表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された  作者: 空雲
2章 放たれた魔銃と幸運の石
50/263

50 魔神なんて混じんないで欲しい

 世界屈指の情報通クルデウス師匠から、僕が生まれる前後の話を聞いてみた。


 魔王アストレイア、80年前に現れた史上最強の魔王だという。

 帝国と周辺諸国の連合軍が大群を持って魔領への侵攻をしたことがあったが手も足も出なかった。

 無限の魔力であらゆる魔法を使いこなし、彼女が通った場所は全ての命が摘み取られる。

 まさに恐怖の象徴だ。

 呪いを振りまき、近づいただけで発狂し死ぬ。

 そして歩いた土地は瘴気が漂い、人が住めない場所となる。

 再び元に戻すためには、教会の協力で時間をかけて浄化しなければならない。

 過去の歴史を顧みても、ここまで危険な魔王はいないという。

 

 初めて知ることになる母の名前。

 まさか師匠から聞くことになるとは。


 師匠と魔王アストレイアが戦ったらどうなるか聞いてみた。

 戦いになどならずに私が死ぬ、ただそれだけだとニコニコしながら答えた。

 そこはニコニコする所じゃ無いと思うんだけど。


 最強の魔王が君臨するそんな折、七年前ついに魔王アストレイアが帝国首都トレンテを侵攻する。

 帝国は何とか対抗しようとするも、結局首都が陥落した。

 魔領から首都までの道中の砦などもことごとく突破され、甚大な被害を出したようだ。

 その時、皇帝オブラーンは行方不明、一応崩御したことになっている。

 首都陥落後、皇帝の弟が手勢を集結させ首都奪還作戦を決行する。

 しかし首都に至る前に魔王の弟の急襲を受けて敗走することになる。

 なんとか皇帝の弟は生き残り、その後は防衛ラインを後退させ戦力の再集結を行う。

 弟決戦も魔族の勝利だった。


 しかし首都を陥落させた魔王はその場を放棄し、魔領にとって返してしまった。

 追従するように魔王の弟も帝国内から姿を消した。

 この行動は師匠も疑問に思っているようだ。

 僕は理由を知っている。

 お腹に僕がいたからだ。


 その半年後に魔王アストレイアが勇者によって倒された。

 しかし史上最強の魔王とどうやって戦ったのかは謎だという。

 師匠はいくつかの仮説を立てている。

 僕が最も有力だと思ったのは、魔王が病気や何らかの事情で弱っていたというものだ。

 魔王種は子供をまともに出産するのが難しい種族だ。

 魔力無限の魔王とはいえ、僕を生んで三ヶ月だ。

 もしかしたらまともに戦える状況に無かったのかもしれない。


 魔王討伐を果たした勇者の名はジェイエル。

 魔王を討伐したときの年齢は27歳だ。

 JとLで何かの頭文字だったら嫌だな。


 ちなみに勇者の選定は教会が行っている。

 選定の剣を抜くことが出来た者が、その時の勇者となるらしい。

 どこかで聞いたような話だ。

 ちなみに師匠は彼の幼少の頃に会ったことがあるという。

 既に選定の剣を抜いた後だ。

 当時は悪戯小僧でとても勇者になるような人物には見えなかったという。 

 外見は僕に似ているらしい。


 勇者ジェイエルは魔領から帝国に帰還したが、その後は反攻作戦に加わること無く行方不明だ。

 戻ったときに魔法などでの治療が不可能な呪いの傷を負っており、死んだ可能性もあるという。


 そして魔王が弟のグレバーンに変わった。

 帝国が捕らえた魔族から引き出した情報だ。

 そして代替わりしてからは魔族の積極的な侵攻が止まったようだ。

 何か画策している可能性が高いという。


 ちなみに魔王グレバーンと師匠が戦ったらどうなるかも聞いてみた。

 現魔王のユニークスキルは空間操作らしい。

 タイマン勝負では逃げるのが精一杯。

 ただし部隊を率いて戦うのであれば、やりようはあるということだ。


 魔族の侵攻が弱まった後、帝国は魔族の支配地域を少しずつ取り返している。

 そんな中、五年前に皇帝の第三子であったエスフェリアが女帝となり皇位を継いだ。

 即位した時点での年齢は11歳。


 皇帝の第一子は行方不明だが第二子は健在である。

 何故継承権の低いエスフェリアが皇位を継いだのか。

 それは魔族支配地域の奪還作戦で活躍をしている人物が関係している。

 その人物はエスフェリアの腹心であり帝国ではこう呼ばれている、魔神ギスケと。


 魔神ギスケは何も無いところに魔方陣を構築する能力を持っているという。

 魔方陣とは疑似魔術回路のことなのだ。

 戦闘に使えるようなものを作ろうとすると数日、複雑なものは数ヶ月かかるような代物だ。

 もちろん何も無いところに突然作ることなど出来ようはずが無い。

 そんな前提を全て無視しているチートキャラだ。

 しかも本人に魔力が無いらしい。


 何が何だか意味が分からない。

 魔力無しでどうやって魔方陣を動かすんだろう?

 魔術師が別にいて他人に発動してもらうんだろうか?

 そもそもどうやって魔方陣を作るんだろう?

 ギスケ・・・偽名臭いが転生者の匂いがぷんぷんする。

 僕にはそんなチート能力が無いんだけど、責任者を呼びたい。


 混乱している帝国からこれだけの情報を集めるのは、師匠といえどもかなり困難だったようだ。

 この情報が正確かどうか確かめる術は無い。

 帝国が国境に制限を設けているので、王国から帝国に直接は人員を乗り込ませることが出来ないのだ。


 そうこうしているうちに、体術訓練の時間がやってきた。

 僕は地獄へ舞い戻ることにした。




 僕より先に無双を始めている人物がいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ