素晴らしいシングルライフが始ま……


「――――なッッッにィィ‼︎」


 天国から地獄。

 今の俺にはこの表現が一番当てはまる。


「な、なんだ……これは?」


 俺の目前。ナビが示した場所には、この時代から完全に浮いたデザインをした木造二階建てのボロアパートが存在していた。


 いやいや待て待て‼︎

 超高層ビルに囲まれた木造ボロアパート⁉︎

 なんだこのシュールな絵面は⁉︎ この場所だけタイムスリップでもしたか⁉︎


「……はは、冗談きついぜ……」


『冗談じゃありませんよ。まぁ、Fランクではこれが妥当でしょう』


「Fランク?」


『さっきの話には続きがありまして、GBTは良い遺伝子同士が交わる事で、より良い子孫を残す事が出来ます。そうなって来ますと遺伝子に格差を付ける社会になっていくのは必然です』


 要は……人間一人一人に順位を付けてるって事か?


「それで俺はFランクと?」


『ええ、ランクはA~Gの7段階』


「下から2番目⁉︎」


『当然でしょ? この時代での功績、データが無いのですから。まずはそこからです』


 くそ、中学の成績悪くなかったのにこの時代じゃ無意味って訳か。


「つーか、その理屈ならなんで一番下じゃ無いんだよ?」


『一番下は通称Good-by(グッバイ)のGランク。噂では生きてる価値が無い人間として処分されるとか、されないとか……ふふ。ですので実質Fランクが底辺ですよ』


 なんでちょっと嬉しそうな声で説明してんだよ。落ちねぇぞ⁉︎ Gランクなんかに落ちて人生にグッバイしてたまるか!


 俺は改めてアパートに視線を向ける。

 それにしても、こりゃねぇだろう。


「はぁ……」


『ほら、行きますよ! 部屋は203号です』


 仕方なくアパートに近付き、今にも壊れそうな階段に足をかける。

 一段毎にミシミシというヤバい音を奏でる階段を登りきると、203号と書かれた表札の前に到着した。


「あ、そういえば鍵が……」


 受け取った物の中に鍵のたぐいは無い。

 まさか綾乃さんそれすらも忘れてたんじゃ……


『あぁ、大丈夫ですよ』


 その声と同時にドアからはガチャという鍵が開いた様な音が聞こえる。


『貴方の身の回りの物と私は完全にリンクしているので自由に操作可能です。このアパートも例外じゃありません』


 なんでそこだけハイテクなんだよッ⁉︎

 という言葉をグッと飲み込んだ俺は恐る恐るドアノブを掴む。


 大丈夫だ。見た目は昭和チックなボロアパートだが、ここは西暦2220年……外見はこうでも中身は近未来的な部屋になっている……筈だ。


「ふぅ~~……よし!」


 呼吸を整えた俺は勢いよくドアを開ける。

 すると、そこには素敵な素敵な未来の世界が広がって……


「……いなかった」


 目の前の現実は、たたみにちゃぶ台という昭和を絵に描いた様な光景。


 平成でもこんな部屋見た事が無いぞ? この時代でコレを再現する方が手間かかるだろ⁉︎


「なんで、わざわざ……」


 靴を脱ぎ捨て覚束おぼつかない足取りで部屋の中に入ると、ちゃぶ台の前で糸が切れた様に倒れ込む。


『着いた途端に寝るなんてだらし無い! 歩き疲れたんですか?』


「……違ぇーよ」


 精神的にやられたんだよアホ。

 それにしても何も無いなこの部屋。

 冷蔵庫、炊飯器、エアコン……電子機器の類は一切見られない。

 窓にはカーテンすら付いて無いし、布団も無い、天井には裸電球。あるのは本当にちゃぶ台一つ。


「まさか、水道も出ないなんて事は……」


『水道は出ますよ。それと電気も』


「あぁ、そう」


 電気が通ってても使う物がねぇって話だけどな。

 自分で買い揃えるしかないか……そういえば生活費は支給されるって言ってたよな。

 でも何処でどうやって貰うんだろ?


「なぁ、俺の生活費ってどうなってんの?」


『綾乃医院長からカード受け取りましたよね?』


 あぁ、政府の上層部に作らせたっていうアレか。

 横になった体勢のまま、胸ポケットに入れて置いたカードを取り出す。


「これか?」


『それはGene(遺伝子)カード。通称Gカードと言って貴方の現在のランク示唆するだけでなく、支給された金額を引きおろす事が出来るキャッシュカードの役割もあるのです』


「ほぉ」


 ん? よく見ると写真の横の欄に《F》って書いてある。

 確かに俺はFランクだな。はぁ。


「で? 何処でおろせるんだ?」


『ATMのある場所なら何処でも。別に現金化しなくても電子マネーとして利用する事が可能ですよ』


「便利だな。よし! じゃあ早速……」


 精神を立て直した俺は立ち上がろうと片膝を立てる。


『どこに?』


「決まってる! 買い物だよ。せめて布団だけでも……後は今日の晩飯だな」


『残高0なのにですか?』


「なに?」


『ふふ。生活費の支給日は毎月1日。残念でしたね』


 こういう時だけこいつの声は活き活きとしてやがる。本当に憎たらしい。


「そ、そんな……」


 再び片膝は地に付き倒れ込む。

 って事は今日は晩飯抜きって事かよ。そう考えたら急に腹が減ってきた。

 よく考えたら今日は何も食べて無……いや、200年間何も食べて無い。


「明日までの辛抱だな……金が入ったら腹一杯食って、実需品を買い揃えねぇと」


『ふふふ。500円でそれが出来たらいいですね』


「500円だとッ⁉︎」


 余りの衝撃に俺は飛び上がる様に起き上がる。


「ぉ、お前、500円って……まさか1カ月を…たったそれっぽっちで?」


『ええ、そうですよ。遺伝子ランクはこのシングル社会に対する貢献度でもありますからね。ランクが高いほど待遇が良いというのはこの部屋を見て貰えば一目瞭然でしょう?』


「まぁ、確かにそうだが、さすがに500円ってのは……」


『言いましたよね? Fランクは実質底辺だと。そんなゴミ人間に部屋まで提供して、あまつさえ生活費まで支給してるのです。500円貰えるだけでも良しとして下さい。ね』


 くッ! 俺が困ってると急に機嫌が良くなりやがって。本当に嫌味な奴だな。

 だが実際問題、一月ひとつきをたった500円で凌ぐなんて一体どうすればいいんだ?


「あぁ、頭痛がしてきた……」


 今度こそ精根尽きた俺は、硬い畳の上に大の字で倒れ込む。

 さっきまでここは楽園とまで思えたのに、現実はそう甘く無いって事か。


『心配しなくても大丈夫です。学校での成績を上げるとそれがランクアップに繋がって……』


 ランクアップ?

 この現状を打破する方法があるって事か?


 もっと詳しく聞きたい所だが……やばい意識が急に朦朧もうろうとしてきた……

 確かに……今日一日色々あり過ぎたからな、予想以上に身体が疲れてたんだろう。しかもトドメにこんな現実突きつけられたんじゃな……

 正直もの凄くまぶたが重い。


『……だからまず貴方の目標はFからEランクにする事で……って聞いてます?』


 ……もう、駄目だ……。あいつのツンツンした口調が子守唄みたいに聞こえてきた。


『もしもーし!』


 俺は意識の狭間で恐らく自分でも覚えてないであろう空返事をする。


「……ぁあ……聞い……てる……ょ……」


 ここで俺の意識は完全に途切れる。


『もう! 寝ちゃったんですか⁉︎そんな風に寝ちゃ風邪引き……って布団も無いんでしたね』


 こうして、このシングル社会の天国と地獄を感じながら、俺の記念すべき初日は過ぎていった。

 



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