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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
4章 神の雷光と裏切りの花
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87 真っ当な本当の主人公達

 冒険者家業を続ける三人。

 ある日、人里離れた谷に住む蜥蜴種(とかげしゅ)と呼ばれる亜人が、魔族にそそのかされて人間と対立する。

 人里に被害が出始めたため、冒険者ギルドに討伐依頼が入る。

 しかし知能も戦闘力も高い蜥蜴種に対して、討伐クエストに参加した冒険者達は次々と命を落とした。

 

 絶賛売り出し中の三人も勢いに任せて討伐に参加するものの、蜥蜴種の罠にかかりあわや壊滅寸前まで追い込まれる。

 そこに助けに入ったのが、全身を包帯で覆うミイラ男。

 ミイラ男は凄まじい強さで蜥蜴種を圧倒していく。

 しかしその時、罠にかかって身動きがとれないパメラが蜥蜴種の一匹に殺されそうになる。

 突然ジキルが強くなりパメラの危機を救う。

 ジキル・・・覚醒?

 飛躍的に強くなったジキルは、ミイラ男と共に蜥蜴種の首領を討伐し停戦。


 謎のミイラ男は本当にミイラ男では無く、病気で皮膚の炎症が酷いためそういう姿をしているらしい。

 生き別れになった自分の息子を探して、国中を回っているという話だ。

 その後、近くの街までミイラ男と道中を共にし、その街の教会でジキルは試しの剣のレプリカを抜くことになる。

 そして大聖堂を目指すことになったのだけど、そこでも一悶着あったらしい。


 クエルク自治領の教会は、はっきり言って熱心な仕事ぶりはしていない。

 最低限のお役所仕事をこなす人達で構成されている。

 そしてジキルが試しの剣を抜いたときも、歓声が上がるどころか面倒な顔をされたらしい。

 試しの剣を抜いた者が現れた場合、大聖堂へ教会から案内人を付けるのがお約束になっている。

 しかし誰も名乗りを上げずに押し付け合いが始まった。

 そこで指名されたのがリーフだ。


 リーフは十四歳の修道女だ。

 そもそも修道女になった理由が、特殊な力を持っていたからということだ。

 幼い頃から怪我人を癒やしたり、病気を治療したりという能力を持っていた。

 しかもその力は魔力を必要としない特殊能力だった。

 それを見た両親は、きっと神から授かった力なのだろうと、リーフが八歳の時に娘を教会に預けることにした。

 ところが教会は、よく分からない力を持つリーフの扱いに困り、修道女として雑用をさせることにした。

 リーフは元々素直な子だったので、言いつけを守り雑用を六年続ける。

 そして試しの剣を抜いたジキルが現れ、案内する役を押しつけられる結果となった。

 教会は持て余していたリーフの厄介払いが出来て一石二鳥だったのだ。


 一部始終を見ていた街のお婆さんが、旅立つ前にジキルとパメラにその話を教えてくれたのだ。

 お婆さんは病気で苦しんだ過去があり、その時にリーフの力で救われている。

 それからずっとリーフを気にかけていた。

 影ながら見守るものの、教会での扱いはあまり良いものとは言えなかった。

 しかし勇者が連れ出してくれるならきっと今より幸せになってくれるだろうと思ったという。

 ジキル達はお婆さんに「どうかリーフをよろしくお願いします」と泣いて頼まれた。


 その後、三人でエリッセン大聖堂を目指す旅が始まる。

 ミイラ男は試しの剣を抜いたジキルを見て、感慨深い目で見つめた後、別れを告げたという。

 そしてミイラ男の強さに感銘を受けていたカシムは現在、彼の旅に同行している。



 道中では仲間が増えたり、盗賊と戦ったり、悪徳代官の悪事を暴いて成敗したり、ドラゴン出会ったり、仲間と別れたりと色々なことがあったようだ。

 ちなみに旅の途中で出会った仲間は精霊と会話できる不思議ちゃんだったようだ。

 今はドラゴンと意気投合してどこかに行ってしまったらしい。

 嫌な予感がするので、今後の話に絡んでこないことを祈るばかりだ。


 もはやジキルが主人公で良いんじゃ無いかと思えてくるような話だった。

 一通り話を聞き終わった後、パメラがボツリと言う。


「やっぱり聞いておきたいんだけど、オキスの横にいる女の子は誰なの?

 彼女の事を聞こうとすると、オキスが関わるなって素振りをするから今まで黙ってたけど。」


 やばい、突っ込まれた。

 そこはスルーして欲しかった。


「シーリよ。

 よろしくねー。

 オキスから黙ってろって言われてたけど、聞かれちゃったからしょうがないわよねー。

 能力は異世界の辞典っていう最強スキルよー。」


 余計なことを話し出した。


「姿は見えているけど触れないのね。

 でも声は聞こえるって不思議よね。」


 パメラが手でシーリを触ろうとするが、そのまま突き抜けてしまう動作を何度も繰り返していた。

 神鳥との戦いでシーリの有効な使い方は見つかっている。

 そう、囮として前に出して敵を引きつけ、後ろから僕が攻撃すれば良いんだ。

 外道?戦いにそんな偽善は通用しないのだ。


 今まであえて突っ込まなかったメンバーが、シーリに話しかけ始めた。

 色々と余計な情報が漏れていく。

 シーリをしまう方法を教えて欲しい。









 どう考えてもジキルは僕よりも主人公無双だった。


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