表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/64

幕間 その七

 わたしは目を開けると、レイシー・レイクスの顔を見つめる。レイシーの記憶を探っていたが、それ以上先の記憶が見ることができない。おそらくは抑圧されてしまっているのだろう。レイシーと会話をおこなうことで記憶を刺激し、そこから連想させて記憶を探ってみよう。


「レイシー目をあけて」


 レイシーはゆっくりとまぶたを持ちあげた。「……何かわかったの?」


「あなたは予知夢を見ることができたはずよ。思い出せる?」


「予知夢?」レイシーは思案気な表情になる。「……どこかで聞いたような気がするわ」


「あなたはある日、階段から落ちて頭を怪我したの。そのせいで雨が降る日に予知夢を見るようになったはずよ。あなたの左側頭部にある傷跡がその証拠」


 レイシーはわたしの手を離すと、左手で側頭部にふれる。するとその顔色がみるみると変わっていく。まるで信じられないといった様子だ。

「たしかに傷跡がある」レイシーは呆然とした口調だ。「……そうだ、だんだんと思い出してきた。たしかにわたしは予知夢を見ることができた。だから夢占い師と呼ばれたんだわ」


「思い出してくれたようね。あなたはその予知夢の力で有名になった。けどある日突然、自殺して亡くなったのよ」


「わたしが自殺?」レイシーはいぶかしむような表情になる。「その話はほんとうなの?」


「一応記録では原因不明の自殺となっているけど、自殺した理由は思い出せるかしら?」


「自殺……死……」そつぶやくとレイシーは首を横に振る。「ちがう、自殺なんてしていない。まだよく思い出せないけど、たぶんわたしは殺されたような気がする。たしか犯人の名前は……エリック・ローランドという名前の銀髪の少年だったはずだわ」


 レイシーのことばに、わたしは思わず目を丸くする。エリックがレイシーを殺害した。だがエリックがこれまで殺してきたのは敵兵と悪人だけのはず。そんな可能性はない……とは言い切れない。それはわたしがよく知っていたはずだ。このわたしだけが!


「……いったいどうして、そのエリック・ローランドという人物に殺されたの?」


「……わからない。どうしても思い出せない」レイシーは頭を抱える。「わたしは自分が殺されたのが無念で、死後もそれを嘆いていたような気がするわ」


「なるほど。それであなたはメアリーの夢のなかで助けを求めていたのね」わたしはふたたび両手を前に出した。「ならレイシー、わたしといっしょに真実を見つけましょう」


 レイシーは小さくうなずくと、わたしの手を握った。


「気を楽にして。自分の死ということばから記憶を連想していけば、真実にたどり着けるわ」

 わたしは深呼吸し心を落ち着かせると、レイシーとともにゆっくりと目を閉じる……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ