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魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
3章 冒険の始まりと動き出す王国
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52 試しの剣の件

 基礎訓練と受け身に明け暮れていた僕は、ようやく基本的な型を教えてもらえることになった。

 剣術の基本だ。

 とはいっても、ひたすら素振りだった。

 魔法の修行もクルデウス師匠から課されている。

 忙しい。


 そしてある日、たっぷりの笑顔を称えた師匠からこう言われた。


「そろそろ実戦を経験してみよ。

 明日以降は実習期間とする。

 冒険者ギルドへ行って、依頼を一つ片付けよ。

 条件は街の外の依頼であること、それだけじゃ。

 仲間を募っても構わぬ。」


 とうとう実戦演習となった。

 そしてエムストロム教官に実戦演習の話をした。


「まだ基本すら教えていないのだ。

 時期尚早だと俺は思うがな。

 しかしクルデウス卿のご意向とあらば送り出すしかあるまい。

 街の外へ出る前に教会へ行ってこい。

 そこで祈りを捧げておけ。

 それと年の問題で見つけにくいとは思うが、仲間は必ず連れて行け。」


 教官はまだ実戦演習には不安があるようだ。

 確かに体術においては戦闘で敵を倒すようなレベルには無い。

 ただし僕のジョブは魔術師ということになるはずなので、そもそも肉弾戦には不向きなのだ。

 仲間が必要だとは思う。

 しかし教官が言っている通り、七歳の子供とパーティーを組んでくれる仲間が出来るかどうか微妙なところだ。


 僕は教官から言われた通り、とりあえず教会へ行くことにした。

 王国の教会は大きい。

 一応、デイボンの町にも教会はあったのだけれど桁が違う。

 神聖区にいくつもの建物が建ち並び、その中に祈りを捧げる為の礼拝施設があった。


 礼拝施設を尋ねると、祭服を着ている人物が話しかけてきた。


「カンド聖堂へようこそ。

 私は司祭を務めているハルデオンです。

 ご用はお祈りですか?」


 ハルデオン神父は柔らかな感じの人物だった。


「申し遅れました、オキスと申します。

 一度礼拝をしたいと思いましてこちらに来ました。」

 

「そうですか。

 それではこちらへどうぞ。」


 僕は礼拝堂へ案内された。

 荘厳(そうごん)な作りが歴史の長さを感じさせる。

 部屋の備品を掃除をしているシスターと目が合う。

 会釈してきたので僕も返す。


 そこで祈りを捧げようと近づくと、なにやら光っているモノがある。

 小さな箱らしき物から光が漏れる。

 何だろうとさらに近寄ると、さらに光が強くなった。


「なんと、ご神体が!」


 神父がうわずった声を上げた。

 もしかしてご神体とやらは魔族に反応したりするのだろうか?

 僕が戦々恐々としていると、


「試しの剣を、試しの剣を持ってきてください。」


 そうハルデオン神父がシスターに告げた。

 試しの剣って勇者選別のアレだろうか?

 無い無い、僕は心の中でそう思った。






 もしや勇者無双か。 


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