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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
4章 神の雷光と裏切りの花
80/263

80 先頭で戦う戦闘

 現在位置はエンプティモの街の西門周辺だ。

 この辺りは日頃であれば露店が建ち並ぶ広場になっている場所のようだ。

 原形をとどめていない屋台の破片がそこら中に散乱している。

 見えている限りの魔物は骸骨剣士やゾンビでその数は推定400。

 ただし、倒しても倒しても街の外から追加で押し寄せてきている。

 対する味方は兵士が300、冒険者が50と言ったところだ。


 兵士の内、中央までの動線の確保に30が割り当てられており、建物の上に射手がたぶん50程度。

 残りが槍兵を主軸とした兵士で、隊列を組みながら包囲陣を敷いている。

 冒険者達は遊撃部隊として包囲に敵を追い込んでいく。

 僕は冒険者チームの加勢に入った。


 今回僕はリプリアと共に前衛に回る。

 気がつくと僕もオールラウンダーだ。

 リプリアと共に魔法剣で骸骨剣士やゾンビを倒していく。

 メリクル神父は負傷者の回収と回復、エリッタは神父の護衛を行っている。


 魔法剣のおかげで敵を圧倒できているんだけど、問題は味方の弓だ。

 気をつけないと自分に当たる。

 一応射手も味方に当たらないように範囲を設定して撃っているようなんだけど、新参者の僕達とは連携がとれていない。 

 どこが射撃エリアになっているのか、ハッキリと把握できないのだ。


 他の兵や冒険者の動きを見ながら、あまり離れないように攻撃する。

 ただ僕の炎の魔法剣は攻撃レンジが広いので、味方が多い所だとやりにくい。

 リプリアはこういう時もさすがで、味方の弓など気にせずどんどん敵を掃討していく。

 当たらない自信があるんだろう。

 しかも長期戦を視野に入れ、最小限の魔力で戦っている。

 僕の方は魔力のセーブが出来ていないので、あまり戦いが長引くとけっこうマズい。


 戦闘中、僕は冒険者の一人に話しかける。


「すみません、子供のパーティーというのはこっちには来てないんですか?」


 剣撃一閃で骸骨を倒した冒険者が答える。


「お前、彼奴等(あいつら)の仲間なのか?

 魔法剣(それ)、反則みたいな強さだな。

 彼奴等なら、すごい勢いで西門を突破して外に出て行ったぞ。

 たぶん死霊を操っている術者を殺りにいったんだろう。

 おおっと、ったく、次から次と。」


 冒険者は次の獲物を目指して体勢をとる。

 僕達が来る前から戦っている冒険者や兵士達は、かなり体力が削られているようだ。

 討伐数を考えれば人間側が善戦しているものの、追加で押し寄せてくる魔物の数が尋常ではない。

 このまま長期化するといずれ瓦解してしまう。


 僕達も術者を狙うべきか。

 リプリアに指示を出そうとしたその時、建物の上にいた兵士が声をあげた。


「ゴブリンが来たぞ。

 弓に気をつけろ。」


 次の瞬間、戦場に弓が降り注ぐ。

 敵からの射撃だ。

 敵の射撃は容赦が無い、味方の骸骨やゾンビにお構いなしだ。

 冒険者達と槍兵の一部に被害が出る。


 負傷者が出たことで布陣に崩れが生じる。

 上官と思われる人の指示で、立て直しに入る。

 僕とリプリアは被害を免れたが、次の攻撃に備えなければならない。


 僕は魔法剣を風属性に切り替えた。

 再び弓が降り注ぐ。

 それを風属性の魔法剣で弾き返す。


 味方に被害が広がっていく。

 乱入してきたゴブリン弓兵はおよそ50。

 味方の弓兵がゴブリン弓兵に反撃の矢を放つ。

 少しずつ数を減らすゴブリン達。

 しかしこれでかなり戦況が悪化した。


「くそ、このままだともたないぞ。」


 冒険者の一人が吐き捨てるように言う。


 そのそも街の中に攻め込まれてしまっている時点でかなりマズい状況だ。

 そかし敵の援軍が多すぎて押し返すことが出来ないでいる。

 さらに弓兵によって包囲陣が弱体化している。

 状況は悪い。


 そこに危険を知らせる声が響く。


「今までよりも大量に骸骨共が押し寄せてくるぞ。

 その後ろから完全武装したオークの部隊だ。

 ゴブリンまでくっついてきてやがる。」


 最悪だった。



 




 次回、魔物無双かもしれない。

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